音楽への造詣が深いミッツ・マングローブが、
毎週様々なテーマと共に70年代・80年代・90年代の音楽を
ミッツ・マングローブ自身の解釈でお届けしていく番組『ミッツ・ザ・コレクション』。
第79回目のテーマは『流行歌で綴るバブル考』。
まず1曲目は、BaBeで「Give Me Up!」
1987年リリースの大ヒット曲。
この頃大量流入してきたユーロビートは、
60年代のアメリカンポップスのように、
80年代後半の音楽シーンとバブル経済時代を象徴する響きと彩り。
2曲目は、鉄腕ミラクルベイビーズで「TALK SHOW」。
若者のテレビ視聴習慣に変化が見られた時期。
ビデオデッキの普及も大きいですが、
土曜日23:00~23:30に放送されていた「ねるとん紅鯨団」は、
エンターテイメントというより、
当時の若者のライフスタイルの延長線上に常に存在していました。
そのため音楽も、まるでサウンドトラックのように刻まれています。
3曲目は、矢野顕子さんで「DAVID」。
1988年10月に放送開始した
深夜コメディードラマ「やっぱり猫が好き」のテーマ曲。
この脱力感こそ、祭り騒ぎで我を失っている自覚がある日本の若者、
そして働き盛りが溢れていた時代だったからこそ成立していたナンセンスドラマ。
ミッツさん曰く「今や歴史的資料としての価値のある作品」。
4曲目は、和田アキ子さんで「だってしょうがないじゃない」。
ラジオ・有線・CMといった様式美からも、昭和最後のヒット曲。
88年(デビュー35周年)にリリースされた「だってしょうがないじゃない」は、
有線リクエストで時間をかけてヒット。
歌の舞台はバブリーなバーですが、所詮バブルだろうと何であろうと、
男女が色っぽい話をするのは「酒場・たばこ・タクシー・強がり」
という鉄板の4大要素。
そこへ「大阪弁」の歌詞が相まって、
バブル期のしみったれた日本人の性に、見事に突き刺さったヒット曲。
5曲目は、小林旭さんで「熱き心に」。
好景気に浮かれ、毎日毎晩がお祭り騒ぎだった80年代後半。
世間は、古いもの・ダサいものを躊躇なく切り捨てていきました。
それでも未来は、もっと煌びやかだという確信があったからでしょう。
そんな中に突如リリースされたのがこちらの楽曲でした。
お別れの曲は、カルロス・トシキ&オメガトライブで「アクアマリンのままでいて」。
こちらは、ミッツさんが個人的に「バブルの頂点」を感じた楽曲。
あらゆる役者が最高潮に達していた1988年夏。
トレンディードラマの金字塔「抱きしめたい」が、
浅野ゆう子さん・浅野温子さんのW浅野両巨塔主演でスタートしました。
主題歌は、80年代のバブル創世記からずっと、
日本の若者たちの幻想を音楽に落とし込み、
シミュレーションし続けてきたオメガトライブ。
カルロスのブラジル訛りのボーカルであれば、
あの頃の日本の若者はどこへでも好きな場所へ行けたはず。
しかし、曲は思った以上にヒットしなかったんですね。
むしろそれが「バブルの最高到達地点」だったのだと、ミッツさんは考えているとのこと。
番組に関する感想・ご意見・ご要望などありましたら、
mco@1242.com までお寄せください。
お葉書は、
〒100ー8439 ニッポン放送「ミッツ・ザ ・コレクション」まで。
次回の放送は、2023年7月23日(日)17:30〜です。
どんなテーマでどんなセレクト楽曲が繰り出されるのか、お楽しみに!
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