11月21日のゲストは認定NPO法人「プール・ボランティア」理事長の岡崎寛さんと事務局長の織田智子さんでした

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【スタッフMの番組報告】

11月も終盤、秋が駆け足で通り過ぎ、もうクリスマスのカウントダウンですね・・・。
〇〇の秋・・・、とよく言いますが、みなさんは何にはまった秋でしたか?

私は毎年毎年なんですが、お芋好きなもので、さまざまな芋にはまる秋でした・・・。
もっと秋が長く続けばいいのに、とも毎年思っております(笑)

そんな食の話もいいですが、スポーツの秋!という方も多いですよね!

ランニング、ジムでトレーニング、山登りなど日々いろいろなことにチャレンジしている方にとっては、馴染み深い
のが「水泳」ではないでしょうか。

今回の「阿部亮のNGO世界一周!」は、そんな国民スポーツ的に身近になった水泳を、健常者だけでなく、障害のある方も楽しめる社会の実現を目指して、活動している団体をご紹介しました。

それが、大阪を拠点に活動する、認定NPO法人「プール・ボランティア」です。
理事長の岡崎寛さんと事務局長の織田智子さんに、スタジオにお越しいただいたのですが、スタジオに入るなり
何やらゴソゴソ準備を・・・。
一体何事かと思っていたら・・・

左:認定NPO法人「プールボランティア」岡崎寛理事長と織田智子事務局長



こんなかんじに、スイミングキャップとゴーグルをつけての、収録でした!(2時間の収録中ずっとつけていてくださいました。プール愛を感じます!)

認定NPO法人「プール・ボランティア」は、大阪を拠点に1999年から、障害者の方や高齢者の方に、「泳げる
ボランティア」がマンツーマンで寄り添い、水泳を楽しんでもらう活動をしているんです。

1999年というと、世の中はまだ今ほど、バリアフリーな時代ではなかったので、岡崎さん、織田さんも相当苦労されたようです。

バリアフリーの施設、スロープ付きのプール、そうした素晴らしい環境でも、プール側は「障害者は障害者用のプールに行かれたらどうですかー」という対応だったそうです。

それでも岡崎さん、織田さんがこだわったのは、≪地域の障害者を地域のプールで地域のボランティアでサポートする!≫という、まさに共生ならぬ共泳だったんですねー。その芯の強さと心の大きさ、温かさ、収録が始まってすぐに、夫婦漫才のような掛け合いも含めて(笑)虜になってしまいました。

実は、我が家の高3の息子も0歳から水泳をやっていて、大学まで競泳をやる予定で・・・。
息子が幼いころから通っているスイミングクラブも、バリアフリーな環境になってはいますが、なかなか障害のある方が利用しているのは見かけたことがないな・・・と思い返していました。

冒頭でも触れましたが、近年の健康志向ブームで、スポーツジムやプールなどの施設はものすごく増えてきましたよね。それだけ、水泳というスポーツも身近になって、なにより水着とキャップ、ゴーグルさえあれば、ほかのスポーツのような特別な道具やウェアーは必要ないという手軽さが、人気の要因なんだと思います。

身近にこんなにたくさんプールがあるのに、障害者の方が利用しづらい世の中ではダメですよね・・・。

もちろんこれは、織田さんや岡崎さんのような、「泳げるボランティア」の方々がいるからこそ成立する話だとは思います。だからこそ、今回2週に渡ってプールボランティアの活動をご紹介して、みなさんに是非認知していただきたいです!(障害があっても何かスポーツをやってみたい、水泳に興味はあるけれど身体に障害があって勇気がでない、そんな方が周りにいたら、是非教えてあげてください!)

岡崎さんもおっしゃっていましたが、水の中の無重力感、開放感は、障害のある方にとっては、陸上での不自由さとは別世界に行けるような感覚で、プールにはまっていく障害者の方は多いんだとか・・・。

しかも、プールボランティアでは水泳経験のあるボランティアさんが多いので、レッスン内容も水慣れから始まって、最終的には25M泳げるところまで導いてくれると言いますから、ボランティアのみなさんの尽力もすごいですよね。

障害のある方にとって、日常生活の中で不自由に感じることは、山ほどあると思います。それが水の中で「気持ちいい」と思いながらのびのびできる時間は、なにものにもかえがたく、何よりそのことを一番に理解して、明るく楽しく、みなさんと接している岡崎さん、織田さんの生き方が、障害のある方々の生きる希望になっていることもよくわかりました。

220人登録があるボランティアさんも、コロナの影響などでだいぶ減って今は70人ほどが活動しているそうです。1時間半のレッスンで、週1回利用の人の月会費は19000円。しかも障害者の方にマンツーマンでのレッスンですから、決して高くないのではないでしょうか・・・。

また、岡崎さん、織田さんの優しさを感じたのは、プール・ボランティアでは、通常は健常者の方の利用はできないところを、障害者の兄妹児の受け入れだけは特別にしているというお話の時でした。
ヤングケアラーのお子さんたちも、日頃、たくさんの我慢を強いられているので、プールに来たら思いっきり甘えさせてあげる、という信念でいつも応援しているという、お二人の思いに心が温かくなりました。

先日のゲスト、「シャイン・オン・キッズ」の森田さんもおっしゃっていましたが、親御さんはお子さんが病気や障害を抱えていると、どうしても自分のせいだ、とご自身を責めて、内にこもりがちなものです。
このプール・ボランティアの明るいコミュニティに参加することで、障害児の親の方のコミュニティも広がっていくのでしょうね。岡崎さん、織田さんの20年以上の努力の賜物です。

こうやって22年、障害のある方もプールを楽しめる社会の実現を目指して活動してきた「プールボランティア」。今では、8人の青年がマスターズの大会で完泳できるまでになったと言いますから、驚愕です!
これは障害者の大会ではなく、一般のマスターズ大会で、です!素晴らしいですよね!
(ちなみにこの模様はYouTubeでもご覧いただけます。≪プール・ボランティア マスターズ≫で、検索してみてください!)

トップスイマーも利用する大阪の水泳の聖地、ラクタブドームで泳いだ経験は一生の宝物になったことでしょう!

まだまだ続くプール・ボランティアの挑戦の数々・・・。次回の放送では、障害者の方が使う商品の開発などについても伺います。
キーワードは「サンダーバード」、「ウキウキくん」です・・・!さて一体どんな商品なのでしょう(笑)

太陽のような岡崎さん、織田さんの明るさが、障害者と健常者が本当に理解しあって共存していくことの大切さを教えてくれます。

次回の放送も是非お楽しみに!


【番組からのお知らせ】

12月18日(日)19時~20時、「阿部亮のNGO世界一周!In宮古島~人の思いがつなぐ島」を放送します。
宮古ブルーと呼ばれる日本髄一の綺麗な海を誇る沖縄県・宮古島。近年は観光客だけでなく、移住者の数も増えているのをご存知でしょうか。今回は阿部さんが宮古島に行き、歴史深い宮古島の地元の方の声や、移住してさまざまな活動をする方の声をお届けします。立場は違えど、みなさんに共通する≪宮古島愛≫。それぞれの人の思いが
どうつながっているのか、宮古島の「今」に迫ります。お楽しみにー!