若狹芳生さん(視覚障害1種2級)の募金活動のご紹介

神奈川県鎌倉市在住の若狹芳生さん(視覚障害1種2級)は、ラジオ・チャリティ・ミュージックソンの募金活動の協力を行っています。視覚障害を持ちながら、募金協力を行うきっかけをお聞きしました。


現在73歳ですが、視覚障害が発覚したのは40歳の時です。船の免許取得の視野検査にてわかりました。医師によると、緑内障のため、視野が狭くなってきて、30歳くらいから発症していたのではないか、という話でした。視野が狭くなる症状は、徐々に進行し、60歳くらいで視野が半分くらいになり、現在は95%まで見えない状態になっています。白杖、点字ブロック、音の出る信号機は、必要なものになっています。

視覚障害者用の白杖が必要と感じたのは、2011年の東日本大震災のとき。在住している神奈川県鎌倉市で、信号機が10日あまり停電し、その時に白杖を携行するようになりました。その信号機が停電する出来事で、音の出る信号機に関心を持つようになりました。

視覚障害者として、国や自治体の予算に頼るばかりではなく、自分から何かできないか、と考えていました。募金活動の一つとして、今年の熊本地震で、熊本に募金をするために、ボランティアの方と7名で行きました。新幹線を使わず、青春18きっぷを使い、新幹線代との差額7人分を募金しました。

今回の「ラジオ・チャリティ・ミュージックソン」に関しては、募金箱を、障害者団体と健常者の団体の会合の場に持参して、募金をお願いしています。また、自著の書籍の売上も、募金にする予定です。


現在、目の不自由な方の中には、この若狭さんのように、若い頃は普通に目が見えていて、社会生活を行っている中で、病気により視覚を失っていく方がたくさんいらっしゃいます。
生まれつき、即ち、先天的失明者に対して、こうした方を「中途失明者」と言います。
視力が完全になくなってしまうケースもあれば、光は感じることが出来たり、また、視野の一部分だけが見えない、という視野欠損という症状をお持ちの方もいます。
中途失明の方々は、目が見えていた時に世の中がどうなっているか、ものの形がどうなっているかといった視覚情報の体験があり、また、文字に対する理解があるので、普通に会話をしていても、ものの喩えや説明が違和感無かったり、お名前や住所の漢字がどういう文字かを晴眼者と同じように例える(例えば、若狭さんも「『若狭湾』の若狭です、『芳しい』の「芳」ですのように)ことができたりする反面、点字を覚えるのが一苦労だと仰る方が多くいらっしゃいます。
また、弱視や中途失明の方は、気苦労をしたくないとか、恥ずかしい、という理由で白杖を持たずに街を歩いている方も多いと聞きます。
「ラジオ・チャリティ・ミュージックソン」の番組の中では、こうした中途失明者の実情についても取り上げていく予定です。
今、目の不自由なく生活している方も、病気や事故などで、誰もが、いつ、視力を失うかわかりません。
今、中途失明ということに対する理解を深めておけば、あなたが視力を失ってしまうリスクを減らすことが出来るかもしれません。また、街の中にたくさんいらっしゃるであろう、“視力に不自由のある方”に対するお手伝いやケアが出来るかもしれません。
今、こうした視覚障害や、そうした方の生活を知って理解を深めておくことは、決してあなたにとって他人事ではないはずです。

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