スポーツ伝説

2023.04.14

2023年4月10日~14日の放送内容

【NBA レブロン・ジェームズ選手】
 レギュラーシーズンが終わり、これからプレーオフの激闘が始まるNBAで今シーズン、ロサンゼルス・レイカーズのレブロン選手が偉大な金字塔を打ち立てました。記録が生まれたのは、2月7日のサンダー戦。この試合で38得点を挙げたレブロン選手は、通算得点が3万8390点に到達し、伝説のセンター、カリーム・アブドゥル・ジャバー選手が持っていた歴代通算最多得点記録を34年ぶりに塗り替えました。これまで、通算3万得点に到達したのは、レブロン選手を含めてたった7人だけ。その中でも、ジャバー選手しかたどり着けなかった3万8千点台の高みにレブロン選手も到達し、一気に抜き去って頂点に上り詰めたのです。“キング・ジェームズ”の異名をとるレブロン選手が、バスケットボールの歴史において、まさにキングの座をつかんだ瞬間でした。
 レブロン選手が今シーズン成し遂げた偉業は、これだけではありません。1月にはNBA全30チームから一試合40得点以上を挙げる史上初の偉業を達成。さらに通算アシスト数で歴代4位に到達と、プロ20年目でも衰え知らずです。レブロン選手がこれほど長期間にわたって最高のパフォーマンスを維持できる理由は、自分の体が一番の財産だと若い頃から認識していたから。今でもロッカールームに新人選手よりも先に来て、準備を大切にするのがレブロン流。通算最多得点を更新した日も、試合開始4時間前には会場に来て準備に時間をかけていました。ちなみに、これまで通算最多得点だったジャバー選手が引退したのは42歳の時。現在38歳のレブロン選手がどこまでこの記録を伸ばすのか、楽しみです。

   
【フィギュアスケート 島田麻央選手】
 今年3月にカナダで行われた、フィギュアスケートの世界ジュニア選手権。女子で圧巻の演技を見せ、世界を驚かせたのが島田選手です。前半のショートプログラムで首位に立った島田選手は、フリーでは冒頭からトリプルアクセル。続く4回転トーループは回転不足となりましたが、大技のジャンプを2本続けて決めると、後半でも3つのコンビネーションジャンプに成功し、島田選手は圧倒的な演技で大会初優勝。この時14歳4か月だった島田選手は、浅田真央さんの記録を1ヵ月更新する、日本女子選手史上最年少での世界ジュニア制覇となりました。
 昨シーズンは、ジュニアよりカテゴリーが下のノービス世代の選手ながら、飛び級で全日本ジュニア選手権を制した島田選手。これは1994年の荒川静香選手以来の快挙です。ジュニアに上がった今シーズンも、全日本ジュニア選手権連覇を達成。初めて挑む世界ジュニア選手権は優勝候補の筆頭と言われながら、メンタルの強さを見せつけました。3年後の冬季オリンピックは年齢制限の引き上げで出場資格がありませんが、2030年の冬季オリンピックまでにどんな選手へと成長するのか。これからの島田選手に注目です。

  
【フィギュアスケート 三浦佳生選手】
 この春に高校3年生になったばかりのフィギュアスケート男子・三浦選手。5歳からフィギュアを始め、2021年の全日本ジュニアで優勝。今シーズンはシニアの大会にも出場し、今年2月の四大陸選手権では、大会史上最年少の17歳8か月で優勝を飾りました。持ち味は、スピード感に溢れ、中継カメラが追い付かないほどの飛距離を跳ぶダイナミックなジャンプ。4回転ジャンプをふんだんに取り入れ、観客の目を釘付けにします。四大陸選手権優勝でシニアの国際大会で早くも頂点に立った三浦選手ですが、ジュニアで一つやり残したことがありました。世界ジュニア選手権で優勝することです。実は、昨年の大会直前に足を痛めた影響もあって、13位という不本意な成績に終わりました。
 そのリベンジを誓った、今年の世界ジュニア選手権。シニアの大会と違ってジュニアの大会では、ショートプログラムのジャンプが3回転までしか許されず、三浦選手が得意とする4回転ジャンプを跳ぶことはできません。ならばと、より完璧な演技を追求した三浦選手。あらゆるステップとスピンを、高いレベルでしっかりと決めていき、ショートを首位で通過。シニア王者ゆえのプレッシャーにも打ち克ってみせました。フリーでは安全策をとらず、4回転ジャンプを3本決める攻めの演技を見せ、2位に40点以上の大差をつけて世界ジュニア選手権初優勝。15年大会の宇野昌磨選手以来、6人目の日本人王者に輝きました。これでもはや思い残すことも無くなった三浦選手。目線は既に、シニアでの世界一に向いています。

 

【スノーボード 三木つばき選手】
 スノーボード界期待の新星・三木選手がスノーボードを始めたのは、4歳の時。元プロスノーボーダーだった父親の影響でした。才能はすぐに開花し、小学6年生で全日本ジュニア選手権・小学生の部で優勝。史上最年少11歳で、プロのアルペンスノーボーダーとなります。三木選手の実家は、雪がめったに降らない静岡県掛川市。そのハンディを克服すべく、オフシーズンは専属のトレーナーと二人三脚で体力強化に励み、冬場は長野県にホームステイをしてスノーボードの技術を磨きました。そんな努力の甲斐あって、2019年、史上最年少の15歳で全日本選手権初優勝を成し遂げます。さらに翌年には、世界ジュニア選手権の大回転と回転の2種目で準優勝と、三木選手は世界から注目される選手へと成長を遂げました。
 『掛川から世界へ』をキャッチフレーズに掲げ、スノーボードの国際大会に挑み始めた三木選手は、昨年18歳で北京冬季オリンピックに出場を果たします。2人の選手が左右に並んだコースを同時に滑ってタイムを競う女子パラレル大回転では、予選を31人中3位で突破。決勝トーナメントは1回戦で転倒し9位に終わりましたが、レース後にはすぐに前を向きました。その姿勢が、今年ついに花開きます。2月19日、ジョージアで開催されたスノーボードの世界選手権。パラレル大回転の予選を3位通過すると、その後も安定した滑りで決勝戦に進出。相手は北京オリンピック銀メダリスト、オーストリアのダニエラ・ウルビング選手でしたが、レース途中で転倒した相手に対し、最後まで滑りきった三木選手が勝利。金メダルを獲得しました。世界選手権のパラレル大回転で、日本選手が金メダルを獲得するのは、男女を通じて初めての快挙でした。三木選手が次に目指すのは3年後、冬季オリンピックでの金メダルです。

 

【スノーボード 長谷川帝勝選手】
 スノーボードのビッグエアは、急斜面を滑り降りて空中に飛び出し、エアと呼ばれる技の難易度や完成度などで競う種目です。長谷川選手はこのビッグエアで、いま世界でも指折りの存在となっています。スノーボードが趣味だった両親の影響で4歳から板に乗り始め、小学5年生の時、スノーボードに専念することを決意。中学卒業間際の2021年3月、世界ジュニア選手権のビッグエアで優勝を果たしました。そんな長谷川選手の武器は、横5回転、1800度回る超高難度のエア。中学3年生で4回転に成功したことでも驚異的でしたが、高校入学からわずか半年でさらに1回転を追加し、世界のトップボーダーの仲間入りを果たしたのです。
 5回転を武器に、昨年の北京オリンピック出場も狙えた長谷川選手でしたが、21年10月、練習中の転倒で左足首を骨折。そこから2ヵ月で競技に復帰したものの、オリンピック出場は叶いませんでした。悔しさをバネに、今年の長谷川選手は、世界の舞台で目覚ましい活躍を見せています。まずは、1月にオーストリアで開催された、ビッグエアのワールドカップ。日本勢が表彰台を独占したこの大会で、長谷川選手は初優勝を果たしました。続いて3月、ジョージアで開催されたスノーボード世界選手権のビッグエア。1回目から自慢の横5回転を見事に決めトップに立つと、2回目は別の5回転技を決めてみせ、世界選手権のこの種目では日本勢初となる金メダルを獲得しました。「スノーボードといえば長谷川帝勝」と言ってもらえる存在になるために、まずは、3年後の冬季オリンピックでの活躍を目指します。

 

来週のスポーツ伝説は……
4/17(月) プロ野球 1993年 野茂英雄投手
4/18(火) プロ野球 1999年 ダイエー初優勝
4/19(水) プロ野球 2005年 柴原洋選手
4/20(木) プロ野球 2011年 日本シリーズ
4/21(金) プロ野球 2012年 小久保裕紀選手・西勇輝投手
                       お楽しみに!!

最新番組ブログ
    パーソナリティ
    • 滝本沙奈
      滝本沙奈
      滝本沙奈

      滝本沙奈

      生年月日:1984年6月6日
      出身地:東京
      学歴:青山学院大学文学部英米文学科卒
      趣味:マリンスポーツ(ダイビング、サーフィン、釣り)
      資格:PADIオープンウォーターダイバー、おさかなマイスターアドバイザー

    • 過去の番組ホームページはこちら