【侍ジャパン 大谷翔平選手】
3大会ぶりのWBC優勝を果たした侍ジャパンの柱・大谷選手。
投げては2勝1セーブ。打っては大会最多タイの10安打をマークし、打率4割3分5厘。
投打二刀流の活躍で大会MVPに輝き、世界一の立役者になったのは記憶に新しい
ところです。大谷選手はプレーだけではなく、言葉でもチームを引っ張りました。
「自分の出せる100%を試合の中で出すことが、チームにとって一番大事」(チームに合流した際)
「まだまだ声援が足りないので、あしたはもっと大きい声援をお願いします!」(WBC開幕戦の中国戦で勝利投手となった後)
「憧れるのはやめましょう。憧れてしまったら超えられない。きょう一日だけは、彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう!」(前回王者・アメリカとの決勝戦を前に)
アメリカとの決勝戦、日本が1点リードして迎えた9回、マウンドに上がった大谷投手。2アウトまでこぎつけ、打席に立ったのはエンゼルスの同僚でもあるアメリカ代表キャプテン、マイク・トラウト選手でした。開幕前から日米のファンが待ち望んだ世紀の対決が、クライマックスで実現し最後は大谷投手がスライダーで空振り三振に仕留めゲームセット。世界一が決まった瞬間、グローブも帽子も投げ捨てた大谷投手は、喜びを爆発させました。
【侍ジャパン 吉田正尚選手】
一昨年の東京オリンピックでは、日本の金メダル獲得に貢献。オリックス・バファローズではチームを連覇に導き、昨シーズンは悲願の日本一を達成。その実績をひっさげ、メジャーリーグの名門ボストン・レッドソックスへ移籍した吉田選手。そんな大事なメジャー1年目だからこそ、誰もがWBC出場は難しいと考えました。侍ジャパンの栗山英樹監督も当初は招集に消極的だったところ、吉田選手が出場を直訴したのです。迎えたWBC本番。吉田選手は1次ラウンドの4試合、5番打者としてプレー。最大の山場・韓国戦では、逆転の2点タイムリーヒットを含む3安打5打点の大当たりで勝利の立役者となるなど、1次ラウンドでは合計8打点を挙げ、勝負強さを示しました。
1次ラウンドでの活躍と村上宗隆選手の不調もあって、準々決勝以降、吉田選手は侍ジャパンの4番を任されます。
その準々決勝・イタリア戦、吉田選手はまずはバットで日本に先制点をもたらすと、直後の守りではレフトフェンスギリギリで打球をキャッチ。さらに試合終盤には待望のホームランを放ち、貴重な追加点で試合を決定付けました。この試合以上に輝いたのが、準決勝のメキシコ戦です。3点を追う7回。ランナーを2人置いて打席に立つと、右手一本ですくい上げてライトポール際に運ぶ起死回生の同点3ラン。その後の逆転勝利を呼び込みました。終わってみれば打率4割9厘、大会歴代最多の13打点をマークし、吉田選手はベストナインに輝きました。
【侍ジャパン 村上宗隆選手】
昨シーズンは令和初・史上最年少の三冠王となった村上選手。その実績を買われ、侍ジャパンの4番に座り大きな期待を集めました。ところがいざ開幕すると、1次ラウンド4試合で打ったヒットはシングルの2本だけ。打率1割4分3厘と不振にあえぎます。準々決勝以降、打順は5番に下がりましたが、メキシコとの準決勝でも3打席連続三振に倒れるなど、苦悩する若き三冠王の姿がありました。
そして1点ビハインドで迎えた9回ウラ。先頭の大谷翔平選手がツーベース。続く4番、吉田正尚選手がフォアボールを選び、ノーアウト一塁・二塁と絶好のチャンスで、村上選手に打席が回ってきます。これまでの結果もふまえ、送りバントが頭をよぎったという村上選手でしたが、栗山英樹監督から出たサインはヒッティング。開き直った村上選手のバットから、ついに快音が生まれます。打球はセンターの頭上を越え、フェンスに直撃。ランナー2人が生還し、劇的な逆転サヨナラタイムリーとなりました。これで覚醒したのか、アメリカとの決勝では、1点を先制された直後の打席で超特大の同点ホームランを放ちます。この1本が、世界一を勝ち取る反撃のノロシとなったのです。
【侍ジャパン ラーズ・ヌートバー選手】
14年ぶりのWBC優勝に輝いた野球日本代表・侍ジャパンのメンバーの中で、ひたむきなプレーとパフォーマンスで日本のファンの心をわしづかみにしたヌートバー選手。セントルイス・カージナルスでは2年前メジャーに昇格したばかりで、日本人の母親・久美子さんの祖父の名前から、タツジというミドルネームを持っています。栗山監督の期待通りにすぐチームに溶け込んだヌートバー選手は、大会初戦の中国戦と2戦目の韓国戦で体を張ったスーパーキャッチを見せ、日本のファンの心をとらえました。打っては1番打者として、東京での5試合全てでヒットを記録。ヒットで出塁した際に、胡椒を挽くポーズをする「ペッパーミル・パフォーマンス」はチームに浸透し、すっかり人気者になりました。
負ければアメリカ行きがなくなる準々決勝のイタリア戦では、試合前の声出しで「カッコよく自分のプレーをして、勝って飛行機でパーティーしましょう!」とチームの士気を高め、アメリカ行きのチケットをつかみました。そしてアメリカとの決勝戦では、同点に追い付いた2回。ワンナウト満塁のチャンスでヌートバー選手はツーストライクと追い込まれながら、内角への厳しいボールに食らいつき、一塁方向へゴロを転がして三塁ランナーがホームイン。日本の世界一を引き寄せた価値ある一打となりました。
【侍ジャパン 佐々木朗希投手】
今年の3月11日、東京ドームで行われたWBC1次リーグ・チェコ戦に先発した佐々木投手。160キロを超えるストレートと落差の大きいフォークを織り交ぜ、4回途中まで投げ8奪三振。2安打1失点の好投で勝利投手となりました。試合が行われた3月11日は、東日本大震災の発生日。当時まだ9歳だった佐々木投手は、故郷の岩手県陸前高田市で被災し、津波で父親と祖父母を亡くしています。この特別な日に、佐々木投手は想いを籠めて登板しました。
佐々木投手のWBC2度目の登板は、舞台を憧れのアメリカに移した
準決勝のメキシコ戦でした。初回から飛ばしていった佐々木投手。64球中なんと28球が160キロ超えの剛速球を連発します。しかし4回、ツーアウト一・二塁のピンチを招くと、ウリアス選手に甘く入ったフォークをレフトスタンドへ運ばれ、3点を失い降板となりました。佐々木投手はマウンドを降りたあとも、逆転を信じてベンチの最前列に陣取り、声が枯れるまでチームメイトに声援を送り続けます。その思いが通じたのか、7回に吉田正尚選手が起死回生の同点スリーランを放つと、再びリードを許した9回には、村上宗隆選手が劇的な逆転サヨナラツーベース。全員でカバーし合い、世界一の栄冠をつかみ取った侍ジャパンを象徴する、ミラクルな勝利となりました。
来週のスポーツ伝説は……
5/8(月) 侍ジャパン 岡本和真選手
5/9(火) 侍ジャパン 近藤健介選手
5/10(水) 侍ジャパン 源田壮亮選手
5/11(木) 大 相 撲 霧馬山鐵雄関
5/12(金) 大 相 撲 金峰山晴樹関
お楽しみに!!
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