【プロ野球 甲斐拓也選手】
福岡ソフトバンクホークスで育成選手から這い上がり、球界を代表するキャッチャーとなった甲斐選手。昨年のオフにFA宣言をして、セ・リーグの読売ジャイアンツで新たな野球人生を送ります。ホークスでのラストイヤーとなった昨シーズンも、甲斐選手はこれまで同様に守備の要としてチームを支え、4年ぶりのリーグ優勝に貢献。個人では、育成出身選手史上初となる通算1000試合出場の偉業を達成。競争が激しく、肉体的疲労や怪我も多いキャッチャーで成し遂げたことが何よりの勲章です。また守備率9割9分9厘の好成績が評価され、2年ぶり7度目となるゴールデン・グラブ賞受賞も果たしました。
ジャイアンツへの移籍に際して高く評価されたのは、何と言っても豊富な実績と大舞台での経験です。ホークスの正捕手として何度も優勝に貢献しただけでなく、侍ジャパンのメンバーとして、プレミア12・WBC・オリンピックと3つの世界大会に出場し、すべての大会で世界一を経験。それがいかに難しく、価値あることかをよくわかっているキャッチャー出身の阿部慎之助監督は、自身が現役時代につけていた10番を甲斐選手に託しました。リーグ連覇と13年ぶりの日本一へ。鍵を握るのは新10番です。
【プロ野球 石川柊太投手】
昨年のオフ、福岡ソフトバンクホークスからFA宣言した右腕の石川投手。先発と中継ぎの両方をこなせるため、ホークスも含めた5球団による争奪戦が起こる中、新天地に選んだのは千葉ロッテマリーンズでした。2013年に育成選手としてプロ入りした石川投手は、一軍の試合に出場できる支配下登録入りを目指さなければならない厳しい立場でした。入団から2年間は故障もあり、二軍での登板機会すらありませんでしたが、3年目の16年7月に支配下登録を勝ち取ると、翌17年には開幕一軍入りを果たし、この年5月に待望のプロ初勝利を飾ります。その後は2ケタ勝利を2回、最多勝と最高勝率のタイトル獲得や、ノーヒットノーランも達成し、球界を代表するピッチャーになりました。プロ11年目の昨シーズンは7勝2敗、防御率は2点台をマーク。特に8月以降は6戦5勝と抜群の安定感を見せ、リーグ優勝を決めた試合では勝利投手になり、大一番での勝負強さも示してみせました。
石川投手が千葉ロッテ移籍を選んだのは、本拠地・ZOZOマリンスタジアムとの抜群の相性の良さがあります。18年5月以降、この球場では7連勝中で、昨シーズンも3試合に登板して2勝0敗、防御率は0.00。敵チーム所属でありながら“マリンの申し子”と呼ばれることもありました。活躍の理由は、石川投手が得意とする球種・パワーカーブです。弧を描くようなカーブではなく、力強い曲がり方をするのが特徴ですが、マリンスタジアム名物ともいえる強風のおかげで、このパワーカーブの曲がり方がより強烈になり、まるで魔球のようにバッターを苦しめるのです。マリーンズといえば、昨シーズン10勝を挙げた佐々木朗希投手がロサンゼルス・ドジャースへ移籍。この穴を石川投手が埋められるかどうかに注目が集まっています。
【プロ野球 九里亜蓮投手】
今シーズンからオリックス・バファローズでプレーする、プロ12年目の右腕・九里投手。昨年オフに広島カープから海外FA権を行使して、かねてからの夢だったメジャー移籍を目指していました。しかし断念し、今シーズンは国内で新たな挑戦をすることになりました。昨シーズンは先発投手のコマ不足に悩まされ、パ・リーグ王者から一転、5位に沈んだオリックス。九里投手の獲得に動いた理由として、先発として長いイニングを投げれる試合巧者であり、先発ローテーションを1年間しっかり守れる体のタフさを挙げています。実際九里投手は、昨シーズン初の開幕投手を務め、23試合に登板。7勝10敗と負け越しながらも、先発ローテはしっかり守りました。プロ入りしてから11年間、長期の離脱は1度もなく、投球回数は17年から8年連続で100イニング以上をクリアしている九里投手。この体の強さをオリックスは高く評価しています。
九里投手のタフネスぶりを象徴するエピソードが、キャンプでの投げ込みです。広島時代の21年、春季キャンプで今の時代では珍しい1日347球の投げ込みを行い、周囲を驚かせました。投げることに喜びを感じ、先発した試合では完投にこだわるタイプの投手です。昨年のクリスマスに行われたオリックスへの入団会見では、今シーズンの目標として、投球回200イニングを掲げた九里投手。かつては一流投手の証といわれた200イニング投球ですが、分業制が進んだ日本のプロ野球では、18年に巨人の菅野智之投手が202イニングを投げて以来、6シーズン達成者が出ておらず。九里投手は、23年の174回1/3イニングが自己最多です。誓いを現実にして、岸田護新監督の胴上げに貢献すべく、九里投手の挑戦が始まります。
【プロ野球 茂木栄五郎選手】
昨年オフに東京ヤクルトスワローズにFA移籍した茂木選手は、2015年のドラフト3位で東北楽天に入団。プロ1年目の開幕戦からショートのレギュラーに抜擢されます。しかもパ・リーグの新人選手ではただ1人、規定打席に到達して打率2割7分8厘をマーク。19年まで4年連続で100試合以上に出場しました。しかしここ数年は出場機会が減少。9年目の昨シーズンは主に代打での起用が多く、46試合の出場にとどまりました。とはいえ、内野は全ポジションを守れるユーティリティプレーヤーであり、昨シーズンも代打で25打数12安打、打率4割8分と勝負強さを見せた茂木選手。出場機会を求めてFA宣言すると、すぐオファーを出したのが東京ヤクルトでした。ショートのレギュラー・長岡秀樹選手は昨シーズン143試合に出場しましたが、控え選手との差が大きく、実績のある茂木選手の加入はまさに願ったり叶ったり。茂木選手にとっても、東京ヤクルトの本拠地・神宮球場は
早稲田大学時代に東京六大学野球で慣れ親しんだ場所であり、移籍を決断しました。
東京ヤクルトとの入団交渉の際、小川淳司GMから「大学の時から見ていた」と言われたことも移籍の決め手になったという茂木選手。謙虚で努力を惜しまない性格は学生時代からまったく変わりがなく、つい応援したくなると茂木選手を知る人たちは口を揃えます。プロ1年目の16年、北海道日本ハムの高梨裕稔投手と新人王を争った時も「絶対に僕じゃない。高梨さんです」と言っていた茂木選手。当時、東北楽天の指揮官だった梨田昌孝監督は、そんな茂木選手に少しでも打席を回そうと1番打者で起用してバックアップしました。結果的に新人王は高梨投手に譲りましたが、その高梨投手も18年に東京ヤクルトへ移籍。奇しくも今シーズンからはチームメイトになります。
【プロ野球 福谷浩司投手】
昨年暮れに自身のSNSで、12年間在籍した中日ドラゴンズから、北海道日本ハムファイターズへの移籍を発表した福谷投手。2012年のドラフト1位で中日に入団し、プロ2年目の14年にセ・リーグトップの72試合に登板して、2勝4敗11セーブ32ホールド、防御率1.81の好成績を挙げます。19年から先発に転向し、21年は自身初の開幕投手に抜擢されましたが、この年は5勝10敗とふるわず。その後も一軍に定着できないシーズンが続きました。プロ12年目の昨シーズンは、8試合に登板してわずか3勝に終わりましたが、オフにFA宣言すると、北海道日本ハムから熱心なオファーが届きます。入団交渉の席で様々なデータを示され、他球団の目から見た自身の長所について説明を受けた福谷投手。先発・中継ぎ・抑えのすべてをこなせる上に、野球に対して研究熱心な福谷投手を北海道日本ハムは高く評価していました。まだまだ自分は成長できると思った福谷投手は、愛着のある地元のチームを離れて北海道を新天地に選んだのです。
先月6日にエスコンフィールド北海道で入団会見を行った福谷投手。背番号は「41」に決まりました。この番号は、現役時代にセットアッパーとして中日の黄金期を支えた浅尾拓也中日投手コーチが付けていた番号です。「浅尾さんに少しでも近づけるように」と会見で抱負を語った福谷投手。先月34歳の誕生日を迎えたばかりですが、このオフはプエルトリコで行われたウインター・リーグに参戦して腕を磨きました。まだまだ発展途上の13年目右腕の新天地での活躍に注目です。
来週のスポーツ伝説は……
2/10(月) サッカー 武藤嘉紀選手
2/11(火) サッカー アンデルソン・ロペス選手
2/12(水) サッカー 宇佐美貴史選手
2/13(木) サッカー 大迫敬介選手
2/14(金) MLB リッキー・ヘンダーソン選手
お楽しみに!!
2025.03.27
2025年3月24日~27日の放送内容
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2025.03.21
2025年3月17日~21日の放送内容
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2025年3月10日~14日の放送内容
【プロ野球 田中将大投手】 昨年のオフ、東北楽天ゴールデンイーグルスを退団し、読売ジャイアンツへの入団を発表した田中投手。2006年に高校生ドラフト1位で東北楽天に入...
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2025年3月3日~7日の放送内容
【メジャーリーグ 菊池雄星投手】 岩手県の花巻東高校時代から注目を浴びてきたサウスポー・菊池投手。2019年にアメリカ・メジャーリーグに活躍の場を移すと、5年目の23...
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2025年2月24日~28日の放送内容
【プロ野球 遠井吾郎選手】 今年で球団創立90周年を迎えた阪神タイガース。遠井選手は1950年代~70年代にかけて、阪神ひと筋で20年間プレーした名物選手です。ぽっち...