【卓球 木原美悠・張本美和選手組】
日本卓球界を引っ張る男子のエースといえば、張本智和選手。その妹が、幼少期から”天才少女”と呼ばれてきた張本美和選手、15歳です。張本選手は、2年前の13歳の時に世界ユース選手権の15歳以下の部に出場し、女子シングルス・ダブルス・混合ペア・団体・すべて制して「4冠」を達成。この結果を受け、昨年の世界ユース選手権は14歳ながら19歳以下の部に飛び級で出場。張本選手は4歳年上の木原美悠選手とペアを組み、ダブルスで優勝します。
10代ペアの張本・木原組は、シニアの大会でも活躍します。中でも世界を驚かせたのが、今年のアジア大会です。準々決勝で、世界選手権連覇の経験もある中国の最強ペア、ソン・エイサ・オウ・バンイク組と対戦。シングルスの世界ランキングでは、張本選手が17位、木原選手が25位に対し、ソン選手は1位、オウ選手が3位と圧倒的な格上でした。ところが物おじすることなく試合に挑んだ10代ペアは、ゲームカウント3対1で、歴史的な大金星を上げたのです。その後、準決勝で惜しくも敗れ、アジア大会は銅メダルという成績を残した張本・木原ペア。これからも、日本の卓球界をますます盛り上げてくれるはずです。
【柔道 斉藤立選手】
柔道男子100キロ超級の期待の星・斉藤選手は、1984年のロサンゼルスと88年のソウルでオリンピック連覇を果たした斉藤仁さんを父に持ち、幼少期から注目を浴びてきました。2015年、54歳の若さで父・仁さんがこの世を去った時、12歳の立選手が父から言われた最後の言葉は「稽古に行け」だったといいます。そんな父の思いを背負って成長を遂げた斉藤選手は、20歳になって迎えた昨年4月、体重無差別での柔道日本一を決める全日本選手権で、世界レベルの強敵を次々と破り初優勝を成し遂げました。父親の仁選手も1988年にこの大会を制しており、親子2代での全日本選手権優勝は史上初の快挙です。
斉藤選手の初めての世界挑戦は、昨年10月の世界選手権でした。順調に決勝へ進出しましたが、日本勢初となる親子2代優勝がかかった一戦は、延長戦の末に惜敗。銀メダルとはいえ、悔しさの残る大会となりました。雪辱を誓って臨んだ今年の世界選手権では、”怪物”と呼ばれるフランスのリネール選手と準々決勝で対戦。延長戦にまでもつれこむ激闘も及ばず、斉藤選手は涙を飲みました。それでも、オリンピック代表の選考対象期間中に行われた5つの国際大会のうち、斉藤選手は4大会でメダルを獲得。この実績を評価されパリオリンピック出場が内定。親子2代でのオリンピック代表は、日本柔道史上初の快挙です。
【柔道 舟久保遥香選手】
柔道女子・57キロ級で期待の舟久保選手。6歳から柔道を始めましたが、小学生の頃は無名の存在でした。少しずつ力をつけ始めたのは、中学に入り2003年の世界選手権で代表だった矢嵜雄大監督の指導を受けるようになってから。転機となったのは、中学2年生の時に右ヒザを痛めたことです。練習が出来なくなったこの期間、練習時間中にひたすら懸垂だけを1ヶ月間もやり続けた舟久保選手。これで相手を引きつける力がつき、寝技に持ち込むのが得意のスタイルになります。これ武器に、中学3年生の時に全国大会で優勝。高校でもインターハイ優勝などの結果を残すと、15年の世界ジュニア柔道で金メダルを獲得。世界でも戦えるようになったのです。
得意の寝技の中でも、舟久保選手にしかできないオリジナルの技が「舟久保固め」。「腹包み」という寝技をアレンジしたもので、腕力の強い舟久保選手だからこそできる技です。この舟久保固めを武器に、18年の世界ジュニアで3連覇。ただ、シニアの大会になると寝技一本槍ではなかなか結果を残せず、目標だった東京オリンピック出場は叶いませんでした。転機となったのは、コロナ禍。試合ができなかった期間に「担ぎ技」を何度も練習し、技の選択肢が増えたことで、21年の全日本選抜体重別選手権で初めてシニア主要大会のタイトルを獲得することができました。以降、舟久保選手は、グランドスラムなど国際大会でも優勝を果たし、念願のパリオリンピック代表内定を勝ち取ったのです。
【レスリング 藤波朱理選手】
ソウルオリンピックの男子レスリング代表候補だった父・俊一さんの影響で4歳から競技を始めた、女子レスリング53キロ級・藤波選手。中学2年生だった2017年9月から、公式戦連勝街道の伝説が始まりました。世界デビューとなった21年の世界選手権は、4試合全てをテクニカル・フォール勝ちで日本人5人目の高校生女王に輝きます。
昨年の春からは、日本体育大学に進学して、父・俊一さんと2人暮らしを。大学ではオリンピック4連覇を達成した伊調馨選手からの指導もあり、さらに才能を伸ばした藤波選手。昨年6月の全日本選抜選手権で公式戦100連勝に到達し、1年後の今年6月、同じ全日本選抜選手権準々決勝で、東京オリンピックの金メダリスト・志土地真優選手にフォール勝ちして120連勝。”霊長類最強女子”と呼ばれた吉田沙保里選手の119連勝を抜きました。今年9月の世界選手権では、珍しくピンチに陥りながらもパリオリンピック代表に内定。目指すはオリンピック優勝と、伊調馨選手が持つ189連勝の記録更新です。
【レスリング 鏡優翔選手】
女子レスリングでは最重量級となる、76キロ級期待の星、東洋大学4年生の鏡選手。海外選手にも力負けしないパワーとスピードのあるタックルが持ち味で、日本オリンピック委員会のエリートアカデミーで実力を磨きました。高校2年生の時に全日本選手権で優勝し、大学進学後に現在の76キロ級に階級を上げます。初めて出場した昨年の世界選手権で銅メダルを獲得するなど、国内外の大会で目覚ましい活躍を見せました。
ところが昨年暮れの全日本選手権で右胸に大けがを負い、途中棄権して手術を受けます。リハビリ中も肉体強化に励み、自らに厳しい練習を課した鏡選手は、6月に実戦復帰すると、7月には世界選手権の代表決定戦に苦戦しながら勝利。今年9月の世界選手権では、女子最重量級の日本勢としては2003年の浜口京子選手以来、実に20年ぶりとなる世界選手権金メダルを獲得。圧倒的な強さで優勝し、パリオリンピックの切符を手にしました。次の目標はもちろん、日本の女子選手が果たしていない、オリンピック最重量級での金メダルです。
来週のスポーツ伝説は……
11/27(月) ラグビー 姫野和樹選手
11/28(火) ラグビー 流大選手
11/29(水) ラグビー リーチ マイケル選手
11/30(木) ラグビー レメキ・ロマノラヴァ選手
12/ 1(金) ラグビー アマト・ファカタヴァ選手
お楽しみに!!
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