スポーツ伝説

2023.10.06

2023年10月2日~6日の放送内容

【プロ野球 石川柊太投手】
 福岡ソフトバンクホークス・石川投手のモットーは、毎試合ノーヒットノーランを目指す。その目標がついに叶ったのが、今年8月18日に本拠地・福岡ペイペイドームで行われた埼玉西武戦です。初回からフォアボールは許すもののヒットは打たれず、凡打の山を築いていった石川投手。その好投に打線も奮起し、2ケタ安打で8得点を挙げます。キャプテンの柳田悠岐選手にも、通算1500安打となるホームランが飛び出し盛り上がる中、石川投手はプロ野球史上88人目、通算99度目のノーヒットノーランを達成しました。
 大記録を達成した石川投手ですが、今シーズンは苦しい状況が続いていました。2020年には最多勝のタイトルを獲得。エース格として期待されながら、今年は5月19日の3勝目を最後に白星から遠のき、6月以降は4連敗。2軍落ちも経験します。それでも前を向くことができたのは、去年までソフトバンクのエースで今シーズンからメジャーリーグに移籍した、ニューヨーク・メッツの千賀滉大投手の存在があったからです。二人は育成選手出身同士。千賀投手の渡米後もSNSなどで頻繁にやり取りを重ねていました。厳しい環境に身を置く千賀投手の言葉に刺激を受けた石川投手。余計なことは考えていられないと、開き直ることが出来たのです。こうして達成したノーヒットノーランは、育成出身では千賀投手以来、史上2人目の快挙でした。

 

【プロ野球 松井裕樹投手】
 サウスポーから投げ込む力強いストレートとキレのある変化球を武器に、プロ2年目の2015年から抑えに定着した東北楽天ゴールデンイーグルス・松井投手。この年に球団記録を大幅に更新する33セーブを挙げます。その後もセーブを積み重ね、18年に通算100セーブ、21年に通算150セーブをいずれも史上最年少で達成してきました。昨シーズンまで積み上げたセーブ数は197。節目の200セーブにあと「3」として迎えた今シーズン、WBC優勝を手土産に帰国した1週間後に開幕を迎え、開幕3連戦のうち2試合にクローザーとして登板。どちらの試合もセーブを記録して、大台に王手を掛けます。
 そして4月5日、本拠地・楽天モバイルパーク宮城で行われた埼玉西武戦に登板した松井投手。1対0で迎えた9回、先頭バッターにいきなりツーベースヒットを浴び、さらにフォアボールと送りバントで1アウト 二、三塁。一打逆転のピンチを迎えてしまいます。しかし続くバッターを空振り三振に仕留めると、最後もセンターフライで無得点に切り抜け、史上9人目となる通算200セーブを達成しました。27歳5か月での200セーブを達成は、昨年29歳10か月で達成した横浜DeNA・山崎康晃投手を抜き、史上最年少記録です。通算250セーブに達すれば、名球会入りの資格を得ることが可能。そうなれば、岩瀬仁紀さん、高津臣吾さん、佐々木主浩さんの3大レジェンドに続く、史上4人目の快挙。若きクローザーの挑戦は続きます。
 

      
【プロ野球 益田直也投手】
 千葉ロッテマリーンズの抑え投手である益田投手は今シーズン、セーブにまつわる偉業を複数達成しました。まずは5月18日、本拠地・ZOZOマリンスタジアムで行われたオリックス戦で今シーズン13セーブ目を挙げ、史上4人目、パ・リーグでは史上初となる同一球場での100セーブを達成します。そして6月16日、横浜スタジアムで行われた横浜DeNAとの交流戦では、プロ野球史上10人目となる、通算200セーブを達成しました。
 益田投手といえば、バッターの手元で変化するシンカーが決め球ですが、今シーズンは投球内容に変化があります。33歳ながら、ストレートの平均球速がアップしたため、ストレートの割合を増やしていたのです。ベテランになるとストレートの球速が落ち、変化球が増えてくるものですが、益田投手は逆でした。200セーブを決めた試合でも、奪ったアウト3つはすべてストレートが決め球。年齢を重ねても、益田投手は進化を続けています。

 

【プロ野球 大島洋平選手】
 中日ドラゴンズの大島選手は現在37歳。地元・名古屋市出身で、子どもの頃から中日ファンでした。高校も地元の名門・享栄高校から駒澤大学、社会人野球の日本生命を経て、2009年のドラフト5位で中日に入団。この時、大島選手は24歳。すでに妻子がいました。憧れのチームでプレーするために、安定した会社員生活を捨ててもいいのか。大島選手はかなり悩んだそうです。しかし奥様に後押しされ、プロ入りを決断。以来、14年間ドラゴンズひと筋でプレーしてきました。プロ3年目の12年から今シーズンまで、12年連続で規定打席に到達し、毎年120安打以上を記録しています。故障による長期離脱も大きな不振もなく、安定してヒットを打ち続け、今年8月、ついにバッターとしての勲章・通算2000安打に王手を掛けました。 
 大島選手のタフな肉体を支えているのが、圧倒的な練習量です。その練習を補佐しているのが、14年のオフから大島選手のパーソナルトレーナーを務めている土田和楙さんです。実は、大島選手と土田さんは駒澤大学野球部時代の同期。一緒に練習メニューを練り上げ、筋力アップとケガに強い体づくりに努めてきました。8月26日、地元・バンテリンドームナゴヤで行われた横浜DeNA戦。2番・レフトで先発出場した大島選手は、3回の第2打席で石田健大投手の初球を振り抜くと、打球はセンター前へ。ついにプロ野球史上55人目の通算2000安打を達成しました。この記録を中日で達成した選手は、大島選手が7人目。生え抜きでは荒木雅博選手以来5人目です。また大学・社会人を経ての達成は、和田一浩選手以来4人目。くしくも2人の先輩がコーチとして見守る前での達成となりました。

 

【プロ野球 岡林勇希選手】
 昨シーズン、レギュラーの座をつかみ、161安打を放ってセ・リーグ最多安打のタイトルを獲得した中日ドラゴンズ・岡林選手。プロ4年目の今シーズンは夏場から調子を上げ、7月はリーグトップの打率3割8分2厘、34安打をマーク。21試合に出場してノーヒットに終わったのはわずか1試合のみ。ヒットを量産して月間MVPに輝きました。そしてこの7月から始まったのが、連続試合安打の記録です。7月11日の東京ヤクルト戦でセンター前にヒットを放ってから毎試合ヒットを打ち続け、1ヵ月後の8月12日、広島戦で25試合連続に到達。初代”ミスタードラゴンズ”と呼ばれた西沢道夫選手が1949年に打ち立てた球団記録に肩を並べました。翌13日の広島戦、ここでヒットを打てば、実に74年ぶりの記録更新。プレッシャーがかかると思いきや、岡林選手は第1打席でレフト前にヒットを放ち、あっさりと記録を塗り替えました。
 8月16日の巨人戦でも第1打席にライト前へ運び、これで27試合連続安打。4試合連続で第1打席にヒットを放ち、プレッシャーとは無縁であることを証明してみせました。翌17日の巨人戦でも5回に内野安打を放ち、18日の東京ヤクルト戦では3回にレフトへ二塁打を放って、ついに記録は29試合連続に。1979年に広島・高橋慶彦選手が打ち立てた日本記録・33試合連続安打にあと4試合と迫り、新記録も期待されました。しかし19日の東京ヤクルト戦はノーヒットに終わり、岡林選手の記録はストップ。とはいえ、歴代9位タイの偉大な記録です。

  
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!

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    パーソナリティ
    • 滝本沙奈
      滝本沙奈
      滝本沙奈

      滝本沙奈

      生年月日:1984年6月6日
      出身地:東京
      学歴:青山学院大学文学部英米文学科卒
      趣味:マリンスポーツ(ダイビング、サーフィン、釣り)
      資格:PADIオープンウォーターダイバー、おさかなマイスターアドバイザー

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