お聴きのあなたの様々なカラダの悩みに寄り添いながら、健康維持の大切さについてお伝えする「元気をチャージ！ごりごりタイム」。今月は「ほねごりグループ」の鍼灸師・鈴野賢幸（すずの・としゆき）先生にお話を伺っています。

元気をチャージ！ごりごりタイム収録風景

（新潟県・しょうゆおこわさん）

私、反り腰でお腹ポッコリ。股関節がいつも詰まっている感じなんです。何かいいストレッチはありますでしょうか？

鈴野：反り腰を作ってしまう原因は腸腰筋（ちょうようきん）にあります。腸腰筋は体の骨盤の前にハの字に付いている筋肉のことでして、これは股関節を曲げる筋肉なんです。ここが硬くなっていくと、常に股関節を曲げている状態になってしまいます。すると、お尻を極端に後ろに突き出したような姿勢になってしまうんです。直滑降の姿勢になれませんから体を起こしますので、反り腰になってしまうんです。こんなストレッチがあります。

反り腰のストレッチ

●片方の膝で立ちます。（左の膝を地面につけて、右の膝を立てます）。

●足を立てているほうの手（右手）はそのままにしておきます。

●膝をつけているほうの手を後ろに回し、お尻に当てて、自分の体を前へグーッと押します。

●背中が丸まらないようにを気を付けながら、ゆっくりと息を吐いて10秒数え、左足・右足各3セットずつやってみましょう。

上柳：いままでにやったことのない動作でした（苦笑）。

―これから雨の多い時期です。体調管理が難しくなります。自律神経という言葉は、もう皆さん、だいぶご存知だと思いますが、改めて鈴野先生、自律神経とはどんなものでしょうか？

鈴野：体を動かす神経は「運動神経」といいます。自分の意思で動きます。ただ、「自律神経」は「自律」という言葉の通り、オートマティックに体をコントロールしてくれる神経のことです。例えば、心臓の血のめぐり、呼吸、消化、体温調節といったものを勝手に調節してくれる神経ですね。

―私たちが寝ている間も自律神経は一生懸命働いて、適切な呼吸、適切な体温、適切な脈拍等、維持してくれているわけですね。で、この自律神経、2つありますね？

鈴野：まず、交感神経には、「ファイト（闘争） or　エスケープ（逃走）」という言葉があります。つまり、体に血液を回らせて、運動を活発にさせる神経のことです。酸素をしっかり吸えるように、呼吸を調整したり、瞳孔を開いて相手をしっかり見据えられるようにして、体を闘える状態にしてくれます。もう一つの副交感神経は、ズバリ「リラックス」の神経です。消化を優先させたいので、血流は体にあまり回らないようにします。じつは消化は結構エネルギーを使う作業なんです。

―どうして、自律神経は「乱れて」しまうんですか？

鈴野：一番はストレスです。とくに日本人は、ストレスに弱いです。ストレスが高まると興奮状態になってしまい、疲れがたまりやすくなります。また、光や音などの外部からの刺激も人間にとってはあまりいいものではありません。気温によっても左右されます。とくにこの時期は湿気がどんどん多くなっていきます。このじめじめという不快感がだるさにつながる場合があります。鍼灸の東洋医学には湿気という邪気、「湿邪（しつじゃ）」という考え方もあって、体の下のほうにたまると云われています。

元気をチャージ！ごりごりタイム収録風景

―この自律神経にアプローチしてくれるストレッチ、ツボはありますか？

鈴野：まず、自律神経のスイッチを切り替える方法があります。ちょっとだけ意識して交感神経を強くする方法です。「ちょっと痛いなぁ」というくらいの刺激を与えてやると、その後から副交感神経がフワーッと上がってきます。人間の感覚が一番鋭いのは「手」です。指のツボを使っていきます。

●親指と人差し指の間に凹んだ谷間があります。ここを「合谷（ごうこく）」といいます。

●この「合谷」を、手のひら側から人差し指、甲のほうから親指で挟みます。

●痛い場所ですが「痛気持ちいい」くらいの感覚で10秒くらい耐えます。左右やります。

●「痛みが足りない」という方は、ボールペンの芯を出さない状態（あるいは裏側）で押すと、点で力がかかって刺激が高まります。

（第7回・おわり）

合谷

お聴きのあなたもコーナーの感想や質問、元気の出る曲のリクエストなどがありましたら、ue@1242.comまでお送りください。なお、身体の症状に関する個人的な診断などは出来ませんのでご了承ください。元気なうちこそ、「健康維持」に取り組みましょう！