スポーツ伝説

2023.09.22

2023年9月18日~22日の放送内容

【バレー 石川祐希選手】
 世界の上位16カ国がしのぎを削るバレーボールの国際大会「ネーションズリーグ」。男子日本代表は開幕10連勝を飾るなど快進撃を演じ、決勝トーナメントに進出。3位決定戦で昨年の世界選手権王者・イタリアと対戦しました。この試合に並々ならぬ決意で臨んだのが、日本代表のエースでキャプテンの石川選手です。世界最高峰のイタリア1部リーグで8シーズンプレーしてきた石川選手にとって、イタリア代表の面々は勝手知ったる相手だからです。石川選手はイタリア代表ひとりひとりの特徴や性格などを踏まえ、変幻自在な攻撃を駆使して得点を重ねます。石川選手のチーム最多21得点の活躍でイタリアを破った日本は、大会初の銅メダル。世界大会では1977年のワールドカップ以来、実に46年ぶりとなるメダル獲得の快挙を成し遂げたのです。
 石川選手は3位決定戦だけでなく、大会を通じて特別な存在であり続けました。15試合で275得点を挙げて、ベストスコアラーとベストアタッカーのタイトルを獲得。また、サーブ部門では全体3位、サーブレシーブ部門でも全体2位と攻守で奮闘し、大会ベストシックスにも選出される活躍ぶりでした。

 

【バレー 髙橋藍選手】
 バレーボール男子日本代表の髙橋選手が一躍注目を浴びたのは、高校生だった2020年のことです。京都・東山高校のキャプテンとしてチームを牽引して、春高バレーで全国制覇を成し遂げました。するとその1ヵ月後、高校生ながら日本代表に選出。翌21年には、19歳で東京オリンピック代表に選ばれました。本番では初戦からスターティングメンバーに名を連ね、ストレート勝ちに貢献。さらに決勝トーナメント進出がかかったイラン戦では、チーム3番目の19得点を決め、29年ぶりのベスト8進出に貢献したのです。東京オリンピックのあと、さらなるレベルアップを目指した髙橋藍選手は、世界最高峰のイタリアリーグに挑戦します。その成果をいかんなく発揮したのが、今年のネーションズリーグです。開幕から連勝を重ねた日本は7連勝をかけ、世界ランク2位のブラジルと対戦します。
 日本は髙橋藍選手の連続サービスエースなどで流れに乗り、2セットを先取。その後、最終セットにまでもつれますが、最後は髙橋藍選手のスパイクが決まり、30年ぶり歴史的勝利の立役者となったのです。次の相手は、東京オリンピック銅メダルのアルゼンチン。髙橋藍選手はチーム最多の32得点を挙げるなど大車輪の活躍を見せ、フルセットで勝利します。その後、3位決定戦に進んだ日本は、昨年の世界選手権王者・イタリアと対戦。髙橋藍選手は、要所要所でスパイクを決めるなど、イタリアリーグで磨いたその実力をイタリア相手に発揮し日本が勝利。世界大会では46年ぶりとなるメダル獲得の快挙を成し遂げました。
 

      
【バレー 宮浦健人選手】
 身長190㎝の体を目一杯使い強烈なスパイクを放つ、日本代表・左の新エース候補、宮浦選手。国際舞台では10代の頃から活躍し、大学1年生の時には19歳以下のアジアユース選手権で日本代表のキャプテンを務め、大会初優勝に貢献。勢いそのまま、世界ユース選手権でも銅メダルに輝きます。しかし、このまますんなりシニア世代でも活躍とはいきませんでした。宮浦選手が得意とするオポジットのポジションは、1学年下の西田有志選手が代表レギュラーに。東京オリンピックも西田選手は選ばれ、宮浦選手は代表入りを逃しました。西田選手を超えるため、宮浦選手は2022年からポーランドリーグに挑戦。今年6月には、世界ランク1位・ポーランドとの強化試合で存在感を見せつけます。西田選手と交代でコートに入った宮浦選手は得意のサーブで相手守備を崩し、高さのあるスパイクでポーランドを破る立役者となったのです。
 勢いに乗った日本代表は、直後に始まった国際大会・ネーションズリーグでも快進撃を続けます。その原動力になったのが宮浦選手でした。開幕4連勝をかけて臨んだ東京オリンピック金メダルのフランス相手に、宮浦選手は途中出場ながら13得点をマーク。フランス撃破に大きく貢献します。すばらしいパフォーマンスを続ける宮浦選手は、第7戦のブラジルとの試合でついにスタメンに抜擢。するとチーム2位の24得点をマークし、ブラジルを30年ぶりに破る立役者となったのです。その後も勝利を重ねた日本は、銅メダルをかけて昨年の世界選手権王者・イタリアと対戦。この大一番で宮浦選手は、1試合で7本のサービスエースを記録し、さらに12本のアタックとブロック1本も決め、20得点を挙げました。この活躍で、日本は強豪イタリアを撃破し、世界大会では46年ぶりとなるメダル、銅メダルを獲得したのです。

 

【フェンシング 江村美咲選手】
 父親も母親もフェンシング経験者という、女子サーブルの江村選手。小学3年生からフェンシングを始めて頭角を現し、東京オリンピックにも出場。個人戦は3回戦で敗退しましたが、団体の5位に貢献しました。その後も努力を重ねた江村選手は、昨年5月、ワールドカップ・女子サーブルで優勝。2か月後の世界選手権でも優勝を果たし、日本の女子選手がダブルで主要の世界大会個人戦を制する快挙を達成しました。
 今年7月、イタリア・ミラノで行われた世界選手権。連覇が懸かる江村選手にとって最大の山場は準決勝でした。世界3位の難敵・グクンドゥラ選手との対戦では、先にマッチポイントを握られてしまいます。しかし後がない状況から、相手の突きをかわしながら左肩を叩いて追い付くと、最後は右脇を突いて決勝点を挙げ、みごと逆転勝利を飾ります。決勝ではギリシャの選手と対戦し、最後の1本を相手の胸に突いて勝ちが決まると、しゃがみ込んで喜びをあらわにした江村選手。日本フェンシング史上初の世界選手権2連覇という偉業を達成しました。またひと回り強くなった日本のエースは、来年行われるパリオリンピックの舞台で金メダルを目指します。

 

【フェンシング 男子フルーレ団体】
 フェンシングの3種目、フルーレ・サーブル・エペの中で、日本のお家芸と呼ばれる「フルーレ」。2008年の北京オリンピックで、太田雄貴選手が日本フェンシング史上初のオリンピックでのメダル、銀メダルを獲得。12年のロンドンオリンピックでは男子団体が初の銀メダルをつかみ、今年6月のアジア選手権でフルーレ団体は男子・女子とも3連覇を果たしています。今年7月に行われた世界選手権でも、女子フルーレ団体は銅メダルを獲得。男子フルーレ団体も、躍進が期待されていました。今回、男子フルーレ団体のキャプテンを務めたのは、個人戦で初の銅メダルに輝いた”太田2世”こと、松山恭助選手です。他の3人は、東京オリンピックで個人・団体ともに4位に輝いた経験豊富な敷根崇裕選手と、世界ジュニア王者の19歳・飯村一輝選手、そして鈴村健太選手。この精鋭4人のメンバーで、日本は世界一を目指すことになりました。
 日本代表を牽引したエース・太田雄貴選手の引退後、東京オリンピックで、男子フルーレ団体のキャプテンを引き継いだ松山選手。日本は3位決定戦まで駒を進めましたが、アメリカに敗れ、あと一歩でメダルを逃しました。そんな松山選手にとって、世界選手権は雪辱を果たす絶好の機会。準々決勝で韓国、準決勝で香港を破り、決勝に進出。相手はアジア最大のライバル・中国でした。日本は中国と一進一退の攻防を繰り広げ、最後はアンカーの敷根選手が突き放して、45対35で勝利。世界選手権優勝は、日本のフェンシング団体史上初の快挙でした。次なる目標は、フェンシング発祥の国・フランスでの金メダルです。

  
来週のスポーツ伝説もお楽しみに!!

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    パーソナリティ
    • 滝本沙奈
      滝本沙奈
      滝本沙奈

      滝本沙奈

      生年月日:1984年6月6日
      出身地:東京
      学歴:青山学院大学文学部英米文学科卒
      趣味:マリンスポーツ(ダイビング、サーフィン、釣り)
      資格:PADIオープンウォーターダイバー、おさかなマイスターアドバイザー

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