日本点字図書館で「声の図書」の制作や点字に触れてみよう

目の不自由な方々も晴眼者と同様に本を楽しめるよう、毎年ラジオ・チャリティ・ミュージックソンで集まった募金の一部は、いわゆる「声の図書」の制作のために日本点字図書館に寄付されています。
この「声の図書」は『DAISY(デイジー)図書』と言う、カセットテープに代わるデジタル図書の国際的な標準規格となっており、このDAISYはDigital Accessible Information System の略です。
このデイジー図書の特徴としては目次から読みたい章や節、任意のページに飛ぶことができ、専用の機械や専用ソフトをインストールしたパソコンで再生可能で、CD-ROMによって貸し出されています。

日本点字図書館にあるこのデイジー図書の多くは、人が実際に本を朗読したものですが、館内に録音スタジオや専用設備を設けて、ボランティアによる録音、制作を行っています。
このデイジー図書を制作するには大変な時間がかかります。1冊の本を何人もの人が代わる代わる朗読するわけにはいきません。一人が1冊の本を朗読していくのですが、実際に借りて楽しむ方が章や段落、ページに飛べるよう、朗読しながらそうした区切りも記録していく必要があり、読み間違いがあれば録り直し、の連続だそうです。

点字図書館ですから、もちろん、点字図書の貸し出しも行っていますが、このデイジー図書の整備、制作が増えているとのことで、こうした事業にミュージックソンに寄せられた募金が役立っています。

また、この日本点字図書館では点字や声の図書の制作、貸出しをするだけでなく、点字への翻訳や点字制作物や点字サインの制作、目の不自由な方のためのさまざまな用具の販売、点字教室なども開催しています。
また、現在、目の不自由な方には、先天的なものではなく、病気や事故などで中途失明をされた方が多くいらっしゃいます。そうした方々の生活上の不便や問題を伺う相談やアドバイスなども行っています。

こうした、日本点字図書館のサービスや資料を実際に見て、体験することができる「日本点字図書館オープンオフィス」がこの週末11/12(土)、13(日)に行われます。
声の図書の制作の様子や朗読体験、見えない・見えにくいってどういうことかがわかる白杖歩行体験なども行われます。アイマスクや特殊なゴーグルを使って見えにくさ体験をしたり、白杖を使って歩いてみて、目が不自由な方が外を出歩くことがどういうことか、体験してみませんか?盲導犬との歩行体験もあります。
入場自由で無料となっています。

日本点字図書館 オープンオフィス
2016年11月12日(土)10:00~17:00
11月13日(日)10:00~16:00

〒169‐8586 東京都新宿区高田馬場1‐23‐4
JR山手線・西武新宿線・東京メトロ東西線 高田馬場駅下車徒歩

http://www.nittento.or.jp/index.html

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