【プロ野球 藤平尚真投手】
2016年のドラフト1位で東北楽天ゴールデンイーグルスに入団した藤平投手。高卒1年目から先発で3勝を挙げ、2年目も4勝と将来を大きく期待されます。ところがその後は伸び悩み、23年までのプロ7年間の成績は10勝16敗。背番号も入団時の19番から46番に変わっていました。そして8年目の昨シーズン、藤平投手は先発から中継ぎへと変わります。この新たな役割がきっかけとなり、シーズン47試合に登板して20ホールドをマーク。奪三振率は11.27という高い数字を記録し、イーグルスのブルペンになくてはならない存在となりました。
藤平投手の三振を奪う能力は、国際舞台でも大いに発揮されました。昨年開催された国際大会「世界野球・プレミア12」で、日本代表・侍ジャパンのメンバーに選ばれた藤平投手は、6試合で6イニングを投げ無失点。12個の三振を奪い、奪三振率は18.00。“侍のドクターK”として躍動しました。まさに飛躍の1年を過ごしましたが、本人は満足していません。今シーズンは50試合以上の登板を目標に掲げるとともに、来年開催されるWBCでも侍ジャパンのメンバーに選ばれたいと宣言。今シーズンも腕を振り続けます。
【プロ野球 小園海斗選手】
プロ6年目の昨シーズン、大きな転機となる1年となったのが、広島カープの小園選手です。2018年のドラフト1位で入団した際、日本一のショートになると宣言。プロ3年目に念願のショートのレギュラーの座をつかみます。ところが5年目の23年は出場試合数が激減し、チームでの信頼を失っていました。昨シーズン、小園選手はショートへのこだわりを捨てて、まずは試合に出ること、チームに貢献することに意識を改めます。そして新たにサードでレギュラーの座をつかむと、昨シーズンはプロ入り初の全試合出場を果たしました。また昨シーズンは、多くの試合で4番バッターに抜擢されます。ホームランを狙う主砲としての4番ではなく、つなぎの4番に徹すると、自己最多の151安打、得点圏打率は3割4分1厘の好成績を残したのです。こうして、内野ならどこでも守れてどの打順でも対応できる、球界屈指のユーティリティプレーヤーに成長を遂げた小園選手。シーズン終了後の世界野球・プレミア12で、侍ジャパンのメンバーに選ばれます。
侍ジャパンの井端弘和監督は、小園選手に2番・セカンドを任せます。すると日本の開幕戦・オーストラリア戦で初回から先制点に繋がるヒットを放つなど、5打数2安打1打点と活躍して勝利に貢献しました。その後も守備と攻撃両方で存在感を示した小園選手。この大会、日本は準優勝に終わりましたが、小園選手は打率3割8分7厘、本職ではないセカンドで大会ベストナインに選出され、球界屈指のユーティリティプレーヤーであることを証明して見せました。
【プロ野球 坂倉将吾選手】
日本球界屈指の打てるキャッチャーとして評価されている広島カープ・坂倉選手。しかし昨シーズン前半戦は、4月と6月で月間打率が1割台に。スランプ脱出のきっかけとなったのは、オールスターゲームでした。球界を代表する2人の左打者、巨人・丸佳浩選手と福岡ソフトバンク・近藤健介選手にアドバイスをもらったという坂倉選手。するとオールスターゲーム第2戦で、セ・リーグが2点を追いかける2回、ツーアウト満塁のチャンスで打席に立った坂倉選手は、早速の逆転満塁ホームラン。オールスターで満塁ホームランが出たのは実に57年ぶりで、逆転満塁アーチは史上初の快挙でした。これをきっかけに、夏場以降はヒットを量産していきます。7月から9月まで3ヵ月連続で月間打率が3割を超え、最終的に2割7分9厘まで復調。チーム最多となる12本のホームランをマークしたのです。
打てるキャッチャーとしての自信を取り戻した坂倉選手は、シーズンオフに行われた世界野球・プレミア12で日本代表・侍ジャパンのメンバーに選出されます。日本の開幕戦・オーストラリア戦から、9番・キャッチャーでスタメンマスクをかぶり、打っては3打数2安打。守っては5人のピッチャーをリードで支え、初戦の勝利に貢献します。その後も侍の主戦キャッチャーとして予選ラウンド5試合中4試合でスタメンマスクをかぶり、東京ドームで行われたスーパーラウンドのベネズエラ戦では、2点を追いかける展開でみごとにソロホームラン。侍ジャパンのキャッチャーが国際大会でホームランを打ったのは実に7年ぶりのこと。この一打をきっかけに息を吹き返した侍ジャパン打線はこの回一挙6点を挙げて、逆転勝利につながったのです。優勝こそ逃した侍ジャパンですが、坂倉選手は7試合で18打数8安打、打率4割4分4厘の好成績をマーク。キャッチャーとして大会ベストナインに選ばれました。
【大相撲 琴櫻将傑関】
昨年5月の夏場所からシコ名を改めた、元「琴ノ若」の大関・琴櫻関。親子3代の力士で、「琴ノ若」は父であり師匠でもある佐渡ヶ嶽親方、「琴櫻」は横綱だった祖父のシコ名です。祖父に次ぐ横綱昇進を目指している琴櫻関。毎場所安定した成績を残してはいましたが、幕内優勝を一度も経験していませんでした。9月の秋場所は、腰痛が原因で8勝7敗。6場所ぶりにひとケタ勝利という、大関としては不甲斐ない成績に終わりました。巻き返しを誓って迎えた、昨年11月の九州場所。この場所から大の里関が大関となり、綱獲りレースに参戦します。二人は大関同士として14日目に対戦。腰の故障も癒えた琴櫻関は12勝1敗で、大関・豊昇龍関と並んで優勝争いのトップに立っていました。初の賜杯を目指す上でも、大の里戦は絶対に負けられない一戦となったのです。
琴櫻関が取組前の仕切りで必ず見せるのが、「鬼の形相」です。制限時間いっぱいになると、それまで静かな面持ちだったのが一転、顔をしかめて眉間に深いしわを寄せ、花道の方向をにらみつけて最後の塩をまきます。このパフォーマンスを始めた理由は、番付が上がるにつれ、仕切り中に気持ちをコントロールする必要があると気づいたからです。ただし、ずっと力を入れていると疲れてしまうだけで“出力”が弱くなるということで、取組直前に湧き立つ闘志を一気に放出することにした琴櫻関。そのベースになっているのが、幼い頃から稽古をつけてくれた祖父の言葉「鬼になれ」です。祖父の教えを胸に、鬼の形相を見せてライバル・大の里関に立ち向かった琴櫻関は、大の里関に土俵際まで寄られましたがグッとこらえて、最後は上手投げで土をつけ1敗を死守しました。そして千秋楽。豊昇龍関との相星決戦をはたき込みで勝利した琴櫻関。大関5場所目にして、悲願の初優勝を果たしました。
【大相撲 豪ノ山登輝関】
将来の大関候補と期待されている豪ノ山関。2021年に境川部屋に入門し、本名の「西川」で3月の春場所、大学時代に資格を得た「三段目100枚目格付け出し」で初土俵を踏みます。その後は順調に番付を上げていき、元大関・豪栄道の武隈親方の独立に伴って、22年2月から武隈部屋に転籍。その年5月の夏場所で十両昇進を決め、武隈部屋初の関取となりました。この時、シコ名を現在の「豪ノ山」に改名。これは武隈親方が考えたもので、「強く山を登る」という意味を込めました。豪ノ山関の武器は、得意の突き押しと馬力で相手を圧倒する「前に出る相撲」。師匠の期待に応えて、豪ノ山関は23年5月の夏場所で十両優勝を飾り、入門から3年足らずで新入幕を果たします。幕内デビューとなった23年7月の名古屋場所では、新入幕ながら10勝を挙げて敢闘賞を受賞した豪ノ山関。師匠と同じ快挙を成し遂げました。
新入幕から3場所連続で勝ち越し、順調に番付を上げていった豪ノ山関でしたが、幕内上位陣の壁は厚く、昨年は5月の夏場所から3場所連続で負け越し。11月の九州場所は西前頭8枚目まで番付を下げてしまいました。師匠から指摘を受けて、改めて自分本来の「前に出る相撲」に立ち返った豪ノ山関。九州場所は初日こそ敗れたものの、2日目から5連勝と好ダッシュ。11日目には、新入幕の場所で初優勝を果たした尊富士関を押し出して8勝目を挙げ、4場所ぶりの勝ち越しを決めましたそして13日目には、元大関の霧島関を一気の攻めで押し出して10勝目千秋楽も、殊勲賞を受賞した阿炎関を押し出して11勝目を挙げ、再び幕内上位を狙えるふたケタ勝利を成し遂げました。25年も、押し相撲で再び山の頂上を目指します。
来週のスポーツ伝説は……
1/13(月) ゴルフ 竹田麗央選手
1/14(火) ゴルフ 金谷拓実選手
1/15(水) ゴルフ 平田憲聖選手
1/16(木) サッカー 稲本潤一選手
1/17(金) サッカー 興梠慎三選手
お楽しみに!!
2025.03.27
2025年3月24日~27日の放送内容
【プロ野球 浅野翔吾選手】 大型補強のもと、2年連続のリーグ優勝を目指す読売ジャイアンツ。選手の層が厚いため、高卒の生え抜き野手がチャンスを掴むのは並大抵のことではあ...
2025.03.21
2025年3月17日~21日の放送内容
【スピードスケート 高木美帆選手】 30歳になった現在も国際大会で圧倒的な強さを見せ、女子スピードスケート第一線で活躍を続けている高木選手。冬季オリンピックでは、20...
2025.03.14
2025年3月10日~14日の放送内容
【プロ野球 田中将大投手】 昨年のオフ、東北楽天ゴールデンイーグルスを退団し、読売ジャイアンツへの入団を発表した田中投手。2006年に高校生ドラフト1位で東北楽天に入...
2025.03.06
2025年3月3日~7日の放送内容
【メジャーリーグ 菊池雄星投手】 岩手県の花巻東高校時代から注目を浴びてきたサウスポー・菊池投手。2019年にアメリカ・メジャーリーグに活躍の場を移すと、5年目の23...
2025.02.28
2025年2月24日~28日の放送内容
【プロ野球 遠井吾郎選手】 今年で球団創立90周年を迎えた阪神タイガース。遠井選手は1950年代~70年代にかけて、阪神ひと筋で20年間プレーした名物選手です。ぽっち...