11月7日のゲストは、認定NPO法人「シャイン・オン・キッズ」プログラムマネージャーの村田夏子さんとハンドラーの森田優子さんでした。

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【スタッフMの番組報告】

季節が一段と進むこの時期、11月に入ってくると、ニッポン放送では、毎年恒例のあの番組のカウントダウンで
局内が慌ただしくなってくるんです・・・。

ご存知の方も多いかもしれませんが、ニッポン放送では12月24日、25日の2日間、「ラジオチャリティミュージックソン」という番組を生放送で毎年お届けしています。今年で48回目・・・。もうすぐ半世紀やっていることになりますね・・・。

そのミュージックソンは、目の不自由な方に音の出る信号機を、というテーマで放送しているのですが、毎年、番組には、筑波盲学校の生徒さんたちにもご協力いただいて、盲導犬とのお話なども聞かせていただくので、私自身も盲導犬や介助犬には、ある程度なじみがありました。

でも、今回の「阿部亮のNGO世界一周!」でご紹介した、「ファシリティドッグ」というものは、正直、初めて聞く存在でした。みなさんはいかがだったでしょうか・・・。

「ファシリテイドッグ」とは、小児がんや心臓の病気など、とても重い病気で長い間、入退院を繰り返さなければならない子どもたちに寄り添う、専門的な訓練を受けた犬のことなんです!

病との戦いで不安の中生きている子どもたちに、「ファシリティドッグ」が癒しとなってサポートしてあげる、
そういう活動を行っている団体が今回のゲスト、認定NPO法人「シャイン・オン・キッズ」なんです。

今回は、「シャイン・オン・キッズ」のプログラムマネージャーの村田夏子さんと、ファシリティドッグと常に行動を共にする〈ハンドラー〉という役割の森田優子さんのお2人にスタジオにお越しいただきました。

写真中央:認定NPO法人「シャイン・オンキッズ」のプログラムマネージャーの村田夏子さん、右:ハンドラーの森田優子さん

病院に常勤して闘病中の子どもを支える「ファシリティドッグ」。
2010年の静岡県立こども病院に始まって、神奈川県立こども医療センター。東京都立小児総合医療センター、国立成育医療研究センターと、現在では4つの病院で導入されているんです。

「え、どんなワンちゃんなの???」とご興味を示された方のために!

こちらが、ハンドラーの森田さんが相棒、家族とおっしゃていた、ファシリティドッグのアニーです!
(放送を聴いた方でお顔見たいなーと思われた方も多いと思いましたので、かわいいお写真を村田さんにお借りしました)

こんな天使のような可愛さのアニーをはじめ、ファシリティドッグが、実際に病院で担う役割は大きく、手術室入室の付き添いや、採血、点滴などの苦しい辛い時の応援、麻酔導入までの付き添いなど、多岐にわたることも、初めて知りました。

患者と触れ合うセラピードッグも有名ですが、ファシリティドッグは専門的な訓練を受けているので、医療処置のときにも付き添うことが許可され、また、週5日常勤しているという点もセラピードッグとの違いなんです。
より密に、闘病中のお子さんとの関係が築けるということですよね・・・。

日々、ファシリティドッグのアニーと行動を共にするハンドラーの森田さんの言葉で
「親御さんは、子どもの病気を自分のせいと受け止めてしまいがちなもの。闘病中の子どもさんだけでなく、周りでそうやって別の苦しみと闘う家族を支えるのも、ファシリティドッグの役目」というのが、とても印象に残りました。

学校にも行けない、家族にもなかなか会えないそんな子どもたちにとっては、ファシリティドッグは、治療を乗り越えるための大切な仲間であり、見守る家族にとっては、闘病、看病という辛く苦しい家族の空間を自然に癒して
くれる存在なのでしょうね・・・。

コロナ禍で家族との面会すらままならなかった子どもたちには、なおのこと、このファシリティドッグの存在は大きかったに違いありません。

よく昔から「病は気から」と言いますが、これは迷信でも気やすめでもなく、本当にあるんだと私は思っています。

どんなに医学が進歩しても、患者さん本人に病気に打ち克つという強い気持ちがなければ、叶わないのが、医学の世界。高い薬も高度な手術も、患者さんの気持ちが前向きになることが大前提の話。ましてや病気を理解できない子どもには、この「気持ち」の部分のサポートは何より大きな意味があるのでしょう。

子どもたちが自らがんばろうという力を引き出すのが、ファシリティドッグの役目、と森田さんもおっしゃていましたが、本当に素晴らしい存在です・・・。

また、そうやって日々、犬の気持ち、患者さんやその家族の気持ちに寄り添い続ける村田さん、森田さんのお顔は
優しさに満ち溢れていました。心は表情に表れますねー。素敵でした。

こんな素晴らしい活動、もっともっと全国の病院に広がればいいのに・・・と、きっと放送を聴いた多くの方も思われたことでしょう。私もそうでした。

ただ、番組後半で村田さんもおっしゃていましたが、ファシリティドッグの活動にはハンドラーの人件費や交通費
餌代など様々な出費が伴い、1頭につき導入初年度で2000万円、その後も年間1000万円近くが必要になって、活動資金の8割を企業や個人からの寄付に頼っているのが現状だそうです。

そこで、村田さんたち「シャイン・オン・キッズ」はクラウドファンディングなども使って、資金をなんとか調達し、事業の継続に汗を流しています。少しでも応援したいという方は、ぜひこちらもご覧になってみてください!

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資金面だけでなく、ファシリティドッグとハンドラーの国内でのトレーニング、育成面もこれからの大きな課題だと村田さんはおっしゃていました。

海外で育成した犬を譲り受ける形だけではなく、日本国内でファシリティドッグもハンドラーも育成、トレーニングを安定的に行えるようになれば、活動の場も広がっていきますよね。

また、盲導犬や介助犬のような体の不自由な方のための犬は法律で認められていますが、ファシリティドッグはまだ制度化されていないので、何か事故が起きたりして活動がストップしてしまう前に、早く法整備も必要だ、と
村田さんは訴えていました。

ファシリティドッグの初導入から10年以上が経ち、資金面、育成環境、法整備、こうした様々な課題を乗り越えながら、村田さん、森田さんたち「シャイン・オン・キッズ」は今も闘病中の子どもたちのために活動されています。

「どこの子どものいる病院にも、ファシリティドッグが当たり前にいる社会を目指したい!」
村田さんの最後のお言葉は力強く、温かく、団体名の通り、お子さんたちを明るく照らし続けていくパワーを感じました。

一日も早く、そんな社会が来ることを、私も切に願っています・・・。

認定NPO法人「シャイン・オン・キッズ」の活動について詳しくお知りになりたい方は

https://ja.sokids.org/

次回の放送もお楽しみに!