憲法改正について、年内に纏めて案を提示したい
須田)憲法改正の話全体に戻したいのですが、世論調査の結果を見ますと……
東島)これは、5月20日時点での調査結果になります。
須田)読売新聞が改憲、特に9条に自衛隊を明記するというのに賛成が53%、反対が35%で、産経新聞は憲法改正に賛成が49.8%、反対が44.0%、毎日新聞が、賛成は48%で、反対は33%。朝日新聞はストレートに聞いていないので、ぜひこれは聞いて欲しいなと思うのですが、「時期に拘らず」が52%でした。こういう世論調査の結果をどのように安倍さんはご覧になっていますか?
安倍総理)真摯に受け止めています。同時に調査によって、聞き方によって答えに当然ばらつきはあると思います。ですから、よく見るのは「傾向はどうなっているのだろう?」という見方をしているのですが、私が発言したことにより、現実の問題として、憲法改正について皆考えていただき始めたな、と思います。それによって、憲法改正の必要性について、「これは必要だ」と思う方が増えてくるかどうかというのは、よく見ていきたいと思っています。
須田)いまの現状ではどうですか? 拮抗しているというか、半々みたいな……賛成がやや優勢ですが。
安倍総理)まさにこれからだと思います。1つの基本的な考え方を私は示しましたが、どのような書き方にしていくかについては、まだ自民党の中で議論がスタートしたばかりです。ですから、出来た案を国民の皆様にお示しをした後、どのような支持があるかということに注目したいと思っています。自民党の憲法改正に向けての推進において、責任者である安岡さんは、「年内には纏めたい」というような意欲を示しています。この気運が盛り上がっていけば、と思います。まずは党内において、しっかりと議論をして、安岡さんが述べているように年内に纏めて案をお示しできればな、と思います。
2020年という新しい日本が始動する年に、新しい憲法もスタートさせたい
須田)もう一点、総理はこうも仰ってますよね。「2020年には改正憲法を施工させたい」と、そういう強い意向を示しているのですが、2020年に拘っていると批判している人たちは、オリンピックに掛けて、「何でもかんでも2020年か!」みたいなことを言っているのですが、その辺の思いというか、2020年という年は、どういう形で出てきたのですか?
安倍総理)2020年には、オリンピックとパラリンピックもありますし、いろいろな目標を2020年に設定しています。たとえば、様々な分野での指導的立場。3割が女性に、という大きな目標もあります。つまり、2020年、東京オリンピック、パラリンピック。新しい日本の姿を世界に見せよう! という気運が盛り上がって来ているのだと思います。その中で、新しい憲法の条文ですね。これは初めて国民投票によって作られる憲法と言っても良いですね。それがいよいよスタートする年にする。新しい日本が始動する年に、新しい憲法もスタートしていく、という年にしたいと考えています。
待機児童やリカレント教育など女性がより能力を発揮できる日本に
須田)おじさんばかりだと安倍さんもつまらなくなってくると思うので、実はこの東島は26歳なのですよ! 若い女性として、質問はないですか?
東島)「女性の活躍」の話が出ましたが、26歳、ごくごく近く周りを見見回しても、「バリバリ働きたい!」とか「家庭を守りたい」とか「学業を貫きたい」とか、ありとあらゆる選択肢がある中で、1億総活躍社会と謳っていらっしゃいますけれども、いま、総理の心に浮かぶ課題というのは、どういう点ですか?
安倍総理)課題としては、安倍政権が出来て、女性の就業者が150万人増えたのです。増えましたから、「子育てをしながら働きたい」という人にとっては、お子さんを保育園に預けるには、なかなか不足している地域があります。特に東京。ですから、我々はそうした課題に向け、保育の受け皿を、民主党政権の2.5倍のペースで増やしていますが、しかし、待機児童を0には、いま申し上げたように、150万人も増えたものですから、なかなか追いついていません。そこで、6月までに新たなプランを決定する予定です。また、質も大切ですから、保育士の皆さんの待遇も改善しています。安倍政権が出来て10%改善しました。前政権に比べ、恐縮なのですが、民主党政権時代には増えるどころか-1.2%だったのを、10%まで増やしました。また、保育士の皆さんにとって、一生の仕事として不安を感じている方もおりますので、経験を重ねた中堅職員の方々には月額4万円、上乗せすることにしています。おおむね3年以上の職員の皆さんには、プラス5千円ということになっていきます。また、女性の皆さんは子育てのために1度離職して、また元に戻って仕事がしたいと思っても、その間の仕事に戻る上において、ノウハウが不足している可能性もありますよね。そこを埋めていく上において、リカレント教育というのが非常に大切なのです。それで、リカレント教育と再就職試案というのを行っていきます。離職後20年間は受講料を最大7割補助にして、子育てをしている期間にキャリアアップ、ステップアップしていくことが出来るように応援をしていきたいと思います。さらにせっかくの機会ですから言わせてもらいますと、女性の皆さんは非正規を選んでいる方が多いのです。子育てと両立させるためですね。ある程度短い時間に働きたい、転勤は困る、という方が多いと思います。しかし、いまの状況では正規と非正規には待遇の差があります。収入も4割低いと言われています。そこで、我々は非正規と正規の壁を無くしていく。同一労働、同一賃金を導入していく、という法案が出来次第、国会に提出したいと思っています。そうなれば、いろいろな働き方を選べて、ちゃんと仕事をしていれば不利な待遇は受けない。となれば、女性の皆さんが、能力を発揮しやすい日本に変わっていくと思います。
東島)なかなか物差しがない中で、これだけ具体的なお話が出ると、希望がもてますね。
須田)ずいぶんいろいろやりますね。ちょっと優遇しすぎじゃないですか? 我々の時代と全然違いますね。
安倍)ははは、「やっていない」と言われていますものね。けっこうやっているのです。ですから、せっかく機会をいただいたので、長々と喋らせていただきました。
須田)どうですか? 彼女は未婚です。言うまでもなく。結婚して、子供産みたいって気持ちになってきましたか?
東島)そうですね。その上で、人生のプランというか、思い描く大きな指標ですよね。どうしても先輩たちを見て、自分のことを考えますから、「こういうものよねー」ではないところが希望が持てますね。
須田)よかったね、やってもらって。僕たちの時代にも、やって欲しかったなと思うんですけどね。
憲法は本来 わくわくして夢を語る為の物である
須田)憲法の話に戻りたいのですが、言ってみれば国民自身にも、憲法に関して議論をどんどん深めてもらいたい、今はそう言う思いなのでしょうね。
安倍総理)まさに、議論を深めていただくために、私もあえて発言させていただきました。当然ですね、自民党総裁として発言しておりますから、問題ないのですが、しかし、いろいろなところで、当然それに対して批判をする人はいます。しかし、批判をされてもなお、やはり国民の皆さんに議論をしていただく気運を作らなければいけないな、と思いました。
須田)やはり憲法の話になると堅い話にばかりなってしまって、イメージが悪くなってしまうのではないかと思うので、来週は柔らかい話も含めて、話をさせていただきたいなと思います。
安倍総理)まあ、憲法も、国の未来や国の形、あるいは夢を語っていくものなのです、本来は。ですから皆さんにはわくわくしながら、「自分たちはどんな案が良いかな?」というのを考えてもらいたいですね。それから、国民投票というのは皆さんが参加するのですから、国民の皆さんが直接、いろいろなことを決めていく。日本の国の形を決めていく。そういう機会が訪れるということ。そう言う風に受け止めていただきたいなと思います。
須田)よけいなこと言ったら、たしなめられちゃったよ!
東島)そうですよ、須田さん(笑) 総理も「せっかくですから」と仰ってくれましたが、来週も引き続き安倍総理にお話を伺います。
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