スポーツ伝説

2022.10.07

2022年10月3日~7日の放送内容

【バドミントン 山口茜選手】

今年8月、初めて日本で開催された、バドミントンの世界選手権。女子シングルスの山口選手は世界選手権の女王として、連覇をかけて大会に臨みました。その期待に応え、2大会連続で決勝に進出した山口選手。優勝を懸けた相手は、東京オリンピックの金メダリスト・陳雨菲選手でした。山口選手は、立ち上がりから攻撃の手をゆるめず、第1ゲームを先取してプレッシャーをかけます。陳選手は第2ゲームを奪い返し、勝負は最終第3ゲームへ。山口選手は序盤で7連続ポイントを奪って突き放すと、その後も多彩なショットと粘り強いレシーブでポイントを重ね、ゲームカウント2対1で大会連覇を果たしました。世界選手権の女子シングルスで、日本人選手が連覇するのは史上初の快挙でした。
 普段は、熊本県を練習拠点にしている山口選手。その熊本に2020年、豪雨被害が襲います。山口選手はラケットをスコップに持ちかえ、泥運びなどのボランティアに参加し、その過程で地元住民達から「いつも応援してるよ」と何度も声をかけられ、逆に励まされたと言います。世界選手権連覇という大きな結果を残した山口選手は、興奮も醒めやらぬ中、翌週、大阪で開催された国際大会・ジャパンオープンに出場。こちらも優勝を果たし「2週連続国際大会優勝」という素晴らしい結果を残しました。
  

 
【バドミントン 松本麻佑・永原和可那ペア】

 身長170㎝、粘り強く強打を続けられる永原選手と、177㎝の高さに加えて器用さのある松本選手。海外勢にも負けない長身コンビである永原・松本のナガマツペアが世界を驚かせたのは、2018年、初出場の世界選手権で金メダルに輝いた時です。高さを生かした攻撃的なバドミントンで一気に世界の頂点に立つと、翌年の世界選手権では、福島由紀選手・廣田彩花選手ペアとの日本人対決を制し連覇を達成。世界選手権での大会連覇は、日本勢では史上初の快挙でした。
 しかし、世界のライバルたちから研究され、メダルが期待された東京オリンピックでは準々決勝でまさかの敗退。その後、永原選手のケガもあって、実戦から離れたナガマツペア。復帰戦となったのが、昨年12月の世界選手権です。結果的に3連覇こそ逃しましたが、銅メダルを獲得。粘り強く戦って、3大会連続でメダルを獲得しました。今年の世界選手権は準決勝で敗れ、最終的には銅メダルに終わりましたが、世界選手権で4大会連続メダルを獲得したのは日本勢では初の快挙。通算4つのメダルも日本勢最多と、節目のメダルとなりました。

     
 
【バドミントン 渡辺勇大・東野有紗ペア】

 同じ中学の先輩、後輩としてペアを組んでから、今年で結成11年目を迎えたバドミントン混合ダブルス、渡辺選手と東野選手の、通称“ワタガシ”ペア。2人の武器は、渡辺選手が繰り出す変幻自在のドロップと、東野選手のジャンピングスマッシュ。この攻撃力を武器に、昨年の東京オリンピックでは日本混合ダブルス史上初の銅メダルという快挙を成し遂げました。メダルの色をさらに輝かせるため、2人が取り組んだのはレシーブの強化です。その成果が現れたのは、今年3月の全英オープン決勝でした。相手は、東京オリンピックでワタガシペアを破って決勝に進出し、金メダルを獲得した中国ペア。ワタガシペアは、目指してきたレシーブから相手を崩すバドミントンで対抗。ストレート勝ちで2年連続3度目の優勝を飾りました。
 次の目標は、まだ一度も優勝できていない、世界選手権で結果を出すこと。前々回が銅メダル、前回が銀メダルと着実にステップアップしているだけに、残すは金メダルだけ。東京で開催された晴れの舞台でワタガシペアは躍動します。初戦から準決勝まで全部ストレート勝ち。準決勝はも快勝しましたが、決勝は過去2勝10敗と苦手な中国ペアとの対戦となり、悔しいストレート負けを喫しました。とはいえ、世界選手権では3大会連続でメダルを獲得。しかもオリンピックよりひとつ順位を上げて銀メダルと、ワタガシペアの進化は止まりません。

  
【プロ野球 コディ・ポンセ投手】

 昨年の暮れ、メジャーリーグのピッツバーグ・パイレーツから北海道日本ハムファイターズにやって来た新外国人・ポンセ投手。身長198㎝、150キロ台の速球を投げる、現在28歳の右腕投手です。ポンセ投手は、先発ピッチャーとして4月に日本球界デビューを果たすと、7月13日の東北楽天戦で、味方の援護がない中、粘り強いピッチングで7回を1失点に抑え降板。その直後に木村文紀選手が逆転スリーランを放ち、ポンセ投手に来日初勝利が転がり込みました。
 チームが8連敗中の8月27日、福岡ソフトバンク戦に先発したポンセ投手。この日は150キロを超すストレートが力強く決まり、変化球のキレも抜群で、ソフトバンクの強力打線を面白いように手玉に取っていきました。一方、打線は初回、木村選手がこの試合でもタイムリーを放って先制。2回には万波中正選手がソロホームランを放って援護します。味方のファインプレーにも助けられ、9回、ノーヒットノーランまでいよいよあと3人に迫ります。9回、ポンセ投手はワンナウト一塁の場面で今宮健太選手をダブルプレーに打ち取り、ゲームセット。今シーズン5人目、日本ハムにとっては27年ぶり、北海道に移転してからは初めてのノーヒットノーランは、チームの連敗も止める偉大な記録でした。

【プロ野球 山﨑康晃投手】

 プロ1年目の2015年、当時の指揮官・中畑清監督から横浜DeNAベイスターズのクローザーを託された山﨑投手。いきなり新人最多セーブ記録となる37セーブをマーク。18年19年と2年連続で最多セーブのタイトルを獲得し、5年間で通算163セーブに達しました。ところが20年は不振に陥って守護神の座を奪われ6セーブ。昨年は、わずか1セーブに終わります。そんな山﨑投手、三浦大輔監督からアドバイスを受け、減量に取り組んだ結果、ボールの力やキレを取り戻すことができたのです。迎えた8年目の今シーズン。三浦監督から直々に守護神復帰を告げられた山﨑投手。この座は絶対に渡さないと決意して開幕に臨みました。
 3月27日、今シーズン初登板の広島戦でいきなりリリーフに失敗しますが、 その後は安定感を取り戻し、前半戦は33試合に投げて20セーブを挙げ、 負け投手になった試合はわずか2つ。守護神復活をアピールします。6月29日、横浜スタジアムで行われた阪神戦で、今シーズン初めてお立ち台に上がった山﨑投手。ファンの声援を聞いて、目には光るものがありました。山﨑投手は後半戦もセーブを積み重ね、8月24日の阪神戦で3年ぶりのシーズン30セーブ到達。プロ野球史上8人目の通算200セーブも達成しました。29歳10カ月での200セーブ達成は、ベイスターズの先輩・大魔神こと佐々木主浩投手の30歳6カ月を抜く史上最年少記録となりました。

来週のスポーツ伝説は……

10/10(月) 高校野球 浅野翔吾選手
10/11(火) 高校野球 山田陽翔選手  
10/12(水) 高校野球 松尾汐恩選手
10/13(木) 高校野球 矢澤宏太選手
10/14(金) 高校野球 蛭間拓哉選手

お楽しみに!!

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    パーソナリティ
    • 滝本沙奈
      滝本沙奈
      滝本沙奈

      滝本沙奈

      生年月日:1984年6月6日
      出身地:東京
      学歴:青山学院大学文学部英米文学科卒
      趣味:マリンスポーツ(ダイビング、サーフィン、釣り)
      資格:PADIオープンウォーターダイバー、おさかなマイスターアドバイザー

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