2月12日のゲストは、一般社団法人「がんと働く応援団」共同代表理事の吉田ゆりさんでした。

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【スタッフMの番組報告】

いま、昭和のおじさんが令和にタイムスリップしちゃう金曜ドラマに、毎週ハマってしまっておりまして・・・(笑)。宮藤官九郎さんの脚本なので、それはそれはよくできた掛け合いと描写なのはもちろんなのですが、なんといっても毎回毎回、昭和ド直球な私のような世代にはたまらない、懐かしい×100くらいの当時の流行りものや
言葉が飛び交うのが、お腹がよじれるほど笑ってしまいます。昭和世代の方ぜひ一度見てみてください…。

で、その中で昭和と令和の価値観で大きく変わったことのひとつに、「働き方」がありました。
たしかに、もしかしたらこの四半世紀で一番大きくかわったことかもしれませんよね。
ここで言う「働き方」は、非正規雇用が4割を超える現代日本だからこそ、できた価値観や仕組みかもしれません。サービス残業、休日出勤はもってのほか、産休、育休、男性の育休も広く認められた時代に対してたくさんの
意見があるかとは思いますが、いいか悪いかを議論するより、この進んだ環境で自分らしい生き方を見つけていく
ことが大切ではないかな、と、えらそうに少し思ってみました(笑)

さてさて、しかしそんな働き方が見直された令和の日本でも、まだまだ働きづらい環境が残っていることがあるんです。社員が、がんなどの大病を患った後の仕事の両立、という面です。
今回はそういったサポート活動をしている、一般社団法人「がんと働く応援団」共同代表理事の吉田ゆりさんをゲストにお迎えしました。

右:一般社団法人「がんと働く応援団」共同代表理事の吉田ゆりさん

吉田さんご自身も、初期の卵巣がんを見つけて緊急手術をされた経験から、仕事・育児・治療の両立が難しい今の
日本社会に憤りを感じて、自ら団体を立ち上げたんだそうです。まだお子さんが3歳と1歳の時だったと言いますから、相当なご苦労があったかと思います。それでも吉田さんは、「そっか、私なら患者さんの気持ちも企業側の気持ち(吉田さんは人事で働いていたので)もわかる!」とすぐ行動にうつしたんですから、本当にすごい!

がんがわかってすぐの、冷静な判断ができない時期を「がんショック」期と呼ぶそうです。そのときにサポートしてあげる人がいるかいないかで、患者さんの心のありようは大きく変わるとか。私も身内をがんで亡くしているので、がんになった人が、≪否認→怒り→取り引き→抑うつ→受容≫という5つの感情的段階を経ていくというのを聞いたことがあります。
がんショックの時期はこの前半の、認めたくなくて、なんで自分がとやるせない気持ちになって・・・ということなんですよね。

社員ががんであるという相談を受けた時、会社は「大変だ、いつから休む?」のような言葉を良かれと思ってしてしまいがちです。でも、吉田さんもおっしゃていましたが、医療の進んだ現在は、治療の選択肢も増えて、通院しながら治療をすることは可能です。可能とわかっていても、いざ目の前の社員さんが病気になってしまった時、受け入れる会社はなかなか、その人の病気を治したい気持ちには寄り添えても、働きたい気持ちには寄り添ってあげれていないのかもしれませんね…。

「がんと働く応援団」では、企業向けに「がん防災」というマニュアルをつくって、がんの正しい知識と心構えを
周知する研修も行っているそうです。

日本でがんにかかる人は年間100万人。仕事と治療を両立している人は45万人もいる時代。
がんでできなくなったことを数えるよりも、がんになってもまだできる、これをやってみたい、という気持ちを
周囲も持ち合わせていないとダメなんだな、と、吉田さんのお話を聞いてつくづく感じました。

SNSやネットの情報があふれ過ぎている時代に、他人の目はとても気になってしまうかもしれません。
こういう時代だからこそ、人が人を想う気持ちが、絶対に必要ですね…。

一般社団法人「がんと働く応援団」についてくわしくは
https://www.gh-ouendan.com/

次回の放送もお楽しみに!