【プロ野球 門脇誠選手】
昨年のドラフト4位で巨人に入団した門脇選手。創価高校1年生夏の西東京大会初戦から、創価大学4年生秋のリーグ戦までの公式戦116試合にフルイニング出場を果たしたタフネスさが、セールスポイントのひとつです。そんな門脇選手に、原辰徳監督は”ストロング門脇”とニックネームを付け、開幕一軍に抜擢しました。開幕直後の4月5日、横浜スタジアムで横浜DeNA戦に8番・ショートで初のスタメン出場を果たした門脇選手は、2回にツーベースヒットを放ち、プロ初ヒットを記録。しかし一軍レギュラーの壁は厚く、その後はしばらく途中出場が続きましたが、5月9日、新潟で行われた横浜DeNA戦で16試合ぶりに先発出場しました。DeNAの先発は、20年にメジャー最高の投手に贈られるサイ・ヤング賞を受賞したトレバー・バウアー投手。最強の相手ですが、門脇選手は敵にのまれる前に攻める姿勢でバウアー投手に挑みました。
1対1の同点で迎えた2回の第1打席。一塁方向にゴロを放った門脇選手は必死に走って、一塁へスライディング。執念でタイムリー内野安打にすると、4回の第2打席ではライトへタイムリーヒットを放ち、貴重な追加点を挙げます。さらに6回の第3打席。ワンナウト一塁の場面で、門脇選手はバウアー投手の甘いチェンジアップを豪快に振り抜くと、打球はライトスタンドに飛び込むツーランホームラン。記念すべきプロ初アーチとなりました。門脇選手は、大物ピッチャーから3安打4打点の活躍で、チームの勝利に貢献したのです。
【プロ野球 福永裕基選手】
昨年のドラフト7位で中日ドラゴンズに入団した福永選手。専修大学を卒業後、社会人野球の日本新薬で4年間プレーしてからプロ入りした26歳のオールドルーキーです。社会人時代は常にチームの中心を担い、2020年の都市対抗野球ではベスト4進出に貢献し、攻守とも実力は折り紙付きの福永選手。指名順位こそ一番下の7位でしたが、オープン戦での活躍が実り開幕一軍入り。3月31日、巨人との開幕戦に7番・セカンドでスタメンに大抜擢され、デビュー戦でいきなりプロ初ヒットを記録しました。
ところが、レギュラーに定着したかと思われた4月26日、広島戦で守備の際にチームメイトと交錯し、足を負傷。その後、6試合ぶりにスタメンに復帰した5月3日の阪神戦で、1点リードで迎えた9回ノーアウト二塁の場面で、福永選手はセカンドゴロをまさかのトンネル。二塁ランナーがホームインして同点に追いつかれ、サヨナラ負けを喫しました。今までない経験で、本当に落ち込んだという福永選手。しかし、首脳陣やチームメイトは、これもいい経験になると優しく励ましてくれました。痛恨のエラーから2日後。5月5日に行われた巨人戦に、6番・セカンドで先発出場した福永選手。8回にチームが逆転し、3点リードした場面で打順が回ってきました。福永選手は、巨人・代木大和投手が、インコースに投げたボールをフルスイングすると、レフトスタンドに飛び込むツーランホームランに。記念すべきプロ初アーチは、今シーズン、セ・リーグのルーキーが放った第1号ホームランとなりました。
【プロ野球 池田来翔選手】
千葉ロッテマリーンズ期待の2年目・池田選手は、千葉の古豪・習志野高校から国士舘大学を経て、2021年のドラフト2位で千葉ロッテに入団したまさに千葉っ子です。そして池田選手の名前「来翔(らいと)」は、社会人野球でプレー経験がある父親が、都市対抗野球でライトを守り、ライトにホームランを打ったことに由来しています。父親とは違い、内野を守る池田選手。今シーズンはパンチ力を発揮し、潜在能力の高さを見せつけます。1番でスタメン初起用された5月9日の埼玉西武戦は、7回にレフトスタンドへプロ初ホームランを放つなど、3安打の大活躍。5月の月間打率3割7分3厘、ホームラン2本と確かな存在感を見せました。絶好調だった5月末、巨人との交流戦で池田選手に試練が訪れます。154キロのストレートが右手を直撃し骨折。ただ幸いにも、折れたのは指先の先端部分だったため登録は抹消せず、痛み止めを飲みながらプレーを続けました。
そんな時、池田選手を励ましてくれたのが、母校・習志野高校の吹奏楽部です。6月23日の北海道日本ハム戦、”美爆音”と呼ばれる演奏で有名な吹奏楽部が、本拠地・ZOZOマリンスタジアムのライトスタンドに陣取り、ロッテの応援に花を添えるコラボ演奏を実施しました。池田選手は7回に代打で登場した際、後輩たちが奏でるチャンステーマを打席で聴き大興奮。9回の第2打席では、高校時代の応援歌を演奏してもらいました。残念ながらヒットは打てませんでしたが、後輩たちの熱のこもった演奏に応えるべく、チャンスで打てるバッターになるため、日々練習に励んでいます。
【プロ野球 吉村貢司郎投手】
東京ヤクルトスワローズのドラフト1位右腕、吉村投手。投げる時に左足を一塁ベース側に振り子のように振って、その反動で左ひざを引き上げる「振り子投法」が代名詞です。この独特のフォームが生まれたのは、ドラフトで2度も指名漏れした悔しさからでした。大学生の時と社会人2年目の時に注目選手として名前が挙がりながらも、指名する球団はありませんでした。その理由を、好不調の波が大きかったからと自己分析した吉村投手。この1年がラストチャンスと背水の陣を敷き、試行錯誤の末、振り子投法を完成させます。するとストレートは最速153キロにアップ。多彩な変化球を操り、調子が悪くても粘れるピッチャーへと変身しました。すると東京ヤクルトがドラフトで吉村投手を1位指名。ついにプロ入りの夢が叶いました。
即戦力右腕としてプロ入りした吉村投手は、その期待に応えるようにオープン戦で結果を出し、開幕ローテーションの一角を勝ち取ります。しかし4月16日の広島戦では、初回に5点の援護を受けながら6回に捕まり、4失点で降板。その後、リリーフ陣が打たれて逆転負けし初勝利を逃すなど、なかなか白星に恵まれませんでした。5度目の先発となった4月30日の阪神戦。この試合、吉村投手は初回にツーアウトから3者連続でフォアボールを与え、満塁のピンチを招きます。吉村投手はこのピンチを三振で切り抜け踏みとどまると、最速152キロのストレートを軸に5回まで無失点ピッチング。6回、中野選手にソロホームランを打たれて嫌な予感が漂いましたが、後続を断ち6回を2安打1失点に抑えた吉村投手。5度目の正直でつかんだ待望のプロ初勝利は、チームの連敗を7で止める貴重な白星となりました。
【プロ野球 山本大貴投手】
昨年7月末にトレードで千葉ロッテから東京ヤクルトスワローズに移籍した、プロ6年目のサウスポー・山本投手。グラブを突き出してから胸元に折りたたむ、独特のフォーム「猫だまし投法」が特徴です。この変則フォームを始めたのは社会人時代でした。元々はしなやかできれいなフォームでしたが、制球難で自信を無くしていた山本投手は、先輩とのキャッチボールで暴投を繰り返していました。そんな自分が嫌で先輩やコーチに相談していく中、このフォームにたどり着いたと言います。その後も改良を重ね、結果的にボールの出所が見づらく、タイミングを合わせにくい投法が完成しました。千葉ロッテ時代の2020年、山本投手は12試合に登板し、そのうち11試合で無失点と好投。貴重な左の中継ぎとして、存在感を発揮し始めたのです。
千葉ロッテ時代の山本投手はストレートで押していくパワーピッチャーでしたが、東京ヤクルト移籍後はピッチングの意識を変えます。ストレートと併せて変化球でバットの芯を外す、打たせて取るスタイルに転向。猫だまし投法と合わせ、細かい駆け引きで勝負する技巧派のピッチャーへと変貌を遂げたのです。その成果をいかんなく発揮しているのが、移籍2年目の今シーズンです。4月9日の今季初登板でプロ初ホールドを記録すると、6月20日、東北楽天との交流戦。この試合を継投策で臨む3番手として6回に登板。2イニングをノーヒット無失点に抑えると、チームはそのまま逃げ切り、山本投手に嬉しいプロ初勝利がつきました。「どんな場面でも『山本いこう』と言われるように頑張りたい」と宣言した苦労人は、その後も登板を重ね、チームに欠かせない存在になりつつあります。
来週のスポーツ伝説は……
9/4(月) ラグビー 斎藤直人選手
9/5(火) ラグビー 松島幸太朗選手
9/6(水) ラグビー 松田力也選手
9/7(木) 大相撲 伯桜鵬哲也関
9/8(金) 大相撲 北勝富士大輝関
お楽しみに!!
2025.03.27
2025年3月24日~27日の放送内容
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2025年3月17日~21日の放送内容
【スピードスケート 高木美帆選手】 30歳になった現在も国際大会で圧倒的な強さを見せ、女子スピードスケート第一線で活躍を続けている高木選手。冬季オリンピックでは、20...
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2025年3月10日~14日の放送内容
【プロ野球 田中将大投手】 昨年のオフ、東北楽天ゴールデンイーグルスを退団し、読売ジャイアンツへの入団を発表した田中投手。2006年に高校生ドラフト1位で東北楽天に入...
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2025年3月3日~7日の放送内容
【メジャーリーグ 菊池雄星投手】 岩手県の花巻東高校時代から注目を浴びてきたサウスポー・菊池投手。2019年にアメリカ・メジャーリーグに活躍の場を移すと、5年目の23...
2025.02.28
2025年2月24日~28日の放送内容
【プロ野球 遠井吾郎選手】 今年で球団創立90周年を迎えた阪神タイガース。遠井選手は1950年代~70年代にかけて、阪神ひと筋で20年間プレーした名物選手です。ぽっち...