音楽への造詣が深いミッツ・マングローブが、
毎週様々なテーマと共に70年代・80年代・90年代の音楽を
ミッツ・マングローブ自身の解釈でお届けしていく番組『ミッツ・ザ・コレクション』。
第164回目のテーマは『BLUESじゃないブルース』。
「ブルース」、辞書によると「4分の4拍子の、哀愁を帯びた歌曲」。
独特の節回しとブルーノートと呼ばれる音階を使うのも特徴で、
黒人音楽の代表的なジャンルでもあります。
ところが、日本の流行歌における「ブルース」といいますと、
単に「哀愁を帯びた曲=ブルース」という括りで作られた曲も多く、
本来の「BLUES」とはまた別モノになっています。
そこで今回は、「タイトルに『ブルース』とついているけれど、
本来のBLUESとはちょっと違う、日本独自のブルース曲」をご紹介していきました。
まず1曲目は、近藤真彦さんで「スニーカーぶる〜す」。
今年でデビュー45周年、マッチこと近藤真彦さんのデビュー曲です。
1980年12月に発売されたこの曲。
ひと足さきにデビューした、同じたのきんトリオの、
トシちゃんこと田原俊彦さんに負けるなということで、
スタッフは作詞を松本隆さん、作曲を筒美京平さんというゴールデンコンビに依頼。
詞も曲もインパクト抜群で、「デビュー曲が初登場でオリコン1位」という
史上初の快挙を達成しました。
2曲目は、東京JAPで「摩天楼ブルース」。
小泉今日子さんの初めての主演ドラマ『少女に何が起こったのか』の主題歌として、
1984年10月にリリースされ、ヒットしました。
作詞は売野雅勇さん、作曲はこちらも筒美京平さんです。
今聴くと、ブルースというよりシティポップに聴こえます。
東京JAPは、ロックミュージカル劇団「ミスタースリムカンパニー」の
メンバーたちで結成されたロックバンドで、1982年にレコードデビュー。
1983年には、ユーミンがプロデュースした『東京JAP大作戦』
というアルバムを出したこともあります。
この「摩天楼ブルース」はヒットしましたが、2年後の1986年に活動を休止しました。
なお、このバンドでドラムスとパーカッションを担当していた「ヤス赤坂」さんは、
現在、DJとして活躍している赤坂泰彦さんです。
3曲目は、扇ひろ子さんで「新宿ブルース」。
扇ひろ子さんは1964年にレコードデビュー。
1967年にこの「新宿ブルース」が大ヒットしました。
発売前に、レコード会社(コロムビア)の会議で、
「曲調が暗いし、新宿が舞台じゃ、地方の人は買わないんじゃないか?」と
反対する声もあったそうですが、扇さんの哀愁こもった歌が結果的にヒットに結びつきました。
なお扇さんはその後、任侠映画にも出演。
「東映の藤純子、大映の江波杏子、日活の扇ひろ子」と並び称されました。
今年で80歳になられましたが、現在も現役で歌手活動を続けています。
4曲目は、井上陽水さんで「君と僕のブルース」。
この曲は、1974年にリリースされた陽水さんのアルバム
『二色の独楽』に収録されている曲で、ブルースというよりロック、
サビの叫ぶようなボーカルは、まさに「陽水節」です。
陽水ファンの間でも人気が高い曲で、
なんと五木ひろしさんもアルバムでこの曲をカバーしています。
お別れの曲は、CHAGE&ASKAで「MOON LIGHT BLUES」でした。
こちらは、1984年にリリースされたシングルで、作詞・作曲はともにASKAさん。
ASKAさんによると「初めてピアノで作曲した曲」だそうです。
意外なことに、発売当時はセールスは振るわず、
オリコンでは最高52位までしか上昇しませんでした。
レコード会社は、1980年にヒットした「万里の河」のような曲を望みましたが、
ASKAさんはそのイメージを払拭したかったので、この曲で行きたいと主張。
意見が食い違ったためか、あまり積極的にプロモーションをしてもらえなかったそうですが、
今ではチャゲアスの名曲の一つに数えられている美しいバラードです。
番組に関する感想・ご意見・ご要望などありましたら、
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お葉書は、
〒100ー8439 ニッポン放送「ミッツ・ザ ・コレクション」まで。
次回の放送は、2025年7月6日(日)17:30〜です。
どんなテーマでどんなセレクト楽曲が繰り出されるのか、お楽しみに!
2025.06.29
2025年6月29日放送『BLUESじゃないブルース』
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