スポーツ伝説

2023.08.11

2023年8月7日~11日の放送内容

【プロ野球 頓宮裕真選手】
 プロ野球前半戦を終えて、パ・リーグトップの打率3割1分8厘。オールスターゲームにも出場した、オリックス・バファローズの頓宮選手。特に活躍が目立ったのは、交流戦期間中の6月です。月間打率3割7分2厘と打ちまくり、ホームラン7本とアーチも量産。プロ5年目にして、初の月間MVPに輝きました。昨シーズンの53安打、ホームラン11本が自己ベストの成績でしたが、今年は前半戦だけで82安打と大きく上回り、ホームラン数も11本で早くも昨年の数字に並んでいます。
 プロ入り後4年間の平均打率は2割2分8厘だった頓宮選手の確実性が増した一つの要因は、去年までチームを支え、今シーズンからボストン・レッドソックスに移籍した吉田正尚選手の影響です。プライベートでも吉田選手と仲がいい頓宮選手は、移籍した後もLINEで質問。吉田選手は箇条書きでポイントを返してくれるとか。吉田選手の教えが今シーズン、頓宮選手のバットに反映されているのです。仲がいいということでは、オリックスのエース・山本由伸投手との関係も忘れてはいけません。実は、二人の実家は隣同士。学年は頓宮選手が2つ上ですが、同じ少年野球チームで腕を磨いてきた間柄です。幼なじみ同士が投打でチームを支え、リーグ3連覇と日本一連覇を目指します。

 

【プロ野球 木浪聖也選手】
 今年前半の阪神タイガースで印象的だったのは、4月・5月の好調ぶりです。特に5月は球団最多タイ記録となる19勝を挙げ、圧倒的な強さを誇りました。その4月・5月にいずれも月間打率3割以上の活躍を見せたのが、今年プロ5年目の木浪選手です。今シーズン、ショートのレギュラーの座をつかむと、8番に座った木浪選手。上位・下位打線をつなぎ“恐怖の8番打者”と呼ばれています。打撃好調の要因のひとつは、バッティングフォームの変更です。今シーズンはミートを重視するため、バットを寝かせるスタイルに変えました。ボールまで最短距離でバットを出せるコンパクトなフォームに変えたことで、球をより長く見て確実に捉えられるようになったのです。象徴的だったのは5月3日の中日戦。木浪選手は4打数3安打で、シーズン4度目となる猛打賞を記録しました。
 木浪選手は、2018年のドラフト3位で阪神に入団。同期の1位は、同学年の近本光司選手です。二人は大学・社会人を経て入団とキャリアも似ているため、プライベートでも大の仲良し。その近本選手が7月にデッドボールを受けて骨折し戦線を離脱した際、木浪選手が本人から借りたものがあります。近本選手が使っていたリストバンドです。そのリストバンドをつけて結果を出したのが、7月11日の横浜DeNA戦です。木浪選手はシーズン8度目の猛打賞を記録しただけでなく、満塁の場面で走者一掃のタイムリーツーベースを放つなど、自己最多となる1試合5打点をマーク。勝利に大きく貢献しました。この試合が終わった時点で、今シーズンの満塁での打率は5割5分6厘。まさに、恐怖の8番打者の名にふさわしい数字となっています。

  
    
【プロ野球 万波中正選手】
 プロ4年目の昨シーズンは初めてふたケタに乗せるホームラン14本を放ち、
飛躍の兆しを見せた北海道日本ハムファイターズの万波選手。今シーズンは長距離砲としての資質がさらに開花し、前半戦だけで15本と昨年の本数を早くも超えてホームラン王争いでも上位にランクインしています。ホームランを量産できている一つの要因は、肉体改造です。これまでの万波選手は、トレーニングをしてもなかなか体が大きくならないことが悩みの種でした。昨年のオフは、ウエイトトレーニングの成果がついに実って体重が5キロもアップ。これによって打球速度も飛距離もアップしたのです。また開幕前には侍ジャパンのサポートメンバーに選ばれ、代表選手たちのバッティングを間近で見ることができたのも成長の一因です。中でも、大谷翔平選手の打撃練習には大きな刺激を受けました。
 万波選手が存在感を見せるのは、バッティングだけではありません。外野の守備、特に強肩ぶりでも何度もファンを沸かせ続けています。今シーズンから外野守備の名手として鳴らした森本稀哲コーチが就任し、特にスローイングするまでのゴロ捕球や足のさばき方を学んでいます。攻守でファンを魅了する万波選手は今年、オールスターゲームにも初出場。全球ホームラン狙いを宣言していた通り、第1戦で豪快なアーチを放ちます。オールスター初打席初ホームランは史上18人目の快挙でした。

 

【プロ野球 東克樹投手】
 2017年のドラフト1位で横浜DeNAベイスターズに入団。1年目の18年、150キロ台の威力あるストレートを武器に11勝を挙げ、セ・リーグの新人王に輝いたサウスポーの東投手。しかし2年目の19年は左ヒジ痛に悩まされ4勝に終わり、翌20年にはヒジのじん帯損傷が判明してトミー・ジョン手術を受けます。21年のシーズン終盤に一軍復帰しますが、わずか1勝のみ。昨年はキャンプとオープン戦で好調だったため開幕投手を任されましたが、期待に応えられず1勝だけで終わりました。そこで6年目の今シーズンは、力ではなく技で勝負する意識に変えた東投手。細かいコントロールと変化球に磨きをかけ、フォームもスリークォーター気味にやや斜め横から投げるスタイルに変更。するとオープン戦で結果を出し、開幕ローテーション入りを勝ち取りました。
 東投手は4月6日の巨人戦で今シーズン初先発。前日に同学年で同じトミー・ジョン手術を受けたチームメイト・平良拳太郎投手が勝利を挙げことにも刺激を受け、最速149キロの直球を軸に緩急をうまく使いながら巨人打線を翻弄。7回を4安打無失点に抑え、今シーズンの初勝利を飾りました。4月30日の中日戦では完封勝利を飾るなど、4月は快調に3連勝。5月は1勝2敗でしたが、6月24日、阪神との首位攻防戦で今季2度目の完封勝利を挙げ、6月は再び3連勝。チームが4連敗中だった7月2日の中日戦でも7回2失点の好投を見せ、リーグトップタイの8勝目を挙げました。今年こそ、1年目の11勝を超えるキャリアハイ。そして25年ぶりのリーグ優勝を目指します。

 

【プロ野球 中村剛也選手】
 今年でプロ22年目。”おかわり君”の愛称でファンに親しまれる埼玉西武ライオンズの中村選手。今シーズンは開幕直後の4月11日から四番を務め、3月・4月は打率3割6分4厘、ホームラン7本、14打点と活躍。4番に定着してからは3度の猛打賞と、月間4本の殊勲打を放つなど、チームの勝利に大きく貢献しました。特に4月30日の東北楽天戦では、1試合4安打を記録。自身4年ぶりとなる3試合連続アーチを放つなど、4月最後の試合を最高の形で締めくくり、5年ぶり3度目の3月・4月度の月間MVPに輝いたのです。
 中村選手には大きな目標があります。それは通算500号ホームランです。昨シーズン終了の時点で、中村選手の通算ホームラン数は454本。あともう少しで、過去8人しか達成していない500本の大台に乗るのです。今年は前半戦で9本を放ち、この時点であと37本としました。その一方で、中村選手はプロ野球史上初となる大記録も達成しました。4月29日の東北楽天戦、4回に空振り三振を喫し、前人未踏の通算2000三振を記録したのです。これは、それだけ多くホームランを狙ってバットを振ってきた証。さらに7月15日の北海道日本ハム戦では9回にサヨナラタイムリーツーベースを放ち、39歳11カ月でのサヨナラ安打という球団最年長記録を作り、目標の達成へ向け弾みをつけました。

  
来週のスポーツ伝説は……
8/14(月) プロ野球 北別府学投手
8/15(火) プロ野球 杉下茂投手
8/16(水) テ ニ ス  加藤未唯選手
8/17(木) サーフィン 松田詩野選手
8/18(金) 柔  道 新添左季選手
              お楽しみに!!

最新番組ブログ
    パーソナリティ
    • 滝本沙奈
      滝本沙奈
      滝本沙奈

      滝本沙奈

      生年月日:1984年6月6日
      出身地:東京
      学歴:青山学院大学文学部英米文学科卒
      趣味:マリンスポーツ(ダイビング、サーフィン、釣り)
      資格:PADIオープンウォーターダイバー、おさかなマイスターアドバイザー

    • 過去の番組ホームページはこちら