羽田美智子のいってらっしゃい

2025.08.22

2025年8月18日週 テーマ「お茶漬け」

“ご飯にお茶をかけていただくお料理”、『お茶漬け』についてです。

 

■今週(8/18~8/22)のテーマ:『お茶漬け』

8/18(月) 『お茶漬けとは』   

 

『お茶漬け』とは、一般的に“ご飯にお茶をかけたもの”とされていて、

この“お茶”とは煎茶や番茶、ほうじ茶といった日本茶のことを指しています。

それ以外にも、ウーロン茶など“日本茶以外のお茶”や

“だし汁”をかけたものが“お茶漬け”と呼ばれています。

 

ちなみに、“だし汁をかけたもの”ですが、正確には『出汁茶漬け』といいます。

一説には北越地方では、古くからお茶漬けにはお茶の代わりにだし汁が使われていて、

『越後茶漬け』とも呼ばれているそうです。

 

お茶漬けの歴史は古く、そのルーツは平安時代といわれています。

それが『湯漬け』や、『水飯(すいはん・みずめし)』です。

湯漬けは“ご飯に熱湯をかけたもの”。

水飯は“ご飯に冷たいお水をかけたもの”です。

当時はお米を炊いても、保温や冷凍保存する技術がなかったので、

時間が経つにつれ、乾燥して硬くなってしまいました。

 

そこで熱湯をかけることで、ご飯を柔らかくして、美味しく食べられるようにしたのが湯漬けです。

そして夏は冷めたいお水をかけて水飯にしていたそうです。

 

その後、室町時代後半に、庶民の間にお茶が広まると、湯漬けに熱湯ではなく、お茶をかけるようになり、

江戸時代には“お茶漬け”という食文化が定着した・・・と考えられています。

 

【感想】

そっかぁ。ご飯が固くなるので、お湯をかけて食べたのが始まりなんですネ。

私が初めて“お茶漬け”というものを知ったのは、永谷園の『お茶漬けのもと(お茶づけ海苔)』です。

ふりかけをかけて、お湯を注ぐだけ。初めて食べた時の美味しさは、今も覚えています。

それから本格的なお茶漬けを知ることになるのですが、

なかなかお茶漬けって美味しいものですよネ。

 

8/19(火)   『お茶漬けの豆知識①』

 

古くから食べられている『お茶漬け』の“定番”には、

海苔や塩昆布、佃煮、鮭、梅干し、タラコ、明太子などがあります。

 

京都には、もち米から作られる『あられ』を入れたお茶漬けがあります。

京都ではお茶漬けのことを『ぶぶ漬け』といいますが、『ぶぶ』とは“お湯やお茶”のことです。

そして、ぶぶ漬けに入れる細かい粒状の『あられ』のことを、『ぶぶあられ』といいます。

 

また千葉県や静岡県などの郷土料理に、『まご茶漬け』というお茶漬けがあります。

新鮮なアジのたたきを、ご飯の上にのせて、熱いお茶やお湯をかけたものです。

 

この『まご』とは“まごまごする”の“まご”で、“どうしてイイのか分からず、うろたえる”という意味です。

もともと漁師さんが、漁の時に船の上で食べていた“漁師めし”で、漁の合間に食べるため、

“まごまごしないで早く食べろ”ということから、この名前が付いたんだそうです。

 

そんな中、私は以前、石川県白山市で『ふぐの子のお茶漬け』をいただいたことがあります。

『ふぐの子』とはふぐの卵巣のことで、猛毒を持っていますが、

塩漬けと糠漬けにして、3年ほどゆっくり時間をかけて自然発酵させると、

不思議なことに毒が消えてしまうんですネ。

石川県にだけ製造が許された珍味で、テレビの旅番組で白山市を訪れた時に、

この『ふぐの子のお茶漬け』をいただきました。

 

【感想】

『ふぐの子のお茶漬け』。

高級珍味なんですが、“猛毒を持っている”と聞くと食べるの躊躇(ちゅうちょ)しちゃいますよネ。

でも、ホロホロっとしていて、ご飯のアテにピッタリなんですよネ。

すごく美味しかったです。

アジのたたきの『まご茶漬け』も美味しいし、モチロン、京都の『ぶぶ漬け』も美味しいです。

ご飯の上に何かをのせて、お茶をかける・・・。

それだけで幸せになるのが、お茶漬けですネ。

 

8/20(水)  『お茶漬けの豆知識②』

 

“お茶漬け”と聞いて、『永谷園』さんの『お茶づけ海苔』を思い浮かべる方、いらっしゃるかと思います。

この『お茶づけ海苔』ですが、1952年(昭和27年)に誕生しました。

 

当時、お茶屋さんを経営されていた永谷嘉男(ながたに・よしお)さんが考え出されたものです。

ある日、永谷さんは小料理屋さんで、“食事の締め”に海苔茶漬けをいただいた時、

その美味しさに感動したそうです。

“このお茶漬けを、家庭の食卓でも簡単に食べられないか?”と思った

永谷さんは開発に取り組み、『お茶づけ海苔』を開発しました。

 

その際、商品の名前は“シンプルなものに”ということで、

『お茶づけ海苔』にしましたが、その際、『づけ』は“ひらがな”

『海苔』は“漢字”といったように、細かいところまでこだわったそうです。

 

永谷園さんの『お茶づけ海苔』といえば、黄色と赤、黒、緑の縞模様が特徴ですよネ。

これは『永谷園』の創業者の永谷嘉男(ながたに・よしお)さんが、“江戸の情緒”をイメージし、

歌舞伎で使われている幕を参考にして考え出したものだそうです。

 

さらに『お茶づけ海苔』という文字も、

歌舞伎の看板などに使われている書体をアレンジして書かれているそうです。

こうしたカラフルなパッケージが注目を集めて、予想を上回る大ヒットになったんだそうです。

 

【感想】

私がお茶漬けデビューしたのは、そうそう、こちらの永谷園さんの『お茶づけ海苔』です。

少し大人になると、『わさび海苔茶づけ』も美味しかったですよネ。

みんなそれぞれにアレンジして、ご飯の上にこのふりかけをかけて、

その上に梅干しとかお昆布とかゴマとかタラコとかのせて食べるのが流行ってましたネ。

パッケージも粋な感じで、今でも定番なお茶漬け海苔ですよネ。

 

8/21(木)  『お茶漬けの豆知識③』

 

1952年(昭和27年)に誕生して以来、70年以上にわたって

ヒット商品となっている『永谷園のお茶づけ海苔』ですが、

発売当初は『江戸風味 お茶づけ海苔』という名前だったそうです。

 

名前が変わった理由ですが、発売以来、売り上げは好調でしたが、

ある日、デパートからの注文が急に途絶えてしまったんだそうです。

そこで原因を調べたところ、『お茶づけ海苔』の類似品が出回っていたことが分かりました。

 

当時のパッケージには、『江戸風味 お茶づけ海苔』と印刷されているだけで、

商標登録していなかったため、類似品が出回っても何もできなかったそうなんです。

 

この一件をキッカケに、“ブランドの重要性”を認識し、パッケージに『永谷園』と印刷し、

“ブランドの確立”に努めたのだそうです。

 

そして2012年、『永谷園のお茶づけ海苔』が発売から60年を迎えたのを記念して、

5月17日を『お茶漬けの日』として定めました。

 

この日は、江戸時代にお茶の製法を発明し、“煎茶の創始者”である永谷宗七郎(ながたに・そうしちろう)さん、

のちの永谷宗円(ながたに・そうえん)さんの命日に由来しています。

『永谷園』さんの創業者で、『お茶づけ海苔』の“生みの親”である永谷嘉男さんは、

この宗七郎さんの子孫だそうです。

 

【感想】

煎茶の創始者の子孫の方が、『お茶づけ海苔』を生んだんですネ。

これはDNAですネ。すごいことです。

暑~い夏、食欲のない時にもお茶漬けは最高ですし、夜お腹が空いた時も、

またお酒を飲んで帰ってきて“あとちょっと食べたいな”っていう時、締めにお茶漬け、最高ですよネ。

 

8/22(金)  『お茶漬けの豆知識④』

 

厳しい残暑の中、お茶漬けは『炭水化物』と『水分』、『塩分』を一度に摂ることができる、

“理想的な食事”だそうです。

それに加えて、ご飯にのせる“お供”や“付け合わせ”によって、味わいや栄養価が違ってきます。

 

同じお茶漬けでも、使うお茶の種類によって味の変化が楽しめます。

例えば緑茶をかけた場合、さわやかな香りと旨味がご飯の甘みを引き立ててくれます。

ほうじ茶の場合、焙煎の香ばしさが加わり、深いコクを感じることができます。

そして玄米茶の場合、サッパリした味わいと香ばしさが楽しめます。

 

またお茶の代わりに、かつお節や昆布などから摂っただし汁をかけた

『だし茶漬け』の場合、お茶とは違う旨味が味わえます。

だし汁は冷やしても美味しくて、クチ当たりもアッサリしているので、

食欲がわかない時でも食べやすいのが特徴です。

 

日本には“ご当地だし茶漬け”と呼ばれるお茶漬けがいくつもあるそうなんですネ。

その代表的なものが、『鯛茶漬け』です。

同じ『鯛茶漬け』でも“真鯛のお刺身”、または“焼き上げた鯛の身”をのせるタイプがあるそうです。

そんな『鯛茶漬け』ですが、新潟県や長崎県のお茶漬けは特に有名だそうです。

 

【感想】

私、鯛茶漬けに目がないんです~。

私は“お刺身タイプのゴマだれの鯛茶漬け”が一番好きですネ。

長崎で確かにいただきました。

なんであんなに美味しいんでしょう。

お刺身にちょっとお茶を足した時に、白身の魚が白くなる瞬間がすごく好きなんですよネ。

・・・食べたくなってきちゃった。

お茶漬けは消化が良くて、お腹もあったまるし、身体にやさしい日本の良き食文化だなと思います。

 

【今週の感想】

お茶漬け、リスナーの皆さんも子どもの頃から

食べていらっしゃるということで、興味深いテーマだったのではないでしょうか。

私と同じように“永谷園さんの『お茶づけ海苔』で、

お茶漬けデビューしました!“という感想も多数いただきました。

かけるのが“お茶”か“だし汁”かで、好みが分かれるところですが、

私の中では“出汁茶漬けはお店でいただくもの”で、

“お茶やお湯をかけたもの”は“家でたべるもの”というイメージがあるんですが、皆さまはいかがでしょうか。

厳しい暑さが続きますが、冷たいお茶漬けでパワーアップして、この夏を乗り切りたいですネ。

 

【お知らせ① 次週(8/25~)からのテーマ】

私がよく見ていた『昭和のアニメ PART3』 です。

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

◆オープニング  ♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

◆エンディング  ♪To Be  /  モントルー

パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/