古美術永澤 presents ミッツ・ザ・コレクション

2024.10.06

2024年10月6日放送『歌ドン楽曲特集』

音楽への造詣が深いミッツ・マングローブが、

毎週様々なテーマと共に70年代・80年代・90年代の音楽を

ミッツ・マングローブ自身の解釈でお届けしていく番組『ミッツ・ザ・コレクション』。

第133回目のテーマは『歌ドン楽曲特集』。

「歌ドン」とは、AメロでもBメロでもサビでもないメロディーを、導入部分で歌い、

それをイントロとする楽曲です。

 

まず1曲目は、スリーファンキーズが歌う「浮気なスー(悲しき恋の物語)」。

オリジナルは、ロックンロール創成期のスターのひとりDionが

1961年に放った全米ナンバー1ヒット「Runaround Sue」で、

このスリー―ファンキーズによるカバーは、翌1962年にリリースされました。

「歌ドン」の元祖とも言える楽曲です。

 

さらに続けて、中尾ミエさんの「バイ・バイ・バーディー」。

オリジナルは、1963年に公開された同名映画の中で、主演のアン・マーグレットが歌ったもので、

その年の秋に中尾ミエさんのカバーも国内でヒットをしました。

どちらも、シンプルなコードだけをバックに、ややスローめで歌い出す、

まさにアメリカンポップス時代の「鉄板手法」とも言える「歌ドン」です。

 

続いては、ミッツさん的・最強「歌ドン楽曲」を2曲。

まずは、井上陽水さんの1984年のヒット曲「いっそセレナーデ」。

こちらは、導入メロでもサビメロでもなく、まるっきり主線の出だしをいきなり歌い出すという、

まさに究極の「歌ドン」です。

しかもこの曲は、結果、この歌い出しが「曲のフック」になり、

しかも「歌い出し」のメロディーで終わるという、非常に陽水さんらしい(?)作りになっています。

 

さらに続けてお聴き頂いたのは、

松任谷由実さん1988年のアルバム「Delight Slight Light Kiss」に収録」されている

とこしえにGood Night(夜明けの色)」。

こちらはサビのメロで始まる、通称「サビ頭」「サビドン」と言われるタイプのものですが、

最初の「こんな」という部分の突き刺すようなユーミンの声は、

まるで「初球ホームラン」を見せつけられるようなインパクトがあります。

 

続いては、まさに「歌ドン黄金期」とも言える時代のあの曲です。

90年代のJ-POPを思い出すと、

とにかく「いきなりサビ」という楽曲が次々に浮かんでくる方も多いのではないでしょうか。

中でも、「歌ドン・サビドン」の象徴と言えば、小室哲哉さんによる「TKサウンド」です。

「寒い夜だから」「BODY FEELS EXIT」「I’m Proud」など。

これら90年代に多用された「サビドン楽曲」は、実は何かしらドラムのフィルだったり、

シンセの音が一瞬入ってからの歌い出しというのが結構多いというのも特徴のひとつです。

おそらく「サビドン楽曲」と聞いて、3割以上の人が思い浮かべる曲でしょう。

篠原涼子 with t. komuroで、「恋しさとせつなさと心強さと」お聴きいただきました。

 

そして、星屑スキャットにも「歌ドン」が1曲だけあったので、お聴き頂きました。

星屑スキャットで「ANIMALIZER」。

今年も星屑スキャットのディナーショーが決まりましたので、

興味のある方はぜひ、星屑スキャットのHPご覧ください。

 

お別れの曲は、山下達郎さんで「RIDE ON TIME」でした。

聴こえてきた瞬間に、心の上昇ギアがマックスになる「歌ドンナンバー」です。

番組に関する感想・ご意見・ご要望などありましたら、

mco@1242.com までお寄せください。

お葉書は、

〒100ー8439 ニッポン放送「ミッツ・ザ ・コレクション」まで。

次回の放送は、2024年10月13日(日)17:30〜です。

どんなテーマでどんなセレクト楽曲が繰り出されるのか、お楽しみに!

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パーソナリティ
  • ミッツ・マングローブ
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    ミッツ・マングローブ

    ドラァグ・クィーン・歌手・タレント。総じて「女装家」。
    1975年 4月10日 神奈川県横浜市生まれ
    10代中盤ををロンドンで過ごす。 慶應義塾大学法学部を卒業後、 英国ウエス卜ミンスター大学に入学。商業音楽全般を学ぶ。帰国後2000年ドラァグ・クイーンとして東京でデビュー。以降、各地のクラブを中心に様々な活動やイベントの主催をする傍ら、05年に星屑スキャットを結成。07年スナック「来夢来人」にて丸の内初の女装ママに。
    09年頃からテレビでも活躍。
    2011年「若いってすばらしい」で歌手デビュー。2012年3人組コーラスグループ“星屑スキャット”のメンバーとして「マグネット・ジョーに気をつけろ」で日本コロムビアよりメジャーデビュー。2018年星屑スキャット1stアルバム「化粧室」をリリース。野外フェスティバルへの出演含め精力的に活動中。
    2019年星屑スキャット初の全国ツアー「あ々喉仏」開催。
    2021年4月中野サンプラザを含む星屑スキャット全国ツアー「色、色々」開催。