スポーツ伝説

2023.06.26

2023年6月19日~23日の放送内容

【プロ野球 藤井皓哉投手】
 現在は福岡ソフトバンクホークスでプレーする藤井投手。もともとは2014年のドラフト4位で広島カープに入団します。3年目の17年に中継ぎで1軍初登板を果たすと、翌18年にはプロ初勝利もマークしました。しかし19年は、制球難に苦しみ防御率は14点台。20年は1軍での出番がなく、オフに戦力外通告を受けてしまいます。それでも野球を諦められなかった藤井投手は、独立リーグでのプレーを選択し、四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスに入団。21年は先発で11勝、防御率1.12、180奪三振の好成績を残し、最優秀防御率・最多奪三振の二冠に輝きました。また、ソフトバンク3軍との交流戦で、ノーヒットノーラン達成のアピールも実り、オフにソフトバンクと育成選手契約を結ぶことになったのです。
 22年、藤井投手はオープン戦5試合で防御率1点台の好成績を残し、晴れて支配下契約を勝ち取ると、主に8回の男として中継ぎで55試合に登板。5勝1敗3セーブ22ホールド、防御率1・12の好成績を収めました。今シーズンは中継ぎから先発に転向し、新たな挑戦に取り組んでいる藤井投手。4月1日、NPBで初先発となった千葉ロッテ戦では、最速155キロのストレートと鋭いフォークを武器に、7回を2安打無失点。二塁すら踏ませない好投で、先発初勝利を果たします。その後も先発で安定したピッチングを続け、6月4日には古巣・広島との交流戦で先発。6回途中5安打2失点に抑えて、今シーズン5勝目を挙げました。

 

【プロ野球 種市篤暉投手】
 千葉ロッテマリーンズの種市投手がブレイクしたのは、高卒3年目の2019年でした。プロ初勝利を皮切りに8勝をマーク。当時の日本人最多タイ記録となる、23イニング連続奪三振を達成して注目されます。翌年7月にはプロ初完封も記録して順風満帆なプロ生活を送っていましたが、8月にヒジを痛め、じん帯を再建するトミー・ジョン手術を受けることを決断。1年半マウンドから遠ざかりました。リハビリを乗り越え、740日ぶりに1軍のマウンドに帰ってきたのは昨年8月。3回を投げ、勝ち負けは付きませんでしたが、投げられた喜びを噛み締めました。そんな種市投手にとって大きな学びの場となったのが、今年春のWBC直前に、予備メンバーとして参加した侍ジャパンの強化試合でした。絶好の機会とばかりに、ノートを片手にダルビッシュ有投手、大谷翔平投手らへ積極的に話を聞いて回った種市投手。同じトミー・ジョン手術経験者である二人から、トレーニング方法や変化球の投げ方など多くを学び、完全復活への勇気も受け取りました。
 今シーズン、種市投手はロッテの先発ローテの一角として開幕1軍入り。初登板となった4月1日のソフトバンク戦は、4回を1失点。黒星を喫したものの、確かな手応えをつかみます。そして次の登板となった4月9日の東北楽天戦は、6回を投げて、打たれたヒットはわずか1本。20年7月以来、実に988日ぶりとなる待望の白星を手にしました。5月16日のオリックス戦では、8回を終えて98球を投げていましたが、9回の続投を志願。109球を投げて3安打1失点。プロ初完封を記録した試合以来1025日ぶりに最後まで投げきり、完全復活をアピールしました。

  
    
【プロ野球 平良拳太郎投手】
 4月5日、本拠地・横浜スタジアムで行われた巨人戦に先発した、横浜DeNAベイスターズの平良投手。2021年6月に右ヒジのじん帯を再建するトミー・ジョン手術を受けた平良投手にとって、実に727日ぶりの1軍公式戦のマウンドとあって、この日は平良投手のふるさと・沖縄県の今帰仁村から、村長をはじめ多くの関係者が応援に駆けつけました。右サイドスローから投げる得意のシンカー、フォークは切れ味抜群で、初回に巨人の4番・岡本和真選手から146キロのストレートで見逃し三振を奪ったのを皮切りに、毎回の7奪三振で6回4安打無失点と好投。見事、888日ぶりの白星を勝ち取りました。
 この復活勝利から1ヶ月半後、平良投手はもう一つ、待望の白星を手にします。5月23日に東京ドームで行われた巨人戦、7回を無失点に抑え3勝目を挙げます。もともと平良投手は巨人でプロ生活を始めたため、東京ドームはかつての本拠地。ただ、ここでは巨人時代も含め4度登板しながら、一度も勝ったことはありませんでした。5度目の登板でついに手にした勝利について、平良投手は素直に喜びを語りました。

 

【プロ野球 三嶋一輝投手】
 150キロ台のストレートと切れ味の鋭い変化球を武器にリリーフの柱として活躍する、横浜DeNAベイスターズ・三嶋投手。2021年は自己最多の23セーブを挙げ、抑えとしても活躍しましたが、昨年は思わぬ試練が襲いました。2月頃から左足がしびれるという、原因不明の違和感に悩まされながらシーズンに突入します。その後も改善することはなく、病院で検査を受けたところ、判明した病名は黄色じん帯骨化症。背骨付近にあるじん帯が骨のように硬くなり、神経を圧迫する病気で、手術を受けても完治の保証はなく、三嶋投手は選手生命の危機に直面しました。昨年8月、内視鏡を使った最先端の手術を受けた三嶋投手は、懸命にリハビリに取り組み、昨年暮れには投球を再開。今年2月、春季キャンプ中の練習試合で実戦登板を果たします。「ピッチャー・三嶋」のコールに、スタンドから大きな拍手が起こりました。
 今シーズンの開幕を一軍で迎えた三嶋投手。4月9日の中日戦は、本拠地・横浜スタジアムで、実に340日ぶりの凱旋登板となりました。33000人の観客に見守られながら1回を無失点に抑え、止むことのない拍手を浴びました。そして4月26日の東京ヤクルト戦。同点の7回表に登板した三嶋投手は、3三振を奪ってこの回を無失点に抑えると、その裏の攻撃で、戸柱恭孝選手が決勝3ランホームランを放ち、三嶋投手は昨年5月以来の嬉しい復帰後初勝利を挙げました。翌日の東京ヤクルト戦でも2日続けて白星が付き、29日の中日戦では逆転勝ちで、3勝目。4日間で3勝という珍しい記録を作り、DeNAの6連勝に貢献しました。

 

【プロ野球 福敬登投手】
 2015年のドラフト4位で中日ドラゴンズに入団したサウスポー・福投手。4年目の19年から3年連続で50試合以上に登板。20年には最優秀中継ぎ投手のタイトルも獲得し、貴重な左の中継ぎとしてチームに欠かせない存在となりました。ところが昨年の9月。左足にしびれを感じるようになり、ついには試合中に、左足がない感覚に襲われます。プレーができなくなり、病院を3箇所回って出た結果は、黄色じん帯骨化症でした。くしくも昨年は、横浜DeNAの三嶋一輝投手が同じ病気を発症。その三嶋投手が親身になって経験談やアドバイスを送り、励ましてくれたといいます。
 昨年10月に手術を受けた福投手。球団は回復を信じ、福投手の支配下登録を維持したまま契約を更改します。その恩に報いるべくリハビリに励んだ福投手は、今年の5月5日にバンテリンドームナゴヤで行われた巨人戦で、230日ぶりに一軍のマウンドへ復帰。1点を追う8回表に登板してこの回を無失点に抑えると、その裏に中日打線が一挙6点を奪って逆転し、福投手は勝利投手となったのです。それから3週間後の5月26日、バンテリンドームで行われた横浜DeNA戦で好投し、再びお立ち台に上がった福投手。インタビューを中断してお立ち台から降りると、レフトスタンドのDeNAファンに向かってこう挨拶しました。「三嶋選手のおかげで僕はここまで投げられるようになりました。本当にありがとうございました!」グラウンドでの勝負を超えたこのスピーチに、両チームのファンから惜しみない拍手が寄せられました。

  
来週のスポーツ伝説は……
6/26(月) ゴルフ 穴井詩選手
6/27(火) ゴルフ 岩井明愛選手
6/28(水) ゴルフ 吉本ひかる選手
6/29(木) 柔 道 角田夏実選手
6/30(金) 柔 道 阿部詩選手
              お楽しみに!!

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    パーソナリティ
    • 滝本沙奈
      滝本沙奈
      滝本沙奈

      滝本沙奈

      生年月日:1984年6月6日
      出身地:東京
      学歴:青山学院大学文学部英米文学科卒
      趣味:マリンスポーツ(ダイビング、サーフィン、釣り)
      資格:PADIオープンウォーターダイバー、おさかなマイスターアドバイザー

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