【なでしこジャパン 宮澤ひなた選手】
サッカー女子日本代表・なでしこジャパンの宮澤選手。トレードマークのヘアバンドは、日本が世界一に輝いた2011年の女子ワールドカップドイツ大会で、準決勝にスーパーゴールを決めた川澄奈穂美選手がしていたのに影響を受けてつけ始めたといいます。その時、宮澤選手はまだ小学生。18年、高校生ながら日本代表の合宿に召集され、その年の20歳以下のワールドカップでは決勝戦で先制ゴールを決め、優勝に貢献します。しかし19年のワールドカップはトレーニングパートナーにとどまり、21年の東京オリンピック代表も逃しました。それでも諦めず、今年ついに目標のワールドカップのピッチに立った宮澤選手。1次リーグ初戦のザンビア戦からいきなり先制点を含む2ゴールを挙げる大活躍を見せ、プレーヤー・オブ・ザ・マッチにも選出されました。
宮澤選手の活躍はその後も止まりません。1次リーグ3戦目・スペインとの試合でも2ゴール1アシストの活躍で、チームは4対0で完勝。宮澤選手は再びマン・オブ・ザ・マッチに輝きます。さらに決勝トーナメント1回戦でも、大会5得点目となるゴールを決め、3度目となるマン・オブ・ザ・マッチに選出されたのです。日本はベスト8で敗れたものの、宮澤選手は大会得点王に輝きました。日本選手の1大会5ゴール、得点王獲得は澤穂希選手が達成して以来の快挙。大会終了後にはイングランドの名門マンチェスター・ユナイテッドと契約し、新たな一歩を踏み出します。
【なでしこジャパン 熊谷紗希選手】
2011年、女子ワールドカップドイツ大会の決勝戦は、なでしこジャパンとアメリカが対戦。PK戦にまでもつれた激闘に終止符をうつ最後のキッカーが、熊谷選手でした。当時20歳だった熊谷選手は偉大な先輩たちに付いていく立場でしたが、今回の代表ではただ1人、12年前の世界一を知る存在となりました。熊谷選手がキャプテンとして若手選手に意識して伝えているのは、「せっかくの大舞台、楽しまないと損」という考え方です。12年前の世界一が決まるあの場面、強烈なプレッシャーがかかる熊谷選手に声を掛けたのが、当時の司令塔・宮間あや選手でした。「ワールドカップの決勝でPKを蹴られる機会なんて、多分もう一生ないよ。楽しまないと損だよね」このひと声で、迷いなくPKを蹴ることができたのです。
そんな熊谷キャプテンに率いられたなでしこジャパンは、今年のワールドカップで快進撃を演じました。1次リーグは3戦全勝。しかも代表初となる1次リーグ3試合連続完封を収めたのです。その鉄壁の守備陣をまとめたのも、センターバックを務めた熊谷選手の功績の一つです。それでも準々決勝で敗れ、2度目の世界一に届かなかったなでしこジャパン。10月からはパリオリンピック出場をかけたアジア予選が始まります。
【なでしこジャパン 猶本光選手】
今年6月、サッカー女子ワールドカップに出場する日本代表・なでしこジャパンのメンバー発表が行われた日、三菱重工浦和レッズに所属する猶本光選手は会見で思わず涙を流しました。猶本選手は、福岡県出身の29歳。正確なパスとシュートに加え、状況判断にも優れた攻撃的なミッドフィルダーで、10代から年代別の日本代表で国際大会を経験し、世界の強豪と渡り合ってきました。2014年、フル代表のなでしこジャパンにも20歳の若さで初めて選ばれ、ドイツでもプレーしましたが、その後9年間、実力は認められながらもオリンピックやワールドカップなど、大きな国際大会には縁がなかったのです。
ワールドカップ初戦、1次リーグ・ザンビア戦。後半32分から途中出場した猶本選手は、念願のワールドカップのピッチで初めてプレーしました。第2戦のコスタリカ戦では、初の先発出場。前半25分、猶本選手は左サイドで田中美南選手からのパスを受けると、利き足とは逆の左足を一閃。正確なシュートが先制のゴールネットを揺らし、記念すべきワールドカップ初ゴールになりました。これで勢いに乗った日本は、2対0で快勝。「自分のゴールで勝たせたいと思っていたので、貢献できてうれしい」と喜びを口にした猶本選手。その後日本は準々決勝でスウェーデンに敗れ、12年ぶりの世界一とはなりませんでしたが、来年行われるパリオリンピックへ向けて、猶本選手は「アジア予選突破の力になりたい」と気持ちを新たにしています。
【なでしこジャパン 田中美南選手】
2013年に18歳でなでしこジャパンデビューを果たし、国際Aマッチは60試合以上に出場してきた田中選手。しかしワールドカップには縁がなく、15年大会は前回の優勝メンバーを中心とする攻撃陣に食い込めず。前回大会は、なでしこリーグ3年連続得点王に輝きながら落選してしまったのです。だからこそ今年、29歳で初出場を果たしたワールドカップの晴れ舞台で、田中選手は躍動します。ワールドカップデビュー戦となった初戦のザンビア戦では、前半21分と後半4分にゴールネットを揺らしますが、VARでオフサイドと判定されノーゴールに。それでも諦めずにゴールを狙い、後半10分、3度目の正直で念願のワールドカップ初ゴールを決めてみせたのです。またこの試合で田中選手は、ゴールライン上のボールを、ギリギリの位置で倒れながら右足で折り返し、宮澤ひなた選手のゴールをアシスト。”田中美南の1ミリ”と呼ばれました。
田中選手が、その実力をワールドカップの舞台で見事に発揮したのは、グループリーグ第3戦のスペイン戦です。この試合、後半途中から出場した田中選手は、3対0とリードして迎えた試合終盤、右サイドからドリブルで持ち上がり、巧みなフェイントを織りまぜながらディフェンダーをかわすと、左足でシュート。絶妙なカーブを描いたシュートはゴール左上の隅に突きささり、試合を決定づけるダメ押しゴールとなったのです。この田中選手のゴールには、海外メディアも、今大会最高のゴールのひとつと絶賛しました。
【なでしこジャパン 藤野あおば選手】
幼稚園の時からサッカーを始めたという藤野選手。2011年、サッカー女子ワールドカップドイツ大会のなでしこジャパン優勝を7歳の時に観て憧れ、高校卒業後、日テレ東京ヴェルディベレーザ入り。1年目から17試合で4得点の成績を残し、新たに発足した国内女子リーグ・WEリーグ初年度の22年は優秀選手に選ばれました。藤野選手の武器は、スピードに乗ったドリブルと左右から繰り出す強烈なシュートです。昨年8月、20歳以下の女子ワールドカップで背番号10を背負って準優勝に貢献。その2ヵ月後、初めてなでしこジャパン入りを果たします。今年のワールドカップにも、19歳の若さで初出場を決めました。
1次リーグ初戦のザンビア戦、先発で出場した藤野選手は、宮澤ひなた選手の先制ゴールをアシストして勝利に貢献。第2戦のコスタリカ戦でも、先発メンバーに名を連ねます。1点をリードした前半27分、藤野選手は切れ味鋭いドリブルで右サイドから敵陣に切り込み、ワールドカップ初ゴール。この貴重な2点目がものを言い、日本は決勝トーナメント進出を決めました。10代の選手が、ワールドカップの舞台でゴールを決めたのは、男女を通じて日本初の快挙でした。
来週のスポーツ伝説は……
10/2(月) プロ野球 石川柊太投手
10/3(火) プロ野球 松井裕樹投手
10/4(水) プロ野球 益田直也投手
10/5(木) プロ野球 大島洋平選手
10/6(金) プロ野球 岡林勇希選手
お楽しみに!!
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