スポーツ伝説

2023.10.20

2023年10月16日~20日の放送内容

【野球 度会隆輝選手】
 今年のプロ野球ドラフト会議の目玉候補で、社会人ナンバーワン野手と呼ばれるENEOSの左打者・度会選手。父親はかつてヤクルトスワローズで活躍した度会博文さんです。横浜高校に進学すると1年の夏から活躍し、左のヒットメーカーとして脚光を浴びます。目標はもちろん、父と同じプロ野球選手になること。しかしドラフト会議では指名されず、社会人野球の強豪・エネオスに入社。強肩を生かした外野守備だけでなく、今シーズンはセカンドの守備にも取り組み、幅の広さをアピールします。走塁も高校時代より進化を遂げ、一塁までの到達タイムは左打者の俊足の目安・4秒を切るなど、成長をアピールしました。
 渡会選手の最大のアピールポイントは、バッティングです。目標とする選手は、東京ヤクルトの山田哲人選手。ミート力に優れ、同時にパワーも併せ持っているのが度会選手の魅力です。バッティングで結果を出したのは、19歳で出場した昨年の都市対抗野球決勝です。4点を追いかける6回、ランナーを2人置いた場面で、起死回生のスリーランホームランを放ち、この一打で息を吹き返したチームは一気に逆転。度会選手はまさに優勝の立役者となりました。大会ではホームラン4本、11打点、打率4割2分9厘をマークし、MVPに当たる橋戸賞、新人王に相当する若獅子賞、最も印象的なバッティングを披露した選手に贈られる打撃賞の3冠に輝きます。戦前から続く都市対抗で橋戸賞と若獅子賞の同時受賞は史上3人目。野手では史上初の快挙でした。

 

【野球 前田悠伍投手】
 来週行われるプロ野球ドラフト会議の目玉と呼ばれる、大阪桐蔭高校のサウスポー・前田投手。2018年、中学1年生で12歳以下の日本代表として国際大会に出場し、優勝した実績を持っています。この年は、大阪桐蔭高校が甲子園で春夏連覇を達成。その時の優勝メンバーには、ボーイズリーグの先輩で現在は巨人でプレーする左腕・横川凱投手がいました。前田投手は大阪桐蔭に憧れて入学。横川先輩にアドバイスをもらいながら、やがて大阪桐蔭でエースへの道を歩み出します。前田投手の甲子園デビューは22年、新2年生として出場した春のセンバツです。準々決勝で先発を務めると、6回を投げて打たれたヒットはわずか1本。5者連続奪三振を含め、12個の三振を奪います。さらに決勝戦でも先発を務め、7回を投げて2安打1失点、11奪三振。横川先輩が活躍した18年以来、4年ぶりのセンバツ優勝に大きく貢献しました。また、この年の秋には明治神宮大会でも優勝。前田投手は世代屈指のサウスポーとして活躍を続けました。
 連覇を狙った今年の春のセンバツで、大阪桐蔭はベスト4で敗退。夏は大阪大会決勝で敗れ、甲子園出場は叶いませんでした。しかし前田投手は、18歳以下のワールドカップで日本代表メンバーに選出。夏の甲子園を沸かせた有力投手たちが顔を揃える中、エースの座を託されます。前回王者のアメリカ戦、宿敵・韓国戦、そして決勝戦と、いずれも大一番で先発を任され、アメリカ・韓国相手には無失点ピッチングを披露。台湾との決勝戦は、7イニング制の7回をひとり投げきり1失点。2対1での接戦を制し、前田投手は日本の大会初優勝に大きく貢献しました。

      
【野球 細野晴希投手】
 野球界で現在の大学4年生は、千葉ロッテ・佐々木朗希投手やオリックス・宮城大弥投手らと同じ学年で、黄金世代と呼ばれています。その黄金世代の中でドラフトの目玉として注目を浴びているのが、東洋大学の左腕エース・細野投手です。東都大学リーグでは下級生の時から活躍し、今年春のシーズンでは2部リーグながら7試合に登板して無傷の5勝と、安定感のあるピッチングでチームを優勝に導きます。さらに防御率0.82で最優秀防御率のタイトルを始め、最高殊勲選手・最優秀投手・ベストナインの投手4冠に輝きました。そんな細野投手がエースの責任感を見せつけたのが、1部との入れ替え戦です。初戦の先発を務めた細野投手は185球を投げ切り、1失点で完投勝利。エースの力投で勢いづいた東洋大学は、5シーズンぶりの1部復帰を果しました。
 細野投手の奮闘は、大学日本代表でも続きます。まずは7月にアメリカで開催された日米大学野球選手権。2勝2敗で迎えた第5戦で先発すると、5回と3分の2を投げ、3安打2失点の好投で日本の2大会連続の優勝に貢献。最優秀投手賞に輝きました。8月には、高校日本代表との壮行試合で5番手でマウンドに立つと、自己最速155kmを一気に3キロも更新してみせる圧巻のピッチングを披露しました。

 

【野球 宇佐見真吾選手】
 2015年のドラフト4位で巨人に入団した、宇佐見選手。強打が売りの控えキャッチャーとして一軍でもプレーしましたが、なかなか出番に恵まれませんでした。19年6月、シーズン途中に北海道日本ハムへトレードで移籍。するとプロ7年目の昨シーズンは、自身最多の81試合に出場し存在感を示しました。今シーズンは開幕から打撃が不振で二軍落ちしていましたが、6月に転機が訪れます。正捕手の木下拓哉選手が故障で離脱した中日ドラゴンズに、2対2のトレードで2度目の移籍をすることになったのです。4年ぶりにセ・リーグ復帰となった宇佐見選手は心機一転、持ち前の勝負強いバッティングを披露。7月13日の東京ヤクルト戦では同点の6回、勝利に導く移籍後初アーチを放ちました。
 宇佐見選手は、夏になるとさらに勝負強さを発揮します。8月13日の広島戦、延長10回に1点を勝ち越されて迎えたその裏。中日は土壇場で石川昂弥選手のホームランで追いつき、続く宇佐見選手が2者連続となるホームランを放ち、劇的なサヨナラ勝ちを収めました。そして8月16日の巨人戦。同点の9回、ワンナウト満塁のチャンスに代打で起用された宇佐見選手。対する今村信貴投手は同学年で、巨人時代にはバッテリーも組んだこともある間柄でした。宇佐見選手は今村投手の得意なシュートを鋭き、打球はサヨナラヒットに。2試合連続のサヨナラ打は、チーム4人目の記録です。しかし中日は、このあと泥沼の8連敗。そんなチームを救ったのも宇佐見選手でした。8月27日の横浜DeNA戦で引き分け寸前の延長12回にサヨナラヒット。月間3度のサヨナラ打は、セ・リーグ3人目の最多タイ記録でした。

 

【野球 郡司裕也選手】
 中学・高校で日本一。2019年の明治神宮大会ではチームを19年ぶりの日本一に導いて、勝てるキャッチャーと呼ばれた慶應義塾大学の郡司選手。この年の東京六大学野球・秋季リーグで三冠王に輝き、ドラフト4位で中日ドラゴンズに入団します。1年目から開幕1軍入りを果たしますが出場機会に恵まれず、持ち前のバッティングを発揮できないまま、今年プロ4年目のシーズンを迎えました。しかし1打席しか一軍出場がないまま、郡司選手は6月に北海道日本ハムファイターズへのトレードを通告されてしまいます。6月30日に一軍に昇格すると、さっそくその日のオリックス戦に、2番・指名打者で先発出場。移籍後初打席でオリックスのエース・山本由伸投手のストレートをセンター前に弾き返し、鮮烈なパ・リーグデビューを飾りました。
 その後も郡司選手は、好調なバッティングで活躍します。7月4日の福岡ソフトバンク戦。2回に和田毅投手から待望のプロ初ホームランを放つと、移籍後最初の4試合で14打数7安打、打率5割という驚異的な活躍を見せました。8月22日の東北楽天戦では、大学時代に何度も対決した早稲田大学出身の早川隆久投手と対戦。初回に2号ツーラン、6回には3号ソロホームランを放ち、自身初となる1試合2ホーマーでライバルを粉砕。勝利に貢献しました。大学時代に勝てるキャッチャーと呼ばれた郡司選手が新天地で目指すのは、もちろんリーグ優勝、そして日本一です。

  
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!

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    パーソナリティ
    • 滝本沙奈
      滝本沙奈
      滝本沙奈

      滝本沙奈

      生年月日:1984年6月6日
      出身地:東京
      学歴:青山学院大学文学部英米文学科卒
      趣味:マリンスポーツ(ダイビング、サーフィン、釣り)
      資格:PADIオープンウォーターダイバー、おさかなマイスターアドバイザー

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