【サッカー 武藤嘉紀選手】
昨シーズンのサッカーJ1リーグは、ヴィッセル神戸が史上6クラブ目となる連覇を達成。今シーズンは、達成すれば史上2クラブ目となる3連覇の大偉業を目指すシーズンになります。そのチームを引っ張る存在が、昨シーズンのJ1リーグMVP・武藤選手です。2023年の神戸初優勝の際にも10ゴール10アシストをマークし、J1リーグ ベストイレブンにも輝いた武藤選手。24年もさらに精力的に活躍し、前年のリーグMVPでチームの大黒柱・大迫勇也選手が厳しいマークに合う中、エースとして攻守にチームを牽引し続けました。しかし4月の湘南ベルマーレ戦で値千金の決勝ゴールを決めたものの、肋骨を骨折。それでも休まず試合に出場し続けた武藤選手は、開幕戦に欠場した以外、リーグ戦には残りの37試合すべてに出場。神戸のアタッカー陣で最長となるプレータイムを記録して、チーム最多の13ゴール、チーム2位の7アシストをマークしたのです。天皇杯でも活躍し、決勝戦ではゴールの起点になって自身初のカップ戦タイトルも勝ち取りました。
最終節まで優勝が決まらない熾烈な戦いが繰り広げられた、昨シーズンのJ1リーグ。神戸にとって死闘となったのは、残り2節で迎えた柏レイソル戦です。優勝のためには負けられない一戦で、神戸は1点を先制され、そのまま終盤へ。武藤選手がファウルを受け、神戸はPKのチャンスをつかみますが、このPKを大迫選手が外してしまい、同点のチャンスを逃してしまいます。しかし後半アディショナルタイム10分。いつ試合が終わってもおかしくない状況で武藤選手が執念のゴールを決め、1対1の引き分けに持ち込んだのです。貴重な勝ち点1を手にした神戸は、次の最終節、勝てば優勝が決まる試合で武藤選手もゴールを決めて3対0と完勝し、J1リーグ連覇を果たしました。
【サッカー アンデルソン・ロペス選手】
横浜F・マリノスのストライカー、ロペス選手は今、Jリーグでゴールをもっとも予感させる選手です。ブラジル出身のロペス選手が来日したのは2016年。サンフレッチェ広島でJリーグデビューを果たし、2年目に2ケタの10ゴールを記録します。その後、他クラブへの移籍を経て、22年に横浜F・マリノスに加入。1年目から11ゴールを決めました。そんなロペス選手が、さらなる覚醒を見せたのは移籍2年目の23年です。これまで毎年ほぼ10ゴール前後だったのが、22ゴールと倍増。ヴィッセル神戸の大迫勇也選手と並び、初のJ1得点王に輝いたのです。このタイトル獲得で、背番号がそれまでの11番から10番に変更。責任あるエースナンバーを背負った24年は開幕戦でPKを決め、5月の柏レイソル戦ではハットトリックを決めるなど、これまでと同様にゴールを重ねていきました。
ゴール前の勝負強さや巧みなシュートテクニックを武器に得点を量産したロペス選手は、24年シーズンも終盤にかかった11月のジュビロ磐田戦でシーズン2度目、通算4度目のハットトリックを記録します。J1でシーズン2度のハットトリックは、前田大然選手以来3年ぶり。通算4度以上は史上9人目の快挙でした。2度目のハットトリックで前年のゴール数を上回ったロペス選手は、11月30日の湘南ベルマーレ戦で初めてキャプテンマークを巻き、J1リーグ200試合出場を達成。その節目の試合でもゴールを決めて24ゴールに伸ばし、史上4人目となる2年連続得点王の快挙を成し遂げました。そして迎える25年シーズン。ロペス選手は過去に1人しかいない、3年連続得点王に挑みます。
【サッカー 宇佐美貴史選手】
ガンバ大阪のキャプテン・宇佐美選手は、昨シーズンのJ1リーグで実に9年ぶりにベストイレブンに選ばれました。2014年・15年と2年連続でベストイレブンを受賞した宇佐美選手は、2度の海外挑戦を経て019年から古巣のガンバに完全復帰。23年からはキャプテンを任されると同時に、チームのレジェンド・遠藤保仁選手がつけていたガンバのエースナンバー7番を背負うことになりました。迎えた24年、キャプテン、そしてエースとして宇佐美選手が躍動します。まずはアウェーでの開幕戦で同点に追いつく直接フリーキックを決めると、次の試合では白星に繋がるペナルティキックに成功。さらに次の試合でも開始早々にゴール前でボールを受けると、相手のマークをかわしてゴールネットを揺らします。ガンバ大阪では27年ぶりの、開幕から3試合連続ゴールをやってのけたのです。自身32歳の誕生日だった5月6日には、セレッソ大阪との大阪ダービーでJ1通算250試合出場を達成。節目の日にチームに勝利をもたらす、決勝バースデーゴールを決めてみせました。
32歳、円熟期を迎えた宇佐美選手は、アシストにゴールにと活躍を続けます。6月には3ゴール・1アシストの活躍で月間MVPを受賞。10月5日、ホームで行われた北海道コンサドーレ札幌戦では、1点ビハインドの後半アディショナルタイムに同点に追いつくペナルティキックを決めると、その4分後には劇的な逆転弾。この時、白星から9試合遠ざかっていたガンバに久しぶりの勝利をもたらす決勝ゴールという点も評価されて、24年のJリーグ最優秀ゴール賞を受賞しました。
【サッカー 大迫敬介選手】
Jリーグ・サンフレッチェ広島の不動のゴールキーパーといえば、現在25歳で日本代表の常連でもある大迫選手です。経験が求められるポジションでありながら、19歳の時からコンスタントに試合に出続けている大迫選手。そのデビューはあまりにも鮮烈でした。当時、チームの正ゴールキーパーである林卓人選手の怪我により、急遽アジアチャンピオンズリーグ・プレーオフという国際試合でプロデビューした大迫選手は、好セーブを連発しただけでなく、PK戦の末の完封勝ちにも貢献します。さらにその4日後にはJ1リーグでもデビューを飾り、29試合に出場。クラブ新記録となる5試合連続無失点をマークするなど活躍して、日本代表にも招集されました。そして19歳324日、ゴールキーパーとしては史上最年少で日本代表デビューを飾ったのです。林選手が2023年に41歳で現役を引退した際には、大迫選手は林選手から長年背負い続けた「背番号1」のユニフォームを直接手渡され、番号を譲り受けることになったのです。
サンフレッチェ広島にとって、24年の開幕戦は大きな節目といえる試合でした。長年の悲願だった、サッカー専用の新スタジアムで迎える記念すべきリーグ戦初ゲームだったからです。この大事な一戦で大迫選手は、背番号1の新守護神として浦和レッズの攻撃をシャットアウト。見事完封勝利を飾ります。その後も大迫選手はシーズンを通して安定したプレーを見せ、自身初となる全38試合フルタイム出場を達成。チームも優勝争いを演じます。最終的にサンフレッチェは2位と優勝に惜しくも届きませんでしたが、大迫選手は初めてJ1リーグ・ベストイレブンに輝きました。
【MLB リッキー・ヘンダーソン選手】
昨年暮れ、アメリカ・メジャーリーグのアスレチックスなどで活躍し、通算1406盗塁の歴代最多記録を持つレジェンドであるヘンダーソンさんがくなりました。1979年にアスレチックスでメジャーリーガーとしてデビューしたヘンダーソンさんは、メジャー2年目の80年、当時アメリカンリーグ新記録となるシーズン100盗塁を記録し、初めて盗塁王のタイトルを獲得。86年まで7年連続で盗塁王に輝きました。更に82年にはメジャー新記録のシーズン130盗塁をマークし、この偉大な記録は40年以上経った今も破られていません。
ヘンダーソンさんは、2003年まで25シーズン、メジャーリーグでプレー。9つの球団を渡り歩いて歴代最多の通算1406盗塁を積み重ね、3055安打を記録。通算2295得点も歴代最多です。その俊足好打でメジャー史上最高のリードオフマンと呼ばれました。09年にアメリカの野球殿堂入りを果たし、背番号「24」はアスレチックスの永久欠番となっています。アスレチックスは昨シーズン限りでオークランドから本拠地を移転しましたが、昨年9月に行われたホーム最後の試合でヘンダーソンさんは始球式に登場。地元のファンを大いに沸かせた矢先の訃報でした。
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!
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