箱崎みどりのすっぴんトーク

2025.01.28

昔を身近に感じる展覧会3選

1月25日(土)から
森アーツセンターギャラリー(東京・六本木)
「ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト」、
泉屋博古館東京「花器のある風景」、
静嘉堂@丸の内「歌舞伎を描く」の
3つの展覧会がスタート、一足早く観てきました。

どれも、昔の人の生活を感じさせるものを間近で観ることができ、
よく残っているなぁと感心するとともに、美術館で気軽に直接観られる有難さを感じます。

まず、一番古い時代からご紹介しましょう。

森アーツセンターギャラリー(東京・六本木)
「ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト」。

古代エジプト3000年を通して分かりやすく説明していて、
展示は、日常生活、ファラオの実像、死後の世界の3つに分けられ、文明を概観することができます。

特に興味深かったのが、1st Stage「古代エジプト人の謎を解け!」。
古代エジプトの人々の暮らしに迫ります。

当時、お金はなかった? 人気の職業はなんだった?

おまじないが刻まれた枕に、

左:≪木製のローテーブル≫前1539~前1292年頃
右:≪守護の神々が彫られている木製の枕≫前1479~前1400年頃

櫛やサンダルまで!

≪椰子のサンダル≫後3世紀~4世紀
※作品はいずれもブルックリン博物館蔵

 

何千年も前のものが、よく残っているなぁと感心すると同時に、
古代エジプトの人たちの生活が少し身近に感じられます。

ところで、古代エジプトの言葉は、ヒエログリフに子音しか表記されないので、
どう発音をしていたかが分からないそうなのですが、
これまで分からなかった発音を、研究をもとに再現!

現存最古の葬送文書ともいわれる『ピラミッド・テキスト』を会場で聴くことができます。

また、調査方法など、監修の河江肖剰先生の七つ道具や、
宇宙からの素粒子でピラミッド内部を透視、未知の空間を発見するなど、
最新の研究成果も紹介されています。

ミイラや貴重な品々を、興味深く観ることができる工夫が詰まっている展覧会です!

「ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト」
会期:1月25日(土)〜4月6日(日)
場所:森アーツセンターギャラリー(東京・六本木)

次にご紹介するのは、同じく六本木にある泉屋博古館東京「花器のある風景」。

生花で花を生ける時に使う花器にスポットライトを当てた展覧会です。
日本では、仏教と共に伝わったのがはじめとされるそうです。

描かれた花器、茶の湯の花器、

大郷理明氏寄贈の花器、

和洋折衷の近代の花器と、様々な花器がずらりと並びます。

普段は花を引き立たせている花器。

館長は「主役は花でも、脇役の中にも名優がいる」と仰っていました。

美術品保護のため花は生けられないそうなので、想像力を働かせながら、華やかな花器の世界をお楽しみください。

「花器のある風景」
会期:2025年1月25日(土)~3月16日(日)
会場:泉屋博古館東京
※※主催者の許可を得て撮影

最後は、丸の内にある静嘉堂文庫美術館@丸の内で3/23(日)まで開催される「歌舞伎を描く」。

浮世絵のニ大ジャンルは、美人画と役者絵。

「歌舞伎を描く」は、浮世絵版画発展の歴史を辿りながら、
役者絵のバリエーションを楽しめる展覧会です。

初公開のものも多いそうで、摺りたてに近い鮮やかな良い状態を楽しめます。

特に、三枚続の大判錦絵は、劇場で歌舞伎を観ているような臨場感があり壮観です!

五世尾上菊五郎の絵が半数だそうですが、
コレクションを築いた岩崎彌太郎・早苗夫妻が推していたからとも。

貴重なコレクションながら、「好き」という気持ちで集めたものだと思うと、
身近に感じられませんか?

「歌舞伎を描く」
会期:2025年1月25日(土)~3月23日(日)
会場:静嘉堂文庫美術館
※主催者の許可を得て撮影

貴重なものを間近で観られる展覧会。
寒さが厳しい時期ですが、体調に気をつけながら、ぜひお出かけください。