【ゴルフ 竹田麗央選手】
初の年間女王に輝いた竹田選手は21歳。プロ3年目の昨シーズンは、地元・熊本で行われたKKTバンテリンレディスでツアー初優勝を飾ったのを皮切りに、年間8勝を記録しました。先月行われた、日本(にほん)女子プロゴルフ協会の年間表彰式 JLPGAアワードでは、年間最優秀選手賞、賞金ランキング1位、JLPGA栄誉賞など数々のトロフィーを手にした竹田選手。メディア賞ベストコメント部門でも表彰を受けました。昨年11月のTOTOジャパン・クラシックで、6ホールに及ぶプレーオフを制して優勝した際、長時間のプレーを最後まで見守ってくれたファンへの一言「本当に長くなってしまってすみません」がベストコメントに選ばれたのです。そんなファン思いの姿勢も、竹田選手が高い評価を受ける理由。この他、日立3ツアーズ選手権に出場したJLPGAチームのメンバーとして特別賞も受賞して、まさに表彰ラッシュの1年となりました。
竹田選手は2021年にプロテストに一発合格した“ダイヤモンド世代”の1人です。最大の武器は、平均飛距離が260ヤードを超える男子プロ顔負けのドライバー。昨年11月の大王製紙エリエールレディスでは、320ヤード、パー4の4番ホールで放ったティーショットがグリーン手前まで到達。あわやワンオンというこのショットは、ゴルフファンの間で大きな話題となりました。名実ともに、国内トップの座をつかんだ竹田選手は、TOTOジャパン・クラシックの優勝でアメリカ女子ツアー出場権を獲得したため、今シーズンは主戦場をアメリカに移す予定です。竹田選手の叔母は、1993年・94年と2年連続賞金女王に輝いた平瀬真由美選手。竹田選手が平瀬選手にアメリカ行きを相談すると、行くなら早いほうがいいと背中を押してくれました。今シーズンはアメリカを拠点に、ビッグショットで世界を沸かせます。
【ゴルフ 金谷拓実選手】
昨年、男子プロゴルフツアーの賞金王争いは、国内ツアー最終戦のゴルフ日本シリーズJTカップが始まる前の時点で、6人の選手に賞金王の可能性がある状況でした。この時にトップの平田憲聖選手をおよそ290万円の差で追っていたのが、2位の金谷選手・26歳です。金谷選手は、東北福祉大学3年生だった2019年に、アマチュアで史上4人目となる国内ツアー大会優勝を果たして翌年プロに転向。これまで国内ツアー通算7勝を挙げています。プロ1年目から、賞金王は通過点という気持ちだったという金谷選手ですが、23年は中島啓太選手とツアー終盤まで賞金王を争って、惜しくも届かず3位で終了。しかしこの経験が生きてきます。昨年、金谷選手は開幕戦で優勝。10月に2勝目を挙げて賞金ランキング2位につけ、トップの平田選手を追っていきました。ツアー最終戦の最終日、金谷選手は1イーグル、4バーディー、3ボギーで回り、スコアを3つ伸ばして3位で終了。スコアを伸ばせず17位に終わった平田選手を逆転して、念願の賞金王に輝いたのです。
ツアー最終戦が終わった翌日、12月2日に行われたジャパンゴルフツアーの表彰式で、金谷選手は国内ツアー最優秀選手賞に初めて選ばれます。他にも、平均ストローク賞やパーキープ率賞など、合わせて7つのタイトルを受賞しましたが、その姿は会場にありませんでした。理由は、アメリカツアーの最終予選会に出場するため、国内最終戦を終えたその足ですぐ渡米したからです。その予選会で、今シーズンのアメリカツアー出場資格が得られる5位タイ以上を目指した金谷選手。初日は59位と出遅れましたが、最終的に3位に入ってみごとアメリカツアー出場資格をつかみ取りました。
【ゴルフ 平田憲聖選手】
昨年、男子プロゴルフツアーで、ツアー最終戦の直前まで賞金王争いのトップを走っていた24歳の平田選手。2023年のミズノオープンでツアー初優勝を飾ると、日本プロゴルフ選手も制して国内メジャー初制覇を果たします。昨年は、7月に長嶋茂雄招待セガサミーカップでツアー通算3勝目を挙げると、フジサンケイクラシック、シンハンドンヘオープン、パナソニックオープンを制し、昨年の男子ツアーで最多の4勝を挙げます。ところが、ツアー最終戦のゴルフ日本シリーズJTカップは17位に終わり、3位に入った金谷拓実選手に賞金額を抜かれて、最後の最後で賞金王を逃してしまいました。
ツアー最終戦終了の翌日、12月2日に行われたジャパンゴルフツアー表彰式で平田選手は2つの賞を受賞します。1つは、最優秀新人賞 島田トロフィーです。大学生の時にプロに転向した平田選手は、昨年がプロ4シーズン目。受賞の対象は「ツアー選手として初めてトーナメントに出場した時から3年以内の者」とあるので、まだ資格が残っていたのです。もう1つは、ゴルフ記者賞。その名の通りゴルフ記者が選ぶ賞です。賞金王を逃した悔しさはありつつも、受賞への喜びを噛みしめた平田選手。2025年はその悔しさをエネルギーに変え、今度こそ頂点を目指します。
【サッカー 稲本潤一選手】
サッカー日本代表で活躍。そして国内外合わせて12クラブを渡り歩き、45歳までプレーした稲本選手が昨年、28年間の現役生活に別れを告げました。1997年にガンバ大阪でプロデビュー。ポジションは守備的ミッドフィルダーでしたが、積極的な攻撃参加で前線でも存在感を発揮し、17歳7カ月で挙げたゴールは当時のJリーグ最年少記録でした。99年のワールドユースでは中心選手として活躍。FIFA主催の世界大会で日本が決勝に進んだのは、全年代の代表を通じて史上初の快挙です。小野伸二選手や遠藤保仁選手などと共に、日本サッカー黄金世代の一人として、2000年のシドニーオリンピックでも快進撃を演じました。稲本選手の名を世に知らしめたのは、02年の日韓ワールドカップです。1次リーグの初戦ベルギー戦と、続くロシア戦で2試合連続ゴールを決めて、日本初の決勝トーナメント進出に貢献。ゴールを決めた直後、人さし指を伸ばして喜ぶ姿は、日本サッカー史に残る名シーンに挙げられます。
その後も06年のドイツ大会、10年の南アフリカ大会と、3大会連続でワールドカップを経験するなど、稲本選手は日本代表で82試合に出場し5得点を挙げます。01年に移籍したイングランド・プレミアリーグの名門アーセナルでは、リーグ戦出場機会こそありませんでしたが、翌年に移籍したフラムで、稲本選手は日本人選手として初めてプレミアリーグに出場。カップ戦では、ハットトリックも達成します。その後、ヨーロッパ最高峰の舞台であるチャンピオンズリーグでゴールを挙げるなど、日本人選手が海外でプレーする道を切り開いた1人でした。10年に川崎フロンターレで国内に復帰して、最後は社会人チームの南葛SCでプレーした稲本選手。今後は指導者として、また違った形でサッカーに関わり続けます。
【サッカー 興梠慎三選手】
サッカー日本代表では16試合に出場。代表以上に所属クラブで結果を残し、ファンに愛された浦和レッズの興梠選手。プロ選手として、興梠選手のキャリアの原点は鹿島アントラーズでした。ポストプレーや守備の裏に抜け出すプレーなど、多彩な仕掛けが持ち味のフォワードとして頭角を現し、2007年からのリーグ3連覇にも貢献します。そんな順風満帆のキャリアを送りながら、13年に浦和レッズに移籍。当時、浦和を率いていたペトロビッチ監督のサッカーに感銘を受け、監督のもとでサッカーをしてみたいという向上心がきっかけでした。ただ、鹿島と浦和はJリーグ創成期からしのぎを削るライバル同士。禁断の移籍とも呼ばれましたが、興梠選手は移籍初年度から13ゴールを挙げ、サポーターの心をつかんでいきます。やがて浦和のエースとしての地位を確立した興梠選手は、J1史上初となる同一クラブで8シーズン連続2ケタ得点を達成。鹿島最後のシーズンも合わせた9シーズン連続2ケタ得点は、J1史上最長記録です。
30代半ばを過ぎても、興梠選手のゴールは浦和ファンに何度も歓喜の瞬間をもたらしました。23年4月、ACL=アジア・チャンピオンズリーグ決勝・第1戦でゴールを決め、アジア制覇に貢献。ACLで決めた27ゴールは、日本人選手で歴代トップを誇ります。昨年3月、湘南ベルマーレ戦でゴールを決め、J1リーグ18年連続ゴールを達成。これが現役最後のゴールとなりましたが、J1通算168ゴールは大久保嘉人さんに次ぐ歴代2位の偉大な数字です。
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!
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