音楽への造詣が深いミッツ・マングローブが、
毎週様々なテーマと共に70年代・80年代・90年代の音楽を
ミッツ・マングローブ自身の解釈でお届けしていく番組『ミッツ・ザ・コレクション』。
第131回目のテーマは『邦楽ヒット曲の英語バージョン』。
まず1曲目は、小林明子さんで「恋におちて(英語バージョン)」。
ご存知の方も多いと思いますが、この曲は、もともと2番の歌詞が英語です。
「もしも願いが叶うなら♪」から始まる1番の歌詞を、英訳したものが2番で歌われています。
この「曲の半分が英語」というのは、例えば松田聖子さんの
「SWEET MEMORIES」なんかも同じ構成ですが、
実は、この「恋に落ちて」のフル英語バージョンというのが存在します。
当時ドラマの劇中で使用されてはいましたが、正式に音源化されたのは、
オリジナル版のヒットから1年後のことでした。
もともと1番の日本語詞を英訳したものが2番の歌詞だったところを、
この英語バージョンにおいては、あらたに「2番の英語詞」というものが作られています。
ちなみにオリジナル版の作詞は湯川れい子ですが、
英語詞を書かれたのは、あの山口美江さんだったとのこと。
続いては、新旧J-POPの「英語バージョン」をメドレーでお送りしました。
まずは、1996年のヒット、PUFFYのデビュー曲「アジアの純真」。
PUFFYはアメリカでアニメ化され、向こうでの知名度も高いふたりですが、
この英語バージョンは2002年にリリースされた全米2枚目のアルバム
「An Illustrated History」に収録されています。
井上陽水さんによるオリジナル歌詞の「北京ベルリン~」や「アジア」の部分は、
日本語的ニュアンスのまま歌われているのが、外来語の逆輸入といった趣で面白い作品です。
そして、オフコースの「君が、嘘を、ついた」。
1984年のヒット曲ですが、翌85年に英語詞を付け、
「EYES IN THE BACK OF MY HEART」というタイトルで、
アルバム「Back Street of Tokyo」という全曲英語詞のアルバムに収録され、
さらにはシングルカットもされています。
この頃は、日本のバンドやアーティストが世界進出を視野に入れ、
このような「オリジナル曲の英訳版を作る」という事例がしばし見られた、そんな時代でもありました。
さらに、メドレー3曲目は、槇原敬之さんの1999年のシングル
「Hungry Spider」の英語詞バージョンです。
槇原さんは、比較的初期の段階から、英語詞のオリジナル曲をリリースしており、
90年代J-POPのメインストリームの中では、後に全米デビューをしたドリカムと並んで、
とても洋楽要素の強いアーティストだった印象があります。
英語の発音も極めて自然で、「無理くり英語にしました感」も少ない、とは言え、
そこにはやはり「言語の壁」を感じざるを得ない、そんな時代です。
そう考えると、今のK-POPをはじめとしたアジアアーティストの全米での成功は、
非常に感慨深いものがあります。
続いては、かなりレアな「英語バージョン」です。
1972年(昭和47年)レコード大賞受賞曲。昭和歌謡の金字塔のひとつでもあります、
ちあきなおみ「喝采」。
なんとこの英語バージョンというのが存在するのです。
長らく日の目を見ることはありませんでしたが、2000年にリリースされたBOX
「ねえ、あんた」に初めて収録されました。
どのような目的・用途で、この英語バージョンが作られたのかは、謎が多いのですが、
この時代において、すでに欧米市場を意識していたという説もあります。
オリジナルのテーマがテーマだけに、どのように「英語化」したのか非常に興味深いところです。
当のちあきさんは、英語がなかなか口になじんでいない印象を受けますが、
お馴染みの「喝采」と同じ抑揚と発声で歌い上げているのはさすがです。
お別れの曲は、工藤静香さんで「抱いてくれたらいいのに」でした。
今や日本を代表するインターナショナル・ファミリーのビッグ・マザーである静香さん。
特にふたりの娘さんを出産して以降、英語との親和性が高まっていったと記憶しています。
1998年リリースのアルバム「Best of Ballde カレント」より、
名曲「抱いてくれたいいのに」の英語バージョン「Let Me Sleep In Your Arms」。
静香さんならではの気合でエモーショナルに歌いきっています。
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〒100ー8439 ニッポン放送「ミッツ・ザ ・コレクション」まで。
次回の放送は、2024年9月29日(日)17:30〜です。
どんなテーマでどんなセレクト楽曲が繰り出されるのか、お楽しみに!
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