スポーツ伝説

2023.07.07

2023年7月3日~7日の放送内容

【ラグビー 長田智希選手】
 いよいよ今月から代表のテストマッチで賑わうラグビー界。9月に迫るワールドカップに向け、メンバー争いが続く日本代表に今回初めて名を連ねたのが、23歳の長田選手です。東海大仰星高校3年生の時に、キャプテンとして冬の花園での全国制覇を達成。高校日本代表でも強豪・アイルランド戦のゲームキャプテンを務め、金星を挙げます。進学した早稲田大学では、2年生の時に全国大学選手権決勝で自らトライを決め、早稲田の11大会ぶり大学日本一に貢献。キャプテンを務めた4年生の時、日本一には届きませんでしたが、その活躍ぶりとキャプテンシーを評価され、日本代表や各国代表クラスの選手が揃うリーグワン屈指の強豪・埼玉ワイルドナイツに入団します。そして今年1月、ついにリーグワンデビュー。その後は、毎試合スタメンに名を連ねるようになり、出場3試合目には待望の初トライを記録し、プレーヤー・オブ・ザ・マッチにも選ばれました。
 長田選手のポジションは、攻撃の際にボールを持って縦に進む役割が求められるセンターです。身長179㎝、体重90kgと決して大柄ではありませんが、トライを取ると決めたら倒れない、力強い走りが大きな強みです。デビュー以降のリーグ戦12試合すべてに出場し、チーム最多となる8トライをマーク。チーム優勝こそ逃しましたが、シーズンを通した活躍を評価され、新人賞とベストフィフティーンに選ばれた長田選手。世界を相手にどんな力強い走りを見せてくれるのか。注目です。

 

【ラグビー 木田晴斗選手】
 今年は4年に一度のラグビーワールドカップイヤー。前回2019年の日本大会では、ウイングの福岡堅樹選手が4トライを決める活躍で、日本をベスト8進出に導きました。現在このウイングのポジションで注目を浴び、“ポスト福岡”と呼ばれているのが木田選手です。今年5月にシーズンを終えたリーグワンでは、開幕戦の2トライを含む7試合連続トライを決めて周囲を驚かせます。この好調なスタートの要因は、肉体改造。体重を2kg近く絞ったところ、自慢のスピードと相手を振り切るステップに磨きがかかり、トライの量産に繋がったのです。特にスピードアップを実感したのが、第3節の花園近鉄ライナーズ戦です。後半22分にパスを受けると、鋭いステップで相手3人を置き去りにし一気に加速。最後はフルバックの選手のタックルをかわして、余裕のトライ。このトライ動画はラグビーの国際統括団体・ワールドラグビーの公式SNSでも紹介され、話題になりました。
 木田選手にとって、スピード以外にもうひとつ大きな武器になっているのが、相手からタックルを受けても倒れずにそのまま前に突き進む突破力です。その源である体幹の強さは、幼少期に励んでいた極真空手で鍛えました。小学4年生の時には世界チャンピオンになったこともあるほどの腕前で、当たり負けしない強い肉体を手に入れたのです。相手のディフェンスラインを破るラインブレイク数で、木田選手はリーグ1位。またリーグ戦の通算16トライは、堂々の2位です。5月に行われた優勝決定戦では、試合終盤までリードを許す苦しい展開ながら、木田選手が抜け出して劇的な逆転トライ。チームを初の日本一に導きました。そしてこの活躍ぶりが評価され、ウイングのポジションでリーグのベストフィフティーンにも選ばれ、初の日本代表入りを果たしました。

  
    
【ラグビー ワーナー・ディアンズ選手】
 ラグビーの試合で鍵を握るスクラムやラインアウトなどのセットプレーで、重要な役割を担うポジションがロックです。世界の強豪国では、ここに背の高い選手を起用するのがセオリーとなっています。身長差で不利だった日本にとって、世界基準サイズの男として期待されているのが、ラグビー大国・ニュージーランド出身のディアンズ選手です。身長201㎝と海外勢のロックと比べても見劣りなし。常々世界一のロックになりたいと宣言している21歳は、元ラグビー選手の父親が日本のチームでコーチに就任した際に14歳で来日。以降、日本でプレーしています。高校時代は冬の花園で優秀選手賞を受賞する活躍を見せると、卒業後はより高いレベルを求めてプロの道を選択。2021年、東芝ブレイブルーパスに入団しますが、東芝で公式戦デビューする前に日本代表に初選出。19歳で、しかもプロリーグでの実績がない選手の代表入りは異例の大抜擢でした。
 日本代表デビューを果たしたディアンズ選手は翌22年、リーグワンの公式戦に初出場。デビュー戦でいきなりトライを決めます。19歳8カ月でのトライは史上最年少記録とあって、またしても注目を浴びました。ディアンズ選手の評価をさらに高めたのは、昨年秋に行われた2つのテストマッチです。まずは、母国ニュージーランド代表・オールブラックスとの一戦。長身を生かしたキックチャージからボールを奪うと、40m独走のトライを決め、国立競技場に詰めかけた65000人のファンの大歓声を浴びました。また本番のワールドカップで相まみえるイングランド戦では、チームトップの12タックルを決めて守備でチームに貢献。2試合とも敗れましたが、格上相手にディアンズ選手は大活躍。ワールドカップ本番の舞台では、世界一のロックを目指します。

 

【大相撲 照ノ富士春雄関】
 昨年9月の秋場所で途中休場したあと、10月に両ヒザを手術し、4場所連続で休場が続いていた横綱・照ノ富士関。その間はトレーニングができず、体重が20kgも落ちましたが、両ヒザが回復して食事量を増やすと、今度は持病の糖尿病が再発。懸命に治療と稽古を重ね、今年5月の夏場所で復帰を果たします。成績次第では進退が懸かりますが、出る以上は優勝に絡まないといけないと、横綱としての強い覚悟で土俵に臨みました。
 ブランクが心配された初日、元大関の正代関に立ち合いから激しく当たられ、あっという間に土俵際へ追いつめられてしまいます。しかし土俵際、逆転のすくい投げで白星スタート。その後は相撲勘を取り戻し、無傷の8連勝で中日に、ただ一人勝ち越しを決めました。9日目に相性の悪い明生関に初黒星を喫し、金星を献上しますが、すぐに気持ちを切り替えた照ノ富士関。12日目に関脇・若元春関を退け、再び単独トップに立つと、13日目は2敗で追う元大関・朝乃山関をものともせず快勝し、昨年5月の夏場所以来1年ぶりの優勝へ王手を掛けます。勝てば千秋楽を待たずに優勝が決まる14日目の相手は、春場所に初優勝を飾り、大関獲りが懸かっていた関脇・霧馬山関でした。照ノ富士関にとってはモンゴル出身の後輩であり、場所前には出稽古で積極的に胸を貸した間柄。注目の一番、照ノ富士関は立ち合いで押し込まれますが、のど輪攻めで寄り切り。復帰場所で見事優勝を決めて、一人横綱の責務を果たしました。

 

【大相撲 若元春港関】
 兄も弟も現役力士という関脇・若元春関。今年1月の初場所で小結に昇進したことで、弟の関脇・若隆景関との兄弟同時三役が誕生しました。若元春関は、3月の春場所で11勝を挙げて新関脇に昇進。迎えた夏場所は、大関獲りの足掛かりとなる重要な場所でした。7勝3敗で迎えた11日目。勝ち越しが懸かった一番は、8勝2敗と勢いに乗る、身長204㎝の大型力士・北青鵬関でした。若元春関は土俵際に追い込まれましたが、そこから豪快なうっちゃりで北青鵬を土俵の下まで投げ飛ばします。この勝利で5場所連続の勝ち越しを決め、3敗をキープして迎えた12日目の相手は、1敗でトップを走る横綱・照ノ富士関でした。
 横綱との取り組みは初顔合わせとなった昨年7月の名古屋場所以来5場所ぶり。
   若元春関は得意の左を差し、右上手を引いて寄り立てます。しかし照ノ富士関が土俵に足がかかる寸前に、下手投げで体勢を入れ替え形勢逆転。あとがない若元春関は、横綱の寄り倒しに屈しました。若元春関にとっては悔しい敗戦でしたが、横綱と堂々と渡り合ったのは成長の証しです。14日目は大関・貴景勝関に張り手を3発も浴びながらも、ひるまずに前に出て気迫の押し倒しで10勝目を挙げました。これで2場所連続2ケタ勝利を挙げ、初の三賞・技能賞を受賞した若元春関。7月の名古屋場所では、新大関・霧島関に続く、大関昇進を目指します。

  
来週のスポーツ伝説は……
7/10(月) プロ野球 松井颯投手
7/11(火) プロ野球 田中千晴投手
7/12(水) プロ野球 秋広優人選手
7/13(木) プロ野球 加藤豪将選手
7/14(金) プロ野球 桐敷拓馬投手
              お楽しみに!!

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    パーソナリティ
    • 滝本沙奈
      滝本沙奈
      滝本沙奈

      滝本沙奈

      生年月日:1984年6月6日
      出身地:東京
      学歴:青山学院大学文学部英米文学科卒
      趣味:マリンスポーツ(ダイビング、サーフィン、釣り)
      資格:PADIオープンウォーターダイバー、おさかなマイスターアドバイザー

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