【フィギュアスケート 髙橋大輔選手】
5月1日、SNSで今シーズン限りで競技からの引退を発表した、フィギュアスケート・アイスダンスの髙橋選手。“かなだい”ペアと呼ばれた競技パートナーの村元哉中選手も一緒に引退を表明し、翌日2人で会見に臨みました。髙橋選手は10代から男子シングルの選手として活躍し、全日本選手権で通算5回優勝を果たして第一人者となります。国際舞台では、2010年のバンクーバーオリンピック・男子シングルで日本選手初のメダルとなる銅メダルを獲得。直後に行われた世界選手権の男子シングルでも、日本選手初の優勝という快挙を果たしました。
ヒザを痛めた影響もあって、14年のソチオリンピック後に一度現役引退。しかし不完全燃焼の思いは拭えず、18年にリンクへの復帰を決断します。そして村元選手の誘いを受け、19年にアイスダンスへの転向を発表。結成当初は、アイスダンス特有の相手に合わせる動きになかなか慣れず、ステップやリフトにも苦しんだ髙橋選手ですが、年齢を感じさせない豊富な練習量で技術を磨き、筋力トレーニングも欠かさず行うことで、30代にしてアイスダンサーとして急成長することができました。競技からは引退しますが、これからも村元選手と共に表現者として活動する高橋選手。“かなだいコンビ”の次のステージはもう始まっています。
【卓球 石川佳純選手】
5月18日、女子卓球界を牽引してきた石川選手が引退会見を開き、23年間の現役生活にピリオドを打ちました。7歳から競技を始め、14歳で日本代表入り。2012年のロンドンオリンピック女子団体で、日本卓球界初のオリンピックメダルとなる銀メダルを獲得した石川選手。その後も女子団体では、16年のリオ大会で銅メダル、21年の東京大会で銀メダルを獲得し、3大会連続メダルの偉業を達成しました。引退会見で石川選手は、忘れられない試合として、2つの試合を挙げました。1つは17年、吉村真晴選手とのペアで、初めて世界一に輝いた世界選手権・混合ダブルス決勝の台湾戦です。この試合、石川・吉村ペアは、台湾にゲームカウント1対3と後のない状況に追い込まれましたが、第5ゲーム以降、自慢のコンビネーションで反撃。3ゲーム連続で取り返し、大逆転で世界の頂点に立ちました。
もう1つは12年、ロンドンオリンピック・卓球女子団体の準決勝、シンガポール戦でした。勝てば日本卓球界初のオリンピックメダルが確定するこの試合。第1・第2試合のシングルス戦に、福原愛選手と石川選手が出場し連勝。第3試合のダブルス戦に勝てば日本の勝利が決まります。このダブルス戦は当初、それまでペアを組んできた石川選手と福原選手が出場する予定でしたが、試合の前日、石川選手は監督にペアの相手を平野早矢香選手に変更することを提案。試合当日、石川選手は平野選手と無人のコートで早朝から極秘練習を行いました。シンガポールは平野選手の登場に動揺。日本はストレートで勝って決勝進出を決め、最終的に銀メダルを獲得しました。
【ボクシング 村田諒太選手】
今年、現役引退を発表したボクシングの村田選手。村田選手が残した功績は、世界的に選手層が厚いとされるミドル級のアマ・プロ両方で偉業を達成したことです。最初に脚光を浴びたのは、アマチュア時代の2011年に出場した世界選手権でした。この大会で日本選手初の銀メダルを獲得すると、翌12年のロンドンオリンピックで日本勢48年ぶりとなる金メダルの快挙を成し遂げました。13年にはプロへの転向を表明し、世界的にもレベルの高いミドル級でデビューから12連勝。17年にはついに、プロでも世界チャンピオンに昇りつめます。ミドル級の日本人世界王者は、竹原慎二選手以来、22年ぶり2人目。アマ・プロ両方で世界の頂点に立ったのは日本人初の快挙でした。
18年4月、日本人で初めてミドル級世界王座の防衛にも成功した村田選手。しかし10月、アメリカのロブ・ブラント選手に敗れ、2度目の防衛に失敗します。一度は王座から陥落したものの、9ヵ月後の19年7月にブラント選手と再戦し、今度はTKO勝ちして世界王座に返り咲くという偉業も達成しました。そんな村田選手にとって最大のチャレンジとなったのが昨年4月、ミドル級の元3団体統一王者、カザフスタンのゲンナジー・ゴロフキン選手との王座統一戦です。世紀の一戦と呼ばれたこの試合、村田選手はロープを背負いながらも何度も打ち返し、息詰まる熱戦を演じます。しかし第9ラウンドに強烈な一撃をもらって崩れ落ち、村田選手はTKO負けを喫しました。今後はボクシング人生で得た知識や経験を生かし、社会や子どもたちに還元していきたいと宣言した村田選手。新たな人生の戦いが幕を開けました。
【バレーボール 石井優希選手】
強烈なスパイクが求められるアウトサイドヒッターとして、女子バレーボール界で活躍してきた石井選手。日本代表に初めて選出されたのは2011年、19歳の時。13年のワールドグランドチャンピオンズカップでは、日本の3大会ぶり3位に貢献しました。石井選手が注目を浴びたのは、リオオリンピック出場を懸けた世界最終予選です。控えから途中出場し、チームの流れを変えるアタッカーとして存在感を発揮。試合終盤の夜8時半頃に登場してチームを救うプレーを何度も見せたことから、”8時半の女”というニックネームがついたほどです。日本代表に欠かせない存在となった石井選手は、16年のリオオリンピックで5位入賞に貢献し、21年の東京オリンピックにも2大会連続出場を果たしました。
石井選手といえば、Vリーグの強豪・久光スプリングスでの活躍も忘れてはいけません。アウトサイドヒッターとして、攻撃だけでなく守備でもチームを盛り立てるオールラウンダーぶりを高く評価されてきました。その真骨頂といえたのが2017-18シーズン。石井選手は「レシーブ賞」を受賞します。相手のサーブにきっちり対応した証しで、2シーズンぶりの優勝に大きく貢献。MVPとベスト6にも選ばれました。今年3月にはVリーグ300試合出場という金字塔を打ち立てた石井選手。これを節目として4月に会見を開き、今シーズン限りでの引退を表明しました。現役ラストマッチとなった試合では、アタックで5得点を記録し、チーム最多となる19本のサーブレシーブに加え、ブロックポイントも決めるなど最後までオールラウンダーとして活躍。有終の美を飾りました。
【ラグビー グレイグ・レイドロー選手】
ラグビーの舵取り役とも言えるスクラムハーフのポジションで、世界屈指の存在と呼ばれてきたレイドロー選手。スコットランド代表としてデビューを果たしたのが2010年。以降10年間で、代表戦出場は76試合を重ね、そのうち39試合でキャプテンを務めました。これはスコットランド代表の歴代最多を誇ります。またワールドカップには、15年・19年と2大会連続で出場。15年大会では、南アフリカを破り悲願のグループステージ突破を目指す日本から、正確なキックで20得点を記録し、その夢を撃破。”日本の天敵”と呼ばれました。19年大会でも、スコットランドは日本とグループステージで再び対戦。今度は日本が勝って初のベスト8進出を決め、一方スコットランドは敗退が決定。レイドロー選手は試合後、「日本が素晴らしいチームだったことを認めないといけない」と相手を讃え話題になりました。
ワールドカップで日本と2度も死闘を演じたレイドロー選手は20年、NTTコミュニケーションズに入団。21年から日本でプレーし、正確無比なキックとリーダーシップで日本のラグビーファンを沸かせました。今シーズンは、NTTの後継チームとして誕生した浦安D-Rocksでプレー。リーグワン2部の全勝優勝に貢献します。そしてこの優勝を置き土産に、レイドロー選手は現役引退を発表。かつて“日本の天敵”と呼ばれた選手は、日本ラグビー界の発展に貢献してユニフォームを脱ぎました。
来週のスポーツ伝説は……
6/12(月) プロ野球 大竹耕太郎投手
6/13(火) プロ野球 細川成也選手
6/14(水) プロ野球 戸根千明投手
6/15(木) プロ野球 横川凱投手
6/16(金) プロ野球 宮内春輝投手
お楽しみに!!
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2025年3月17日~21日の放送内容
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2025年3月3日~7日の放送内容
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