3月13日のゲストは、「みんなで就学活動」代表の高橋真(ちか)さんでした

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【スタッフMの番組報告】

3月も半ばになってくると、年度末から新年度に向けて、学生も社会人も出会いや別れ、新たなスタート準備ですよね・・・。今年は例年以上の花粉症との戦いもありますね・・・涙。

子どもを持つ親御さんが一番大変な新年度といえば、幼稚園や小学校の入園・入学でしょうか。なぜならば、たくさんの名前記入、裁縫などに追われるからです!!!世のお父さんお母さん、本当にお疲れ様です!

とくに小学校入学は、初めて一応、義務教育の門をくぐるわけで、勉強についていけるだろうか、お友達と仲良くやっていけるだろうか、など親の悩みはつきないものですよね。

今回の「阿部亮のNGO世界一周!」のゲストは、そんな就学活動に関わる役立つ情報を提供し、悩みを持つ親御さんに向けたワークショップを開催している団体「みんなで就学活動」の代表 高橋真(ちか)さんをお迎えしました。

右:「みんなで就学活動」代表 高橋真(ちか)さん

「就職活動」という言葉には聞き馴染みがありますが、「就学活動」という言葉は、私も始めて知りました。
髙橋さんによりますと、お子さんが小学校に入学するタイミングで、どんな学校に通うか、さまざまな立場の人たちに相談し、決定するまでのことを「就学活動」と呼ぶそうです。

とくに、病気や障害などがあり、支援が必要なお子さんを持つ保護者の方は、この就学活動において、たくさん悩みを抱えていると思います。そんなとき、サポートしてくれる団体が、高橋さん率いる「みんなで就学活動」なのです。

髙橋さんご自身も、障害のあるお子さんを育てられてきた中で、お子さんが小学校に上がるタイミングで経験した多くのジレンマや憤りなどを、なんとか障害の有無に関わらず、その人らしくいきいきと過ごせる学びの環境を探せるお手伝いをしたいと、「みんなで就学活動」を立ち上げたそうです。

髙橋さんは子供時代、大阪で過ごしたそうですが、いま、東京で子どもを育ててみて、東京には支援学級が全体の4分の1しかないことに愕然としたとおっしゃっていました。私も神奈川県在住ですが、たしかに息子の学校には支援級がありましたが、となりの学校にはなかった記憶があります。まさかそんなに少ないとは驚きでしが・・・。

放送でも高橋さんがわかりやすく教えてくださいましたが、今一度ここで整理しますと、病気や障害のあるお子さんの就学先は、現在、4つの選択肢があるそうです。
①通常級・・・障害の有無に関わらず、みなともに学び育つ環境
②通級・・・通常級に在籍しながら、必要な支援に応じて一部の授業は違う教室でうけるというもの
③支援級・・・一般の学校の中に設置された支援が必要なお子さんのためのクラス
④特別支援学校・・・支援の必要なお子さんのための学校。学習面、生活面の対する支援や教育を行う

どうでしょうか、みなさんはこれだけの選択肢ご存知でしたか?私は息子が小学生時代にこうした学級を見てきましたので認識はしていましたが、高橋さんの説明を聞いて、こうした分かれ方、そしてその選択を保護者が自分で判断していく難しさを改めて知りました。

支援が必要なお子さんを持つ保護者が、小学校入学にまつわる選択・相談・学校や自治体との調整を行う活動全般を「就学活動」と名付け、高橋さんたちはそうした保護者の方々をサポートしているのです。

髙橋さんご自身が障害のある娘さんの小学校入学に際して、感じた就学活動のむずかしさから、こうしたことをもっと多くの人に広く知ってもらいたいと大学院での研究テーマにもなさったと聞いて、高橋さんの母としての強さと、行動力に圧倒されてしまいました。すごい方です!

障害のある、と一言で語ってしまうには、子どもの個性や可能性は無限大です。
しかも子どもたちにとって、小学校というのは初めての「子ども社会」デビューのようなものです。ここを、それぞれの個性にあった場所を選んでいくことは、子どもの将来にとって大切な選択だと思います。そして、まだ6歳の子どもにその判断ができない以上、親の責任は重大ですよね。

髙橋さんの言葉ひとつひとつに、説得力と温かさがあるのは、親としてその責務をしっかり果たしてきたからこそのものなんだな、とお話を聴いて感じました。

「家族と子どもの意思決定サポートシート」、「学校比較シート」こうしたアイデアも、実体験から出来上がっているきめ細かさが伝わってきました。

この学校にはいい先生がいる、ということよりも、給食はどうやって食べるのか、朝の会は一緒かなどの情報を学校ごとに比較していくほうが、どういう学校に子どもを通わせるか決めるには大切なことなんですよね・・・。

育児の悩みは、家庭の数あるものだと思います。何を大切に子どもを育てていきたいか、親としてはずーっと模索しながら、あーでもない、こーでもないを繰り返し、子も親も成長していくものなのかもしれません。
多様性というものの大切さが見直されている今だからこそ、障害のあるお子さんやそのご家族だけが悩み苦しむのではなく、そうしたお子さんと共に生きるすべての人たちが理解と包容力を持って生きていく力が求められているのでしょうね。

髙橋さんもおっしゃっていた「インクルーシブな社会」の実現。日本は世界の中では遅れをとっているのかもしれません。【みんなちがって、みんないい】この金子みすゞさんの有名な詩の意味を、高橋さんの言葉の数々から
今一度考えなおす機会となりました。

みなさんはいかがだったでしょうか・・・。

「みんなで就学活動」の取り組みについて詳しく知りたい方は、公式ホームページをご覧ください。

https://minnade-shugaku.studio.site/

次回の放送もお楽しみに!