【上柳昌彦アナレポート・中途失明からの職場復帰】連絡先に関しまして

「第42回ラジオ・チャリティ・ミュージックソン」で、2016年12月25日(日)午前5時20分放送の「中途失明からの職場復帰について」【レポート上柳昌彦アナ】で紹介した連絡先です。

●社会福祉法人「日本盲人会連合会」
電話03-3200-0011
土日祝日を除く10時~16時

●認定NPO法人タートル
電話03-3351-3208
土日祝日を除く10時~20時

レポートはradikoタイムフリーでお聴きいただけます。レポート内容は「上柳昌彦ラジオの人」に掲載されています。こちらにも再録します。


先日、視覚障害者から様々な相談を受ける社会福祉法人「日本盲人連合」総合相談室室長の工藤正一さんにお話を伺う機会がありました。工藤さんは途中失明の方々に、職場復帰や新たな仕事に就けるようにアドバイスしサポートをする認定NPO法人「タートル」の副理事でもあります。そして工藤さん自身も1981年、結婚してお子さんが3人という働き盛りの32歳の時にベーチェット病という原因不明の難病に罹り38歳で完全に失明するという経験をしています。

当時の労働省に勤めていた工藤さんですが、見える時と見えない時の波を繰り返しながらも徐々に視力が失われてゆくこの頃が一番つらかったと言います。しかしその一方で拡大鏡などを駆使し書類や新聞を読み、また独学で点字も習得しながら労働省に勤め続けることで視覚障害者の就労を支援する仕事ができないかとも考えます。完全失明した38歳で千葉の盲学校に入学し、歩行訓練や点字、そのころに開発された音声ワープロの操作、さらには鍼灸マッサージの資格も習得します。その後、所沢の国立職業リハビリテーションセンターで視覚障害者向けのワード、エクセル、パワーポイントなどのIT技術を一年間かけて習得します。そして42歳の時に労働省に完全復帰を果たし障害者のための雇用対策や調査研究、ハローワークの窓口での相談などを経て2014年に退職し現職に至っています。

とここまで読むと、工藤さんは超人的に前向きな視覚障害者で、また公務員という恵まれた立場にいるからこそ職場に復帰できたと考えてしまう人も多いと思います。しかし当時と異なり、現在では障害のある方々を差別することなく雇用し働きやすい環境作りを進める「改定障害者雇用促進法」などの後押しもあり、状況は大きく変わってきているようです。だからこそ工藤さんは病状が進行しつつあるときにこそ、完全失明後の生活に備えることの大切さを訴えます。もちろん視覚が失われてしまうという現実を受け入れることが出来ずにうつ状態になってしまったり、職業訓練などの受け入れ態勢の存在を知ることなく不安な中で悶々と数年を過ごしてしまう人も大勢いることも事実です。

そこで工藤さんは自身の経験を生かし、眼科医とも連携をし見えなくなってしまう前に出来る限り準備をすることの大切さを説き、ITの技術習得や通勤のための歩行訓練をしながら勤務を続け、完全失明後にも仕事が続けられるような環境作りのための活動を続けています。
もちろんそれには本人の前向きな姿勢と、受け入れる側の会社の理解も必要です。技術の習得が出来る地域はどうしても首都圏に偏っているという現実もあります。場合によっては研修施設に移り住むことも必要になりますが、これらの支援機関はすべて国の福祉政策の予算で賄われています。視覚障害者を受け入れている会社の規模も大企業から中小企業まで幅広く、助成金を受けながら視覚障害者が働きやすい環境作りに乗り出しているところも多々あるそうです。勤務表の作成から企画書の作成など総務、人事、経理、企画開発など様々な仕事に復帰して仕事を続けている方々の経験談を聴くことで、決して一人ではないのだということを知って欲しいと工藤さんは訴えます。

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