【プロ野球 筒香嘉智選手】
横浜高校の主砲として甲子園で活躍。2009年のドラフト1位で横浜ベイスターズ(現在の横浜DeNAベイスターズ)に入団して、在籍10年で205本のホームランを放ち、球界を代表するスラッガーとなった筒香選手。20年からメジャーリーグに挑戦を続けてきましたが、今年4月に古巣の横浜DeNAに電撃復帰しました。2軍での調整を経て5月6日、横浜スタジアムで行われた東京ヤクルト戦で1軍へ昇格。6番・レフトでスタメン出場します。7回の第3打席で復帰初ヒットとなるツーベースを放つと、2点を追う8回、ツーアウト一塁・二塁の場面で放った打球は、劇的な逆転スリーランとなりました。
ファンも待ち望んだ筒香選手の電撃復帰でしたが、一部では活躍できるかどうか懐疑的な声もありました。メジャーでは通算ホームラン18本、打率は1割9分7厘と思うような成績を残せず、日本に戻ってきてからも2軍での調整期間中は6試合で打率1割台、ホームランは出ていなかったからです。そんな不安を払拭するかのような復帰戦での劇的アーチでしたが、筒香選手のバットはこれだけで止まりません。5月11日の阪神戦では、序盤で7点差をつけられる厳しい展開でしたが、8回に筒香選手が勝ち越しのソロホームランを放ち、大逆転勝利の立役者になったのです。さらに5月22日の東京ヤクルト戦では、4番でスタメン出場。ハマの4番として1712日ぶりのホームランを放ち、これがまた決勝点に。復帰からわずか3週間弱で、放ったホームラン3本全てが決勝打という大仕事をやってのけました。
【プロ野球 立岡 宗一郎選手】
今年5月21日、ケガのため育成契約だった読売ジャイアンツ・立岡選手の支配下選手登録が発表されました。立岡選手がケガをしたのは2022年6月、埼玉西武との交流戦でした。ライトを守っていた立岡選手は、右中間に飛んだ打球を追ってセンターの丸佳浩選手と交錯。左膝前十字靭帯損傷を負い、手術を余儀なくされます。当時すでに32歳。歩けるようになった後は、1日も早く膝を回復させたい一心で2軍のジャイアンツ球場まで片道40分を自転車で通うなど、日常生活の中でもリハビリに取り組み、今シーズンの復活につなげました。立岡選手は、支配下登録された5月21日の中日戦に出場。いきなり2番・ライトでスタメンに抜擢されると、2つの送りバントとフォアボールでチャンスメーク。712日ぶりの1軍の舞台で、ベテランらしい味を見せました。
本来、俊足と勝負強い打撃が武器の立岡選手。その持ち味を発揮したのは5月31日、くしくも2年前にケガをした、埼玉西武との交流戦でした。4回、ノーアウト一・三塁のチャンスで打席が回ってくると、148キロのストレートを逆らわずにはじき返し、レフトへのタイムリーヒットを放ちます。また9回には、センターを守る立岡選手が左中間方向へ打球を追うシーンも。2年前と似たシチュエーションながら、今回はがっちりとキャッチ。悪夢を払拭する節目の試合となりました。その後も6月2日の埼玉西武戦で第2打席から3打席連続ヒットを放つと、続く4日、東京ドームで行われた千葉ロッテとの交流戦では、第1打席から4打席連続ヒットで4打点。2試合にまたがって7打席連続ヒットと大爆発を見せています。
【プロ野球 板山祐太郎選手】
2015年のドラフト6位で阪神タイガースに入団した、板山選手。1年目の2016年には、スタメンでクリーンアップの5番を打ったこともありました。しかしその後は伸び悩み、昨年オフに戦力外通告を受けてしまいます。その板山選手に救いの手を差し伸べたのが、中日ドラゴンズでした。昨シーズン、貧打に泣いて2年連続最下位に終わった中日は打てる野手の強化が急務。阪神で1軍経験のある板山選手に目を付けたのです。育成契約でしたが、本職の外野だけではなくファースト・セカンド・サードと内野でも出場。バッティングでも結果を出し、ゴールデンウィーク中の5月5日に支配下登録を勝ち取ると、さっそく1軍登録。その日の東京ヤクルト戦に6番・セカンドでスタメン出場しました。第3打席で移籍後初ヒットを放つと、6月9日の東北楽天との交流戦では3安打を放って勝利に貢献。家族が見守る前で、6年ぶりの猛打賞をマークしました。
板山選手はその後も活躍を続け、5番・ライトでスタメン出場した7月6日の広島戦では、今シーズンまだホームランを1本も打たれていなかった大瀬良大地投手を見事に攻略。プロ2本目となるホームランを放ちました。翌日の広島戦には9回ウラ、ワンナウト満塁のチャンスに代打で登場。広島の守護神・栗林良吏投手の4球目、低めのフォークを叩き、これがプロ初のサヨナラヒットとなりました。
【プロ野球 奥川恭伸投手】
石川県・星稜高校時代は甲子園に4季連続で出場し、奪三振ショーでファンを沸かせた奥川投手。2019年のドラフト会議で3球団が1位指名で競合する中、交渉権を引き当てた東京ヤクルトスワローズに入団します。プロ2年目の21年には、弱冠20歳でチームトップに並ぶ9勝を挙げ、6年ぶりのリーグ優勝と20年ぶりの日本一にも貢献しました。しかし3年目の22年3月29日、神宮球場での本拠地開幕戦を4回で突然降板。右ヒジの故障が判明します。この年、チームはリーグ連覇を達成しましたが、奥川投手はこの1試合の登板だけに終わり、昨年は練習中に左足首を骨折して1軍登板はゼロ。つらい2年だったと言います。ただ離脱中にもプラス面はありました。それは、投球フォームを見直したこと。参考にしたのはチームの先輩・石川雅規投手と小川泰弘投手のピッチングでした。
6月14日、オリックスとのセ・パ交流戦。体調が回復した奥川投手は、808日ぶりに1軍のマウンドに立ちました。3回まで毎回、得点圏にランナーを置く苦しい展開。4回には杉本裕太郎選手にホームランを許しましたが、5回を7安打1失点に抑え降板。味方の援護とリリーフ陣の踏ん張りで東京ヤクルトが逃げ切り、奥川投手は21年10月の阪神戦以来、実に980日ぶりの勝利を挙げました。
【プロ野球 石川歩投手】
プロ1年目に新人王を獲得し、その後は最優秀防御率のタイトルを獲得するなど、エースとして活躍を続けてきた千葉ロッテマリーンズの石川投手。投手陣の大黒柱と言える石川投手ですが、昨年は一番苦しかったと振り返る厳しいシーズンでした。右肩のコンディション不良のため、開幕投手を回避。その後も肩の状態は好転せず、プロ10年目で初めて1軍登板がゼロに終わったのです。シーズンオフには肩を手術し、育成契約からの再出発を決断。現役引退も頭をよぎっていたといいます。それでもリハビリを乗り越え、今年4月、2軍の試合で実戦復帰。8試合に登板して2勝0敗、防御率1.08と順調な回復ぶりを見せ、6月24日に支配下登録選手へと復帰を果たしました。
石川投手にとって、待望の1軍復帰戦は6月30日のオリックス戦でした。初回からツーアウト三塁のピンチを招きますが、オリックスの4番・西川龍馬選手を144キロのストレートで見逃し三振に仕留めてピンチを脱します。その裏に打線の援護をもらうと、2回以降もランナーを背負いながらも、得意のカーブやシンカーを駆使してオリックス打線に得点を許さず、5回を3安打無失点に抑えて降板。その後はリリーフ陣が無失点でつないで、石川投手は1軍復帰初戦で嬉しい白星を手にしたのです。おととし8月31日以来、実に669日ぶりとなる勝利でした。
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!
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