【ラグビー 姫野和樹選手】
帝京大学時代は、ラグビー大学選手権8連覇に貢献した姫野選手。2017年、トヨタヴェルブリッツに加入し、ルーキーながらいきなりキャプテンに指名されチームを牽引。この年の11月には、初めて日本代表に選ばれます。19年のワールドカップ日本大会では、タックルで倒れた相手からボールを奪うプレー、ジャッカルという言葉が代名詞になるなど活躍しました。
今年のワールドカップ・フランス大会では、日本代表のキャプテンに抜擢。姫野選手がキャプテンとして大切にしたのが、チームの絆です。1人1人が絆を胸に秘めてグラウンドに立つことで、全員が同じ絵を見てアタックできるというのがその理由です。そのためにはキャプテン自ら体を張ることも大切と考え、ワールドカップ予選リーグ2戦目のイングランド戦では、4点を追う後半開始直後、タックル後に相手の球を奪ってジャッカルを決め、日本のピンチを救いました。予選リーグ3戦目のサモア戦では、試合前に言葉でチームを鼓舞。勝って決勝トーナメント進出に望みをつなぎ、最終戦のアルゼンチン戦では、両チーム通じて最多となる21回のタックルをすべて決めるなど奮闘します。残念ながら試合には敗れて決勝トーナメントには進めませんでしたが、日本代表の絆の強さをあらためて実感させてくれる大会でした。
【ラグビー 流大選手】
今年9月に開幕したラグビーワールドカップ・フランス大会で、日本代表のスクラムハーフとしてチームを支えた流選手。これが2度目のワールドカップ出場で、今回の大会では帝京大学の後輩でもあるキャプテンの姫野和樹選手と共にチームを引っ張る副キャプテンを任されます。予選リーグ初戦のチリ戦は、キャプテンの姫野選手がふくらはぎの違和感で欠場したため、ゲームキャプテンを任された流選手。いきなり初戦から大役を背負うことになりましたが、まずは試合前の円陣でチームメイトを鼓舞します。プレーでは、自在なボールさばきと精度の高いキックで試合をコントロールした流選手。3本のトライをアシストしてチームを快勝に導きました。
続く2戦目のイングランドは、過去10戦して全敗という難敵です。そんな相手でも流選手はひるまず、正確な足技で相手のスペースを突き、チーム最多となる14本のパントキックで味方を何度も前進させました。日本は前半終了時点で4点差にとどめる健闘を見せましたが、試合は惜敗。第3戦のサモア戦はコンディション不良のため欠場となりましたが、リザーブから昇格して代わりに先発出場した齋藤直人選手に対し、自身のSNSで温かい激励の言葉を贈りました。これで代表からは引退しますが、日本のラグビー発展への熱い思いは今後も変わりません。
【ラグビー リーチ マイケル選手】
ラグビー大国ニュージーランドから15歳で来日し、大学時代に日本代表入り。2011年の大会でワールドカップ初出場を果たしたリーチ選手。15年大会では代表キャプテンを務め、優勝候補の南アフリカを撃破する世紀の大番狂わせに貢献。日本で開催された19年大会でもキャプテンを務め、チームを史上初のベスト8に導くなど、日本の大黒柱として奮闘を続けてきました。ただしその栄光の影でケガに苦しみ、日本大会は満身創痍の体で強行出場したリーチ選手。大会後は引退も頭をよぎったと言いますが、リーチ選手はラグビーを、そしてワールドカップを諦めませんでした。全身6カ所を手術し、リハビリを乗り越えてピッチに戻ると、昨シーズンの国内リーグ・リーグワンでは、ボールを持って走る回数「ボールキャリー」がリーグ最多を記録。完全復活を果たし、4大会連続でワールドカップメンバー入りを果たしました。
自身4回目のワールドカップで、リーチ選手は初戦のチリ戦から躍動。日本を勝利へ導きます。続く第2戦は、前回大会準優勝のイングランド。この強敵に日本は苦しい戦いを強いられましたが、ピンチの場面でリーチ選手が激しいタックルを見せました。結果的に試合には敗れたものの、この試合でリーチ選手はワールドカップ出場が15試合に到達し、歴代単独トップの金字塔を打ち立てます。さらに、続くサモア戦では、今大会2本目のトライを記録。28対22の激闘となった試合で、チームを勝利に導く活躍を見せました。
【ラグビー レメキ・ロマノラヴァ選手】
日本語・英語・トンガ語を巧みに操り、活躍するチームや舞台、ポジションを何度も変えながら活躍してきたレメキ選手。2016年には7人制ラグビーでリオオリンピックに出場。日本の4位躍進の原動力となり、大会優秀選手賞「ドリームセブン」に選出されて注目を浴びました。オリンピック後は15人制に活躍の場を移し、19年のワールドカップ日本大会では、突破力が武器のウイングとして、サモア戦でプレイヤー・オブ・ザ・マッチに輝き、日本の決勝トーナメント進出に大きく貢献します。その後、所属チームでは司令塔のスタンドオフや、チームを最後尾から支えるフルバックとして活躍しますが、代表でプレーする機会はほとんどなくなっていました。それでもレメキ選手はスキルアップに努め、プレーでアピール。複数のポジションでプレーできるユーティリティ性と経験値が評価され、大逆転でワールドカップ代表入りを果たしたのです。
初戦のチリ戦、2戦目のイングランド戦では、いずれも途中出場でチームに貢献したレメキ選手。イングランド戦では前半7分、ケガをした選手に代わっての急遽出場だったにもかかわらず、抜群の安定感を発揮します。試合には敗れたものの、日本は前回準優勝の強敵を相手に善戦しました。この活躍を買われ、第3戦のサモア戦で、レメキ選手はおよそ2年ぶりとなる代表戦先発出場。フルバックとして最後方からチームを前へ前へと推し進め、日本の勝利に貢献。ボールを運んだ距離は両チーム最長の151mと、圧倒的な存在感でサモア戦のプレイヤー・オブ・ザ・マッチに輝きました。そして、リーグ戦最後のアルゼンチン戦にもスタメン出場。40m近い距離から直接ゴールを狙い、技ありのドロップゴールを決めてみせたレメキ選手。試合には敗れ、決勝トーナメント進出は叶いませんでしたが、この4年で培った深い洞察力とゲームメイクの力を見せつけるなど、34歳にして進化した姿がそこにありました。
【ラグビー アマト・ファカタヴァ選手】
トンガ出身のファカタヴァ選手は20歳で来日。大東文化大学卒業後はリコーブラックラムズ東京に入団します。もともとはウイングとして突破力で勝負する選手でしたが、目立たない所でも泥臭くプレーできる点を評価され、フォワードに転向。昨シーズンのリーグワンでは全16試合中15試合でフル出場というタフネスぶりを買われて、日本代表に初めて招集されます。すると、ワールドカップ代表入りをかけた国内5連戦全てに先発出場。2トライを挙げるなどMVP級の活躍を見せました。一躍、代表レギュラー候補と注目を集めましたが、5連戦最後の試合で足を負傷し、33人の代表メンバーから落選。しかし日本代表のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチは、ケガの回復を見込んで海外遠征にも帯同させ、試合に出場できる状態に戻ったファカタヴァ選手をワールドカップ直前に滑り込みで代表に選びました。
代表に復帰したファカタヴァ選手は、ワールドカップ予選リーグ初戦のチリ戦に先発出場。日本は前半開始早々、チリに先制を奪われますが、ここでチームを救ったのがファカタヴァ選手でした。先制点を許してからわずか2分後、相手ディフェンスを鮮やかなステップで突破してトライ。前半終了間際にも2つ目のトライを奪います。ワールドカップで日本代表のフォワードが1試合で複数のトライを決めたのは、史上3人目の快挙でした。予選リーグ最終戦のアルゼンチン戦では、リードを許した前半16分。左サイドを突破すると前方にキック。このボールを自らキャッチし、そのままトライ。海外メディアも”魔法のようなトライ”と称えたこのスーパートライを含め、今大会代表最多の3トライを決め、ファカタヴァ選手は確かな存在感を見せました。
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!
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