【プロ野球 フランミル・レイエス選手】
北海道日本ハムファイターズのレイエス選手は、6年間のメジャー生活でシーズン30本以上を2度、2桁ホームラン4度を誇る右の大砲です。通算ホームラン108本の実績は、2年連続最下位からの脱却を目指すファイターズの起爆剤として期待されていました。来日前のシーズンオフにはドミニカで行われたウィンターリーグに参戦し、ホームラン9本、34打点で打撃二冠に輝くなど、本人も納得のコンディションでキャンプイン。キャンプ地の沖縄・名護で行われたバッティング練習で、いきなり規格外のパワーを見せつけます。放った打球はバックスクリーンにある高さ約20mの電光掲示板の上を越え、球場の外へ。推定飛距離160mの特大アーチを披露したのです。この球場ではファイターズ時代の大谷翔平選手もバックスクリーン越えの打球を放ちましたが、飛距離はレイエス選手の方が上。大谷超えのパワーとして注目を浴びました。
その後のオープン戦ではまさかのホームラン0に終わったレイエス選手でしたが、3月29日、千葉ロッテマリーンズとの開幕戦でそのバットがいきなりうなりを上げます。4回の第2打席で来日初ヒットを放つと、6回の第3打席は甘く入ったカットボールにジャストミート。嬉しい来日初ホームランになりました。4月19日、本拠地・エスコンフィールド北海道で行われたマリーンズ戦では、レフト2階席へと飛び込む特大の2号ソロを放ち、北海道のファンに豪快な一発を披露しました。しかもこのホームランをきっかけに試合の流れが変わり、ファイターズはサヨナラ勝ち。来日初のお立ち台に立ち、ファンを沸かせました。
【プロ野球 ヘスス・アギラー選手】
メジャー通算ホームラン114本の実績を持つ埼玉西武ライオンズの新外国人アギラー選手は、昨シーズン、リーグ最少のホームラン90本に終わったライオンズの4番候補として期待されて来日しました。アギラー選手は、ベネズエラ出身の右打ちの内野手。メジャーリーグのミルウォーキー・ブルワーズでプレーした2018年には、ホームラン35本、108打点をマーク。身長190㎝、体重125kgは12球団の中で最重量です。その大柄な体格から繰り出すパワーをいきなり見せつけたのは、2月の春季キャンプでした。紅白戦に出場したアギラー選手は、西武の左のエース・隅田知一郎投手が投げたインコースへのストレートを豪快にすくい上げると、レフトポール直撃のホームラン。メジャー通算114発の実力を披露したのです。
オープン戦でもコンスタントに結果を出し、好調を維持したままシーズン本番を迎えたアギラー選手。東北楽天ゴールデンイーグルスとの開幕戦は3打数ノーヒットと不発に終わりましたが、続く2戦目で結果を残します。同点で迎えた3回の第2打席、ワンアウト一・二塁のチャンスで打席に立った4番のアギラー選手は、来日初ヒット・初打点となる2点タイムリーツーベースを放つと、8回にもタイムリーを放ち、この日は2安打3打点の活躍。開幕2連勝に大きく貢献しました。その後は相手チームの厳しいマークに遭い、成績も打球もなかなか上向かない日々が続きましたが、4月13日、本拠地・ベルーナドームで行われた福岡ソフトバンクホークス戦で来日初アーチを放ちます。開幕から56打席目で出た待望の初ホームランに安堵の表情を浮かべたアギラー選手は、これで吹っ切れたのか、翌日にも特大の2試合連続ホームランを放ちました。そんなアギラー選手、実は守備の名手でもあります。守るファーストでのグラブさばきが上手く、プレーも丁寧と評判です。
【プロ野球 ミゲル・ヤフーレ投手】
2021・22年のリーグ連覇から一転、昨シーズンはリーグワーストのチーム防御率で、5位に沈んだ東京ヤクルトスワローズ。先発投手陣の完投数もリーグ最少と、再編は急務でした。そこで白羽の矢が立ったのが、ベネズエラ出身の新外国人ヤフーレ投手です。20年にヤンキースでメジャーデビューした右の本格派で、150キロを超えるストレートに加え、カーブやチェンジアップなど多彩な球種を得意とします。中でも決め球は、45㎝以上も横滑りする、通称・スパイクスライダー。大谷翔平投手が投げて話題となったスイーパーよりも曲がる魔球とも呼ばれています。愛嬌のある顔立ちから、ペコちゃんのニックネームがついたヤフーレ投手。公式戦初登板となった3月31日の中日戦は、何度もランナーを背負いながらも要所要所でダブルプレーを奪い、6回を投げて6安打2失点。来日初登板・初先発の舞台で、みごと初勝利を挙げました。
来日初勝利から1週間後の4月7日。2度目の先発となった阪神戦でも、ヤフーレ投手は6回途中まで投げて3安打1失点と好投。開幕2連勝を飾ります。本人は、積極的にストライクゾーンで勝負する心掛けが功を奏していると分析。特にボールを低めに集めて、ゴロを打たせるピッチングを意識していると言います。本拠地の神宮球場が狭いことも意識し、ピッチングコーチのアドバイスにも必死に耳を傾け、低めに投げることを徹底。さらにヤクルト先発陣の石川雅規投手や小川泰弘投手・高橋奎二投手らから、日本のバッターへの対応方法など、積極的に助言を求めました。その研究熱心さで、3試合目の横浜DeNA戦でも6回を投げ5安打無失点と好投。来日3連勝をマークしたのです。スワローズの外国人投手が来日初登板から3戦3勝をマークしたのは、1995年のテリー・ブロス投手以来29年ぶり2人目の快挙でした。
【プロ野球 アンダーソン・エスピノーザ投手】
今シーズンからオリックス・バファローズでプレーしているエスピノーザ投手は、かつてアメリカ・メジャーリーグの公式サイトで「将来活躍する有望株」の上位候補に挙げられながら、2度にわたって右ヒジじん帯の再建手術を受けるなど、苦労を重ねてきました。昨年は、サンディエゴ・パドレス傘下の3Aでプレー。実はエスピノーザ投手、中嶋聡監督が北海道日本ハムファイターズのGM特別補佐としてパドレスにコーチ留学した際、直接指導したまさに中嶋監督の“秘蔵っ子”なのです。武器は、150キロ台中盤の直球と、ツーシーム。福岡ソフトバンクホークスとの開幕第2戦に先発登板したエスピノーザ投手は、ランナーを背負った場面でツーシームを効果的に使い、ゴロを打たせてダブルプレーに仕留めます。6回を2安打無失点に抑え、デビュー戦で来日初勝利。中嶋監督に今シーズンの初勝利をプレゼントしました。
2度目の登板は、4月6日の千葉ロッテマリーンズ戦。相手の本拠地・ZOZOマリンスタジアムが風の強い球場と事前に情報を得ていたエスピノーザ投手は、持ち球の1つである「スラーブ」を巧みに使ってマリーンズ打線を翻弄します。この球はスライダーとカーブの中間の軌道を描くボールで、風を受けることで変化が増して威力がアップ。この試合を7回1失点にまとめ、2勝目を挙げました。続く4月17日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦は、7回を5安打無失点に抑え、開幕3連勝。外国人投手の来日3戦3勝は、球団では34年ぶり2人目の快挙でした。4戦4勝が懸かった4月24日の埼玉西武ライオンズ戦も7回を2安打無失点に抑え、勝ち投手の権利を持ったままマウンドを降りましたが、抑え投手がリードを守り切れず、記録は幻に。それでもエスピノーザ投手は、4試合でわずか1失点。メジャーでは未勝利でしたが、日本では勝ちを積み重ねてリーグ4連覇を目指します。
【プロ野球 アンドレス・マチャド投手】
今シーズンからオリックス・バファローズでプレーしているマチャド投手。ベネズエラ出身で身長185㎝、体重105kg。右投げの巨漢リリーフ投手です。2017年にメジャーデビューし、21年からワシントン・ナショナルズでプレー。3年連続で40試合以上に登板しました。
160キロ台のストレートと、抜群のコントロールが武器のマチャド投手。日本でのデビュー戦は3月30日の福岡ソフトバンク戦でした。8回に3番手でマウンドに上がると、先頭の甲斐拓也選手に対する初球でいきなり160キロをマーク。オリックスの外国人投手では、21年にバルガス投手が記録した159キロが最速でしたが、1球目でそれを上回り、最後は151キロの超高速チェンジアップで空振り三振に仕留めます。続く牧原大成選手への3球目には、162キロを記録。牧原選手にはヒットを打たれましたが、次の周東佑京選手を161キロのストレートで見逃し三振。代打の中村晃選手を154キロのストレートで空振り三振に仕留めて無失点に抑えました。みごと役目を果たしたマチャド投手はチームを今シーズン初勝利へ導くと同時に、同郷で仲良しのエスピノーザ投手の来日初勝利をアシストしてみせました。マチャド投手の初勝利は4月24日の埼玉西武戦。延長10回、同点の場面で登板したマチャド投手が3者凡退に抑えたその裏、紅林弘太郎選手のサヨナラヒットが飛び出し、来日初勝利が転がり込みました。
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!
2025.03.27
2025年3月24日~27日の放送内容
【プロ野球 浅野翔吾選手】 大型補強のもと、2年連続のリーグ優勝を目指す読売ジャイアンツ。選手の層が厚いため、高卒の生え抜き野手がチャンスを掴むのは並大抵のことではあ...
2025.03.21
2025年3月17日~21日の放送内容
【スピードスケート 高木美帆選手】 30歳になった現在も国際大会で圧倒的な強さを見せ、女子スピードスケート第一線で活躍を続けている高木選手。冬季オリンピックでは、20...
2025.03.14
2025年3月10日~14日の放送内容
【プロ野球 田中将大投手】 昨年のオフ、東北楽天ゴールデンイーグルスを退団し、読売ジャイアンツへの入団を発表した田中投手。2006年に高校生ドラフト1位で東北楽天に入...
2025.03.06
2025年3月3日~7日の放送内容
【メジャーリーグ 菊池雄星投手】 岩手県の花巻東高校時代から注目を浴びてきたサウスポー・菊池投手。2019年にアメリカ・メジャーリーグに活躍の場を移すと、5年目の23...
2025.02.28
2025年2月24日~28日の放送内容
【プロ野球 遠井吾郎選手】 今年で球団創立90周年を迎えた阪神タイガース。遠井選手は1950年代~70年代にかけて、阪神ひと筋で20年間プレーした名物選手です。ぽっち...