スポーツ伝説

2023.07.14

2023年7月10日~14日の放送内容

【プロ野球 松井颯投手】
 昨年の育成ドラフト1位で読売ジャイアンツに入団した松井投手。埼玉の名門・花咲徳栄高校時代は、現在北海道日本ハムファイターズで野手として活躍する野村佑希投手の控えピッチャーでした。野球は高校までで辞めるつもりでしたが、高校最後の夏の甲子園で1イニングだけ投げた際に自己最速タイの141キロを記録。大学でも野球を続ける決意をします。明星大学では首都大学2部リーグで投げながら、コツコツと体づくりをする一方、勉学では物理学を専攻し、感覚だけでなくデータによる数値からバッターが打ちづらいストレートを研究。測定器を使った練習でリリースポイントや回転軸を改良するなど、多くの時間と情熱を野球に注ぎ込んだ結果、球速は最速154キロをマーク。高校時代から10キロ以上もアップしました。
 二軍戦で結果を出した松井投手は、5月15日に支配下登録。6日後の5月21日についに一軍昇格を果たし、この日の中日ドラゴンズ戦で先発のマウンドを任されました。いきなりの大役に緊張し、1球目をバックネット直撃の大暴投をしてしまった松井投手。しかしこれで緊張がほぐれ、試合が始まると150キロ台のストレートと変化球を巧みに織り交ぜて5回を2安打無失点の好投。プロ初登板・初先発・初勝利を飾りました。育成ルーキーが初登板の試合で勝利を挙げたのは、プロ野球史上2人目。セ・リーグでは初の快挙でした。

 

【プロ野球 田中千晴投手】
 昨年のドラフトで読売ジャイアンツから3位指名を受け、國學院大学から即戦力として入団した田中投手。大阪・堺市の出身で、身長189㎝の右腕です。その意外な趣味が「ギター」。音楽が野球にもプラスになっているといい、投球の際にはフォームのリズム感を重視しています。大学時代はリーグ戦の登板ごとに聴く音楽を変え、試合前はリズムが速めの気分が上がる曲を聴いてから投げるようにしていました。
 今シーズン開幕早々の4月13日、田中投手は一軍に初昇格し、この日に行われた阪神戦でプロ初登板。1イニングを無失点に抑え、上々のデビュー飾ります。その後二軍に落ちてプロの厳しさを知りましたが、5月24日に再昇格。翌25日の横浜DeNA戦で、11試合目のマウンドに上がりました。3対3で迎えた5回、ツーアウトから3番手で登場した田中投手はこの回を無失点で抑えると、イニングまたぎで次の回も投げ、1回1/3をノーヒット無失点でマウンドを降ります。するとその裏、味方が2点を挙げて逆転。そのまま逃げ切り、田中投手に嬉しいプロ初勝利がつきました。

  
    
【プロ野球 秋広優人選手】
 身長2mの長身が話題となり、ドラフト5位ながら長打力を期待されていた読売ジャイアンツ・秋広選手。2年目の昨シーズンは、松井秀喜選手が着けていた背番号55を継承し、二軍で12球団トップの98安打を記録。じっくりと力を付けて3年目のシーズンを迎えました。そんな秋広選手にとって大きな刺激となったのが、同期入団・同学年の中山礼都選手です。昨年一軍で50試合に出場し、存在感を見せた中山選手は、今シーズンの開幕を一軍で迎える一方、秋広選手は二軍スタート。発奮した秋広選手は二軍戦で結果を出し、4月半ばに1年半ぶりの一軍昇格を果たします。4月22日の東京ヤクルト戦でプロ入り後初めてスタメンに抜擢。最初の打席でいきなりタイムリーツーベースを放ち、プロ初安打と初打点を記録しました。ここから、秋広選手の快進撃が始まります。
 4月29日の広島戦で、秋広選手は初めて2番打者で先発。2点を追う7回に、反撃のノロシを上げるプロ初ホームランを放ちました。さらに5月16日、静岡・草薙球場で行われたヤクルト戦では、1試合3安打を放ち3打点の大活躍。7回に放った2点タイムリーツーベースは、チームを勝利に導く決勝打になりました。その翌日、神宮球場で行われたヤクルト戦でも2号スリーランを放ち、またしてもチームの勝利に貢献してみせた秋広選手。6月の交流戦を終えた時点では規定打席に達していませんが、打率3割2分1厘で、得点圏にランナーがいるときの打率はなんと3割8分7厘。逆転優勝を狙うジャイアンツにとって、もはや欠かせない存在になっています。

 

【プロ野球 加藤豪将選手】
 今年の新人選手の中でひときわ異彩を放つ経歴の持ち主といえば、元メジャーリーガーの肩書きを持つ、北海道日本ハムファイターズのドラフト3位ルーキー・加藤選手です。幼少期からアメリカ暮らしが長かった加藤選手は、2013年にヤンキースからドラフト指名を受けてアメリカでプロの道をスタートしました。その後、マイナー移籍を繰り返す中で、プロ10年目の昨シーズン、ブルージェイズで待望のメジャー初昇格を果たし、ついに夢を叶えます。しかしほどなくしてまたマイナー暮らしに。そんな時に日本ハムからドラフト指名を受け、活躍の場を日本球界へと切り替えたのです。
 キャンプ直前のケガで出遅れますが、5月25日に1軍初昇格を果たすと、そこからの活躍ぶりはさすがメジャー経験者。デビュー戦で初ヒットを放つと、その後の試合でもヒットを連発し、5月31日のヤクルト戦では記念すべき日本初ホームランから、野球人生で初めてという2打席連続ホームランを放ちました。ここからの1週間は、7試合中2本以上のマルチヒットを放った試合がなんと6試合。29打数14安打、打率4割8分3厘と、新人デビューから10試合連続安打というプロ野球タイ記録を達成しました。

 

【プロ野球 桐敷拓馬投手】
 阪神タイガース・桐敷投手の背番号は47。この番号は、西武・ダイエー・巨人・横浜で通算224勝を記録した、工藤公康投手が背負っていた番号です。同じサウスポーである桐敷投手にとって工藤投手は憧れの存在で、体の使い方や投球フォームを参考にしてプロ入りを果たし、47番を背負いました。その最大の魅力は三振を奪う能力で、大学時代から際立っていました。新潟医療福祉大学の2年生だった2019年には、所属リーグタイ記録となる1試合18奪三振をマーク。大学球界屈指のドクターKと話題になり、21年のドラフトで阪神から3位指名を受けました。そのドラフト直後の試合で、桐敷投手はさらなる快投を演じます。自身の持つ三振記録を塗り替える19個の三振を奪っただけでなく、なんとリーグ史上初の完全試合を達成したのです。大きな注目を浴びてプロ入りした桐敷投手は、1年目から開幕一軍入り。しかもデビュー戦は、代役ながら開幕3戦目の先発を任される大抜擢でした。
 プロ1年目の昨シーズンは一軍で7試合に登板した桐敷投手ですが、勝ち星を上げることはできず。シーズン後半はほとんどが二軍暮らしとなりました。そんな桐敷投手を支えてくれたのは、福原忍二軍投手コーチのアドバイスです。福原コーチは、バッターへの詰めの部分でボールが甘いところを見抜き、ブルペンで投げる時から桐敷投手にカウントやコース、高さなどをしっかり想定して意志を持って投げるように指導しました。そして迎えた今年5月26日、巨人戦に先発した桐敷投手は、7回を5安打1失点、10個の三振を奪う見事なピッチングを披露。桐敷投手に嬉しいプロ初勝利がつきました。

  
来週のスポーツ伝説は……
7/17(月) プロ野球 岡田彰布選手
7/18(火) プロ野球 川上憲伸投手
7/19(水) プロ野球 中西太選手
7/20(木) 卓  球 早田ひな選手
7/21(金) 卓  球 長崎美柚・木原美悠ペア
              お楽しみに!!

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    パーソナリティ
    • 滝本沙奈
      滝本沙奈
      滝本沙奈

      滝本沙奈

      生年月日:1984年6月6日
      出身地:東京
      学歴:青山学院大学文学部英米文学科卒
      趣味:マリンスポーツ(ダイビング、サーフィン、釣り)
      資格:PADIオープンウォーターダイバー、おさかなマイスターアドバイザー

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