【プロ野球 青木宣親選手】
東京ヤクルトスワローズで通算15年、メジャーリーグで6年プレー。日米通算2730安打を放った安打製造機・青木選手が、今シーズン限りで21年間のプロ野球生活にピリオドを打ちました。2003年のドラフト4位でヤクルトに入団すると、プロ2年目の05年、イチロー選手に次ぐプロ野球史上2人目のシーズン200安打、10年にも2度目の200安打を達成。首位打者を3度、最多安打を2度獲得しています。12年からアメリカ・メジャーリーグでのプレーを経て、18年にヤクルトに復帰。21年の日本一、22年のリーグ連覇に貢献しました。
そんな輝かしい経歴を持つ青木選手も42歳。21年目の今シーズンも72試合に出場しましたが、27安打、打率2割2分9厘に終わり引退を決意します。引退発表会見で、プロ生活を振り返って「苦しみながらも自分を高めて成長できたので、100点満点の本当に幸せな野球人生でした」と語りました。
【プロ野球 野村祐輔投手】
広島カープの先発の柱として長年活躍した野村投手が、今シーズン限りで13年間のプロ野球生活に別れを告げました。明治大学ではエースとして活躍。2011年のドラフト1位でカープに入団すると、1年目の12年から1軍で先発ローテーションの一角を担い、27試合に登板。勝敗こそ9勝11敗と負け越しましたが、防御率1.98をマークします。セ・リーグの新人投手が規定投球回を投げて防御率1点台を記録したのは、1966年の巨人・堀内恒夫投手以来46年ぶりの快挙。野村投手はこの年、平成生まれ初の新人王に輝きました。2年目の13年には12勝を挙げ、初のふたケタ勝利を記録。16年には、メジャーリーグに移籍した前田健太投手に代わる右のエースとして自己最多の16勝を挙げ、最多勝と最高勝率のタイトルを獲得。25年ぶりのリーグ優勝に貢献して、その後もカープの3連覇を支えます。
野村投手のこだわりは、先発。プロ初登板から1度もリリーフ経験がなく、全試合で先発投手としてまっさらなマウンドに立ち続けた“ミスター先発”。211試合連続先発登板はプロ野球記録であり、これは野村投手が試合を作ってくれるという信頼感があってこその勲章なのです。
【プロ野球 T-岡田選手】
9月24日、京セラドーム大阪で行われた引退セレモニーに臨んだのは、オリックス・バファローズ一筋19年のT-岡田こと岡田貴弘選手です。大阪・履正社高校では“なにわのゴジラ”と注目を浴びた岡田選手は、将来の4番候補として2005年、高校生ドラフト1位で入団。しかしプロ入りから4年間はレギュラー定着を果たせませんでした。2009年オフに岡田彰布さんがオリックスの監督に就任すると、監督が「自分と同じ苗字でややこしい」と、岡田選手の登録名変更を提案。ファンからの公募で「T-岡田」に決まりました。心機一転、T-岡田で迎えた5年目は、ホームラン33本を放ち初のホームラン王に輝きます。22歳でのホームラン王獲得は、巨人・王貞治選手以来、実に48年ぶりの快挙でした。
21年、オリックスは千葉ロッテマリーンズとシーズン終盤、激しい優勝争いを繰り広げます。逆転優勝を狙うオリックスは、首位・ロッテとの直接対決3連戦で初戦・2戦目と連勝。しかし3戦目はロッテに2点リードされ、9回を迎えます。ツーアウト一・三塁、最後のチャンスで打席に立った岡田選手は、この土壇場で起死回生の逆転スリーランを放ち、オリックスは3連勝。勢いに乗って25年ぶりのリーグ優勝を飾りました。この年の優勝を皮切りにオリックスはリーグ3連覇を果たし、22年にはプロ17年目にして初の日本一も味わいます。今年は2軍調整が続きましたが、岡田選手の練習に取り組む姿勢は若手たちの良き手本に。しかし今年は4月以降、1軍での出場もなく引退を決断しました。
【プロ野球 増田達至投手】
プロ通算31勝40敗、194セーブ、109ホールド。埼玉西武ライオンズのブルペンを長年にわたって支えてきた増田投手が、今シーズン限りで現役生活に別れを告げました。増田投手は2012年のドラフト1位で、社会人野球のNTT西日本から埼玉西武に入団。1年目に2試合だけ先発を経験しますが、12年のプロ生活で登板した558試合は、リリーフ投手として腕を振り続けてきました。15年に42ホールドポイントを挙げ、最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得。翌年からは抑えに転向し、20年には33セーブを挙げて最多セーブ投手に輝きます。引退にあたって、一番印象に残っている試合は、19年のリーグ連覇の胴上げ投手と振り返った増田投手。この年は30セーブを挙げ、当時、埼玉西武の正捕手だった森友哉選手とともに最優秀バッテリー賞を受賞。この賞をリリーフ投手が受賞したのは、05年の阪神タイガース・藤川球児投手以来14年ぶりの快挙でした。
球団最多セーブ記録を更新した20年オフには、FA残留を決断した増田投手。生涯ライオンズをファンに誓うと、22年には通算150セーブを達成。翌23年には、これも球団記録を更新する通算106ホールドをマークし、セーブ数とホールド数でライオンズの歴代最多となります。点を取られてもチームが勝てばそれでいいと、大切なのは自分の防御率よりチームの勝利だと語っていた増田投手。あくまで、黒子に徹しました。
【プロ野球 金子侑司選手】
埼玉西武ライオンズ一筋12年、盗塁王に2度も輝いたスイッチヒッター・金子選手は12年のドラフト3位で入団。俊足と高い走塁技術で決める盗塁はもちろん、左右両打席で発揮する優れた打撃センス、抜群の脚力を活かした外野守備でファンを魅了します。外野守備の際、帽子が落ちるほどのスピードでフライの落下地点に向かう、通称“帽子落とし”は代名詞のひとつで、華麗なスライディングキャッチやフェンスを恐れずに激突しながら打球をもぎ取る姿など、ひとつひとつのプレーが実に絵になる選手でした。
2016年には初めて規定打席に到達し、53盗塁を記録してパ・リーグ盗塁王に輝きます。また西武がリーグ優勝した18年は32盗塁。連覇を果たした19年には41盗塁をマークし、2度目の盗塁王に輝きました。山賊打線として恐れられた西武のリードオフマンを務め、その韋駄天ぶりでチームを牽引した金子選手。9月15日に本拠地・ベルーナドームで行われた引退試合は、金子選手の魅力が溢れるゲームとなりました。引退試合を勝利で飾り、笑顔で現役を終えた金子選手。通算225盗塁は大きな勲章です。
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!
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