羽田美智子のいってらっしゃい

2025.11.07

2025年11月3日週 テーマ「薬膳」

古くから“健康や美容に良い”といわれている食事、『薬膳』についてです。

 

■今週(11/3~11/7)のテーマ:『薬膳』

11/3(月) 『薬膳の基本』   

 

薬膳の発祥は、古代中国です。

中国で古い歴史を持つ『中国伝統医学』、『中医学(ちゅういがく)』の理論に基づいて作られた食事のことで、

食材の持つ有効性を活用し“病気の予防や回復”、“健康維持”を目的としています。

 

薬膳の“薬”は、“身体に良いとされる植物=薬草”を意味しています。

そのため“薬膳=薬臭い食事。

身体には良いかもしれないけど、美味しくない”といったネガティブなイメージを

持たれてしまうことが少なくないそうなんです。

 

それでも薬膳の“膳”の字の左側の“月”は、“肉”のことを表しているんだそうです。

それも一説には、古代中国でごちそうの“羊の肉”を指しているといわれています。

 

このように薬膳とは、ごちそうである羊の肉を薬草などの野菜といただく

“美味しい食事”でもあるそうなんですネ。

“身体に良い”というのはモチロンですが、“美味しい”というのが、薬膳の基本だそうです。

 

ちなみに、この『薬膳』という言葉ですが、

1980年代に中国・北京のレストランで初めて使われたといわれています。

このように、薬膳という言葉自体は歴史は古くありませんが、

『薬食同源』や『医食同源』といった言葉があるように、

“薬膳の考え方自体”は遥か昔からあるといわれています。

 

【感想】

薬膳と聞くと、“身体にイイ~”っていうイメージ、そして“漢方”というイメージがありますネ。

先日、友人の有働由美子さんオススメの薬膳鍋をいただいたのですが、

身体がポカポカして、お肌はツヤツヤ。

そして何と言ってもお腹がスッキリとして、

薬膳ってイイなぁ~って、ハッキリと思いましたよ。

 

11/4(火)   『薬膳の豆知識①』

 

『薬膳』の考え方のひとつに、『陰』と『陽』があります。

これは“世の中にあるすべてのものは、『陰』と『陽』でできている“というもので、

“身体の状態”も『陰』と『陽』で表しているそうです。

 

例えば、“身体が『陰』に偏った状態”の場合、

手足の冷えなど“冷え性”、“顔色が良くない”、“気力がない”といった症状が表れるというものです。

 

それに対して、“身体が『陽』に偏った状態”の場合、“お肌の乾燥”や“手足・顔のほてり”、

“ノドのイガイガ”といった症状が表れるというものです。

 

そして“『陰』と『陽』のどちらにも偏らず、バランスが良い状態”は

“健康”、“どちらかに偏ってしまっている状態”は“不調”につながるとしています

 

また“食べ物”にも『陰』と『陽』があります。

この場合の『陰』とは、“体を冷やす食事や食材”で、

例えば、トマトやナス、キュウリ、スイカ、柿、梨などです。

 

『陽』とは、逆に“体を温める食事や食材”で、ネギやニラ、

ニンニク、ショウガ、カボチャ、桃、シナモンなどがあります。

 

そして“身体が『陰』に偏った状態”の時には、『陽』の食材。

逆に“身体が『陽』に偏った状態”の時には、『陰』の食材を摂るのが良いとされています。

 

【感想】

今年の夏は暑かったので、スイカとかキュウリが美味しく感じました。

これは身体が『陽』の状態だったんですよネ。

逆に涼しくなって、これから寒さが本格的になっていくと、ショウガやカボチャが食べたくなりますよネ。

でも考えてみたら、“旬のモノを食べる”というのが、

そもそも薬膳の理論と重なって、一番身体に良いのですよネ。

 

11/5(水)  『薬膳の豆知識②』

 

薬膳では“季節の移り変わり”も、“『陰』と『陽』の変化”と考え、それに合わせた食材や調理法があります。

 

具体的には、『春』と『夏』は“『陽』が高まる時期”。

その中でも『春』は“冬にため込んだ老廃物を排出する季節”、“自律神経が乱れやすい季節”とされています。

 

そのため、解毒作用がある肝臓の働きを高めるとされるアサリやハマグリ、シジミといった貝類や、

解毒効果を高めるとされるキャベツ、さらに自律神経を整えてくれるとされる、セロリやレモンなど

 “香りが豊かな食材”を摂るのが良いとされています。

 

そして『夏』は、暑さで身体に熱がこもり、汗をかく季節です。

そのため身体を冷やす働きがあるとされる食材、

例えばキュウリやトマト、スイカなどを摂るのが良いとされています。

 

そんな『春』と『夏』に対して、『秋』と『冬』は“『陰』が高まる時期”です。

その中でも『秋』は“乾燥の季節”で、ノドや鼻が乾きやすく、肺がダメージを受けやすいといわれています。

そこで“身体の中から潤す食材”、例えばダイコンや白菜、梨、白きくらげなどを摂るのが良いとされています。

 

そして『冬』は、“冷えの対策が必要な時期”です。

そのため“身体を温める食材”とされるショウガやネギ、ニンニク、

黒豆や黒砂糖、黒ゴマといった“黒い食材”が良いとされています。

 

【感想】

季節ごとに収穫できるものと人間の身体って、本当に連動しているんですネ。

春はキャベツが美味しいし、夏のスイカやキュウリは我が家でも収穫できました。

秋に出回るダイコン、梨は乾燥対策。そして冬は黒いもの。

普段から季節を感じて食材を選ぶと、それがもう薬膳なんですネ。

 

11/6(木)  『薬膳の豆知識③』

 

薬膳の効果を最大限に引き出すには、自分の体質や症状に合わせることが大切です。

 

薬膳には“定義されている体質”というのがありまして、例えば、『気虚(ききょ)体質』です。

“気”には身体を温め、免疫を促進し、成長や発育、血液の循環を良くする・・・といった役割があります。

 

そのため“気が不足”すると、“疲れやすい”、“風邪をひきやすい”

“気分が落ち込む”、さらに“消化不良や食欲減退”といった症状が表れるとしています。

この体質の改善には、山芋やニンジン、カボチャなど甘味のある野菜や

鶏肉、卵、豆腐といったタンパク質類が良いとされています。

 

続いて、『血虚(けっきょ)体質』。

この体質の方は血が不足して、血の巡りが悪くなっているため、栄養が行き渡らなくなっています。

それによって、“肌荒れ”や“冷え”、“貧血”、“立ちくらみ”、“不眠”といった症状が表れるとしています。

 

この体質の改善には、レバーや赤身の肉、ホウレンソウ、黒豆といった“鉄分豊富な食材”や、

血の巡りに効果的とされるクコの実やナツメが良いとされています。

 

【感想】

私はどちらかというと、『血虚』ですネ。

不眠気味だし、冷えもありますし、貧血ですネ。

(改善には)クコの実やナツメですネ。

レバーとかホウレンソウとか赤身の肉なんですネ。心掛けてみます。

気力も体力もみなぎっていたい・・・。本当にそう思います。

薬膳のチカラを借りて、元気でいきましょうネ。

 

11/7(金)  『薬膳料理』

 

薬膳料理の中で、代表的なものに『薬膳鍋』があります。

その中でも日本では、『火鍋』がよく知られています。

2つに仕切られたお鍋の中に白いスープ、『白湯スープ』と、

真っ赤な辛いスープ、『麻辣(マーラー)スープ』が入っています。

そこにお肉やお魚、野菜などと一緒に、様々な種類の生薬やスパイスなどを加えて煮込みます。

 

『薬膳カレー』も、よく耳や目にする薬膳料理です。

一般的なカレーが“食材をカレールーで煮込んで作る”のに対して、

薬膳カレーは“身体の状態を整えるため、効能で選んだ食材やスパイスで作る“という違いがあります。

 

また薬膳カレーの場合、一般的なカレーよりも“辛さが控えめ”で消化を助ける食材が多く使われているため、

“胃腸にやさしい”という特徴があります。

 

他にも、『薬膳スープ』があります。

こう聞くと“特別な食材を使ったスープ”というイメージがあるかもしれませんが、

身近な食材で手軽に作れるそうです。

具体的には、ダイコンやニンジン、白菜、タマネギにショウガを加えた『野菜スープ』などがあります。

 

【感想】

私が有働由美子さんに教えてもらった薬膳鍋は、お湯を沸かして好きな出汁パックを入れます。

そして骨付きの鶏肉、手羽先でもイイですよネ。それを入れて、好きな野菜を投入します。

ニラとかネギとか白菜とか、何でもイイそうです。

そしてクコの実、ナツメ、ニンニク、ショウガ、八角を入れてただ煮るだけ。

最後に白きくらげを入れると完成です。

すごく美味しかったので、ぜひやってみてください。

 

【今週の感想】

今回のテーマは、私が有働由美子さんと薬膳鍋を食べたことから、

そもそも薬膳って何だろう?という話から決まりました。

言われてみれば、私も本質的なことは分かっていなかったので勉強になりました。

 

先日、発表された『新語・流行語大賞』のノミネートの中にも『薬膳』がありましたネ。

その理由として、“身体を整える身近な料理”として流行していて、

ドラマ『しあわせは食べて寝て待て』(NHK)の話題もあり、

“自分でもやってみたい!”と思う方が増えたことで身近なものとして定着しているからだそうです。

これをキッカケに、薬膳に興味を持ってくださる方が増えたら嬉しいですネ。

 

【お知らせ① 次週(11/10~)からのテーマ】

子ども頃から耳にしている音色の1つ、『オルゴール』について・・・。

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

◆オープニング  ♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

◆エンディング  ♪To Be  /  モントルー

パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/