スポーツ伝説

2024.12.13

2024年12月9日~13日の放送内容

【プロ野球 リバン・モイネロ投手】
 最速155キロ前後の直球と、鋭く曲がる通称“モイネロカーブ”を武器に、昨シーズンまではリリーフの柱として活躍してきた、キューバ出身のサウスポー、福岡ソフトバンクホークスのモイネロ投手。2017年からの7年間で19勝9敗、135ホールド、40セーブ、防御率1.95の安定感で、ソフトバンクのブルペンを支えてきました。しかし今シーズンは、チーム事情もあって先発に転向することになります。4年ぶりのペナント奪回を目指していたソフトバンクは昨シーズン、規定投球回に達したピッチャーがゼロで、先発のコマ不足が課題でした。特に計算の立つ左ピッチャーがいないことが悩みのタネでしたが、モイネロ投手以外に、抑えのオスナ投手につなぐ中継ぎ投手のメドが立ったこと、本人も先発を希望していたこともあって開幕からローテーション入りすることになったのです。
 3月30日、開幕2戦目のオリックス戦で、来日8年目にして初めて先発のマウンドに立ったモイネロ投手。味方の援護がなく負け投手になったものの、1人で最後まで投げ抜き8回2失点の力投を見せました。そして4月13日の埼玉西武戦で先発初勝利を挙げると、以降もローテーションを守り、6月・8月と2度にわたって月間MVPを受賞。チーム独走の原動力になったのです。モイネロ投手は先発転向1年目で、11勝5敗と2ケタ勝利を挙げリーグ優勝に貢献。防御率1.88で最優秀防御率のタイトルを獲得しました。

 

【プロ野球 有原航平投手】
 今シーズン、4年ぶりのペナント奪回を果たした福岡ソフトバンクホークスで、チームトップの14勝を挙げて優勝に貢献した右のエース・有原投手。2014年にドラフト1位で北海道日本ハムに入団し、21年からアメリカメジャーリーグ、テキサス・レンジャーズへの移籍を経て23年、福岡ソフトバンクで日本球界復帰を果たします。復帰1年目の昨シーズンは、6月から1軍に昇格して10勝5敗と、チーム唯一のふたケタ勝利を挙げて先発不足に悩む投手陣を救いました。今シーズンは開幕投手を務め、7回途中まで投げて1失点と好投を演じ勝利投手に。5月からは5連勝を飾るなど着実に白星を重ね、前半戦だけで9勝をマーク。先発の柱としてチームの首位独走に貢献しました。
 7月24日には、早稲田大学時代の思い出の地・神宮球場で行われたオールスターゲームに5年ぶりに出場。そしてそのわずか3日後、7月27日に行われたオリックス戦の先発マウンドに有原投手は立っていました。中2日にもかかわらず首脳陣に登板を直訴したのは、後半戦最初のカードに投げたかったから。そこには、チームを支えるエースとしての自負がありました。150キロを超えるストレートに加え、変化球が冴えわたった有原投手は、9回を2安打無失点に抑え、早くも昨年と並ぶ10勝目。昨年7月25日以来の完封勝利と2年連続のふたケタ勝利をマークしました。8月16日の千葉ロッテ戦でも、今シーズン初めて中5日で登板して2度目の完封勝利を挙げます。最終的に今シーズンは、14勝7敗で2度目の最多勝に輝き、最後までローテーションを守るという公約も果たしました。

      
【プロ野球 伊藤大海投手】
 昨シーズンまで2年連続最下位と苦しんでいた北海道日本ハムファイターズが、今シーズンはリーグ2位とジャンプアップ。その躍進を支えた1人が、エースの伊藤投手です。2021年の入団以来、2年連続で2ケタ勝利を挙げて実績を積み上げてきた伊藤投手ですが、昨シーズンは7勝止まり。エースとしては不甲斐ない成績に終わりました。迎えた今シーズン、プロ入り初の開幕投手も任された伊藤投手は、エースの自覚を胸に前半戦だけで7勝をマークします。ところがオールスターゲーム前の最後の登板では、5回もたずに降板。昨シーズンも夏以降は負けが続いただけに、ここで嫌な流れを断ち切れるかが大きなポイントでした。そこで伊藤投手は、オールスターのリーグ戦中断期間に、ストレートの握り方を変える決断をします。すると後半戦最初の試合で許したヒットは2本、わずか94球で完封勝利を収めたのです。
 夏場以降はストレートの平均球速が150キロに上がり、さらにスライダーとカットボールの中間のような変化をするスラッターを新たに導入したりするなど、勝負のシーズン終盤でチームに勝利を呼び込めるよう試行錯誤を続けました。シーズン中も試行錯誤を続け、進化を目指した伊藤投手。9月にその努力が実ります。9月10日の埼玉西武戦、18日の福岡ソフトバンク戦で2試合連続完封。続く26日の東北楽天戦でも9回を投げ抜き、1失点での完投勝利。3試合を一人で投げ抜いたのです。チームでは、ダルビッシュ有投手以来13年ぶりの快挙でした。しかもこの勝利でAクラス入りが確定し、大事な試合でチームに勝利をもたらす、まさにエースの働きを見せました。最終的に14勝5敗の好成績を挙げ、最多勝と最高勝率の投手2冠に輝いた伊藤投手。このほか5完投、4完封もリーグトップと、文句なしの成績を収めました。

 

【プロ野球 河野竜生投手】
 身長175㎝。プロ野球選手としては決して大柄ではありませんが、溢れんばかりのエネルギーで腕を振り続けるのが、北海道日本ハムファイターズの中継ぎエース・河野投手です。2019年にドラフト1位で入団。当初は先発を任されましたが、なかなか結果を残せませんでした。転機となったのは、リリーフに専念するようになった23年。中継ぎで自己最多の50試合に登板し、20ホールド、防御率1.70の好成績を収め、自信を深めます。そしてプロ5年目の今シーズン、開幕から15試合連続無失点の好投を見せてチームを支えました。先発時代は多彩な変化球が魅力の河野投手でしたが、中継ぎ転向後は、ストレートとカットボールを軸にして厳しいコースを突く、強気のピッチングで相手バッターを翻弄していきます。その強気の攻めをいかんなく見せたのが、初めて出場した今年のオールスターゲームです。セ・リーグの強打者を相手に3者連続三振を奪い、本拠地・エスコンフィールド北海道で行われた夢の舞台で躍動してみせました。
 今シーズン、昨年以上の成績を残すために河野投手が取り組んだのが右打者対策です。開幕前に変化球の引き出しを増やしたいと語っていた通り、右バッターに対してストレート、カットボールに次ぐ第3の球種、チェンジアップの投球割合を増やしました。強気な姿勢はそのままに、よりピッチングの幅が広がった河野投手は、前年を上回る52試合に登板して34ホールドポイントを記録。最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得してチームの2位躍進に大きく貢献し、勝利の方程式に欠かせない存在であることを証明してみせたのです。

 

【プロ野球 今井達也投手】
 夏の甲子園優勝投手の看板を引っ提げ、2016年に埼玉西武ライオンズに入団した今井投手。プロ7年目の昨シーズンに初のふたケタ勝利を挙げ、今シーズンは本格エースとしてさらなる飛躍が期待されていました。開幕前、最優秀防御率か最多奪三振のタイトル獲得を目標に掲げた今井投手。そんなエースとしての自覚、三振へのこだわりを明確に発揮したのが、開幕戦でのピッチングです。今年初めて開幕投手を務めた今井投手は、先頭バッターから157キロのストレートで空振り三振を奪うと、その後も安定したピッチングで毎回の11奪三振。7回を投げ、許したヒットはわずか2本だけという圧巻のピッチングでチームに開幕戦勝利をもたらしました。
 幸先のいいスタートを切った今井投手ですが、その後は好投をしても味方打線の援護に恵まれず、なかなか勝ち星は積み上がりませんでした。それでもエースとしての強い責任感と向上心を糧に腕を振り続け、「マウンドでの結果はそれまでの6日間の準備ですべて決まる」と、日々の過ごし方、トレーニング、体調管理にこれまで以上に気を配ります。その甲斐あって、試合終盤になるほど三振の割合が増加。本来なら疲れから打ち込まれることが増える場面でもさらにギアを上げ、マウンドを守り抜きました。終わってみれば、2年連続で10勝をマークするとともに、これまでの自己ベストより50個も多い187奪三振をマーク。みごと最多奪三振のタイトルを獲得しました。

  
来週のスポーツ伝説は……

12/16(月) プロ野球 吉川尚輝選手
12717(火) プロ野球 周東佑京選手  
12/18(水) プロ野球 矢野雅哉選手
12/19(木) プロ野球 山本祐大選手
12/20(金) サッカー ルヴァンカップ決勝

お楽しみに!!

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    パーソナリティ
    • 滝本沙奈
      滝本沙奈
      滝本沙奈

      滝本沙奈

      生年月日:1984年6月6日
      出身地:東京
      学歴:青山学院大学文学部英米文学科卒
      趣味:マリンスポーツ(ダイビング、サーフィン、釣り)
      資格:PADIオープンウォーターダイバー、おさかなマイスターアドバイザー

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