スポーツ伝説

2025.03.27

2025年3月24日~27日の放送内容

【プロ野球 浅野翔吾選手】
 大型補強のもと、2年連続のリーグ優勝を目指す読売ジャイアンツ。選手の層が厚いため、高卒の生え抜き野手がチャンスを掴むのは並大抵のことではありません。そんな中で今年、高卒3年目でレギュラー獲得を目指すのが、2022年のドラフト1位・浅野選手です。小柄ながらも抜群の身体能力を誇り、俊足・強肩・フルスイングが持ち味です。2年目の昨シーズンは開幕1軍入りを果たしましたが、9打席ノーヒットと結果を出せず2軍落ち。しかし2軍で好成績を挙げて8月に1軍復帰を果たすと、直後の阪神戦でシーズン初ヒット。これが満塁ホームランとなったのです。19歳8カ月での満塁ホームランは、セ・リーグでは史上4番目の年少記録。さらにジャイアンツの選手が10代で満塁アーチを放ったのは、08年の坂本勇人選手以来、16年ぶり2人目の快挙でした。
 迎えたプロ3年目の今年、浅野選手は様々な場面で注目を浴びています。1月は、地元・香川県高松市や都内で行われた「20歳を祝う式典」でスピーチを担当。春季キャンプでは阿部監督から直々にティー打撃でトスをあげてもらうなど、手厚い指導を受ける場面も。プロ3年目で初めて1軍キャンプを完走した成果は、さっそく結果として表れます。2月23日の広島とのオープン戦では、5番・レフトで先発出場して2安打。開幕スタメンに照準を合わせています。

 

【プロ野球 松尾汐恩選手】
 昨シーズン、26年ぶりの日本一に輝いた横浜DeNAベイスターズ。今年は27年ぶりのリーグ制覇と、日本一連覇へ向けて期待が高まっています。そんな中、飛躍を期待されているのが、20歳のキャッチャー・松尾選手です。高校時代は世代ナンバーワンキャッチャーと呼ばれ、2022年のドラフト1位で入団します。そんな期待の逸材でも、12球団随一ともいわれる層の厚さを誇る横浜DeNAの1軍でマスクをかぶるのは並大抵のことではありません。正捕手の山本祐大選手は侍ジャパンのメンバー。ベテランの戸柱恭孝選手は昨年のクライマックスシリーズでMVPに輝くなど健在。さらに経験豊富な伊藤光選手も控えています。そこに割って入らなければいけない松尾選手。アピールポイントはバッティングです。昨シーズンは、初の開幕1軍入りを果たしプロ初ヒットも記録しましたが、その後はなかなか結果が出ず2軍落ちも経験します。しかし夏に1軍へ戻ると、8月10日の東京ヤクルト戦ではスタメンマスクを被り、5打数3安打でプロ初打点もマーク。初のお立ち台も経験しました。
 昨シーズンの松尾選手は、キャッチャーとしても得がたい経験をしました。リーグ戦3位から勝ち上がったクライマックスシリーズ、そして日本シリーズでベンチ入りできたのです。ポストシーズンでの主戦マスクは、レギュラーの山本選手が故障していたため、ベテラン・戸柱選手の役目でしたが、松尾選手はその戸柱選手と自主トレを共にし、日本シリーズの大舞台でも傍でリードを学びます。日本シリーズ第2戦では代打で登場し、シリーズ初打席初安打となるツーベースを放つと、そのままマスクをかぶりました。このとき投手陣から、積極的に強気のリードをしてくれたと高い評価を受けた松尾選手。この試合は敗れたものの、3戦目以降、一気に4連勝する流れは、松尾選手の強気のリードが生み出したかもしれません。今年は勝負の3年目。肉体改造もした松尾選手の飛躍に注目です。

  
 
    
【プロ野球 岩瀬仁紀投手】
 1月16日、野球殿堂博物館は今年の殿堂入りを発表。中日ドラゴンズでリリーフ投手として長年活躍した岩瀬さんが競技者表彰プレーヤー部門で選出されました。愛知県生まれの岩瀬投手は、西尾東高校、愛知大学、NTT東海と全て地元のチームでプレーし、1998年のドラフトで逆指名してこれまた地元・中日に入団。2018年の引退まで、20シーズンで407セーブを挙げた岩瀬投手。前人未踏のプロ野球記録ですが、岩瀬投手はもう1つ、偉業を達成しています。それは、通算1002試合登板。ピッチャーが1000試合に投げるのは至難の業で、仮に毎年50試合ずつ登板したとしても20年かかる計算です。これは岩瀬投手が長年にわたり、チームに貢献し続けたことの証。特に04年から11年まで指揮をとり、リーグ優勝4回と53年ぶりの日本一を達成した落合博満監督の時代には、絶対的守護神として君臨しました。前人未到の2つの記録と黄金時代を支えた功績を評価されて、同じ愛知県出身のイチローさんとともに今回の殿堂入りとなったのです。
 これだけ偉大な記録を残しながら「自分が殿堂入りするなんて、畏れ多い」と謙遜する岩瀬さん。岩瀬さんが現役でプレーしていた時の中日には、50歳まで投げた山本昌さんや、歴代1位の通算3021試合出場の記録を持つ谷繁元信さんなど、レジェンドが在籍。ここに自分がいていいのかという思いから、何とかして1軍に残ろうと前だけを見て、必死で野球に取り組み続けたことが殿堂入りに繋がりました。

 

  
【野球 イチロー選手】
 毎年、日本とアメリカで記者たちの投票によって新しい表彰者が決まる野球殿堂。今年、日米両方で候補者として注目されたのがイチローさんです。日米で通算4367安打をマーク。日本では7年連続首位打者。メジャーリーグでは10年連続200安打以上、メジャー記録を84年ぶりに更新するシーズン262安打など、偉大な記録をいくつも打ち立ててきたイチローさん。2019年3月の現役引退から5年以上が経過した今回、イチローさんは日米両方で野球殿堂入り候補者に初めてリストアップされました。1月16日、まず日本の殿堂入りが発表され、競技者表彰のプレーヤー部門で全体の92.6%の票を得て、文句なしで殿堂入りを決めます。続いて1月21日、今度はアメリカの殿堂入りが発表され、こちらも圧倒的な得票で殿堂入りが決定。アジア人初の快挙ですが、史上2人目、野手では初となる満票での選出には1票だけ足りませんでした。
  この結果には、イチローに投票しなかったのは一体誰なのかと非難する声が続出しましたが、イチローさんからは「1票足りないのは僕にとって完璧」というコメントが。満票でなかったことをむしろ喜んでみせたイチローさん。メジャーを目指す子どもたちにこんなメッセージを残しました。
「怖がらないで、自分が信じた道に飛び込んでほしい。人間関係はいろいろあります。良かれと思った結果でも惑わされることはあります。でも信じている自分をつくっていれば、自分が信じた道に飛び込んでいけると思う」

  
『スポーツ伝説』は3/27(木)の放送をもって終了致しました
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    パーソナリティ
    • 滝本沙奈
      滝本沙奈
      滝本沙奈

      滝本沙奈

      生年月日:1984年6月6日
      出身地:東京
      学歴:青山学院大学文学部英米文学科卒
      趣味:マリンスポーツ(ダイビング、サーフィン、釣り)
      資格:PADIオープンウォーターダイバー、おさかなマイスターアドバイザー

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