子どもの頃から、慣れ親しんでいる音楽『童謡』についてです。
■今週(6/30~7/4)のテーマ:『童謡』
6/30(月) 『童謡とは』
『童謡』とは“子どもが唄う歌”のことですが、
同じような意味を持つ言葉に、『わらべうた』や『唱歌』があります。
この中でもっとも古くからあるのが、『わらべうた』です。
『わらべ』とは『子ども』という意味で、『わらべうた』は“子ども達が遊びの中で作った歌”です。
それが“子どもから子ども”へと伝わっていった・・・とされています。
『わらべうた』には『子守唄』や『数え歌』、『絵描き歌』、
歌に合わせて手や指を動かす『手遊び歌』、そして、手まりをつく時に歌う『手まり歌』などがあります。
次に歴史が古いのが、『唱歌』です。
もともとは1872年(明治5年)、学校制度が誕生した際、“小学校の『音楽』の教科の名前”や、
“授業で唄われる歌”という意味で使われるようになった言葉です。
代表的な『唱歌』に、『ふるさと』や『春の小川』、『おぼろ月夜』などがあります。
『わらべうた』の曲の作り手が“子ども”であるのに対し、『唱歌』は“大人”という違いがあります。
また『唱歌』は“教育の一環のための曲”ですので、その多くが“道徳性”が重視されているそうなんですネ。
そこで“もっと子どもたちが親しみやすく、
それでいて芸術的にも優れた歌を作ろう“ということで誕生したのが童謡なのだそうです。
【感想】
童謡、わらべうた、唱歌、子守唄・・・。
私は全部をひっくるめて、『童謡』というのかと思ってました。
童謡、唱歌、わらべうたは、今の子ども達に通用しないのかな?というと、
赤ちゃんなどに歌を唄ってあげると、関心を持って聴くような仕草や、スヤスヤ眠ってしまったりと、
時代を超えて、子どもの心とか体にしみる音楽なんろうな・・・と思います。
そして大人になっても忘れませんよネ。
7/1(火) 『7月1日は「童謡の日」』
『童謡の日』は1984年(昭和59年)に『日本童謡協会』さんによって定められました。
童謡を“日本の文化遺産”として保存し、広めていくことを目的としています。
7月1日が『童謡の日』になった理由ですが、1918年(大正7年)のこの日、
小説家で童話作家の鈴木三重吉(みえきち)さんによって、
日本で初めての児童文芸誌『赤い鳥』が創刊されたことに由来しているそうです。
鈴木三重吉さんには『すず』さんという、幼い娘さんがいました。
そのすずサンへの想いから、“子どもたちにも、質の高い童話や童謡を与えたい”と考えるようになりました。
そして“子どものための芸術”として、童話や童謡を創作し、紹介していく文芸誌『赤い鳥』を自ら発行しました。
この『赤い鳥』には、芥川龍之介さんや有島武郎さん、島崎藤村さん、
菊池寛さん、宇野千代さんといった数多くの作家の方々が作品を提供しています。
そして『赤い鳥』は、“童謡の発展”にも大きく貢献しています。
例えば『雨が降ります、雨が降る。遊びに行きたし、傘はなし』の歌詞でおなじみの童謡『雨』は、
詩人の北原白秋さんが作詞し、作曲家の弘田龍太郎さんが作曲し、この『赤い鳥』で発表したものです。
【感想】
7月1日は『童謡の日』。
『赤い鳥』といえば、当時の流行誌ですよネ。
その時代の一流の作家さん達の名前が続々出てくる、そんな文芸誌。
“歌”という楽しいものから、自然に心が育むというのが音楽教育の素晴らしいところですよネ。
7/2(水) 『童謡の豆知識①』
1918年(大正7年)、日本で初めての児童文芸誌『赤い鳥』が創刊されました。
『赤い鳥』は“童謡の発展”にも貢献しましたが、最初に登場した童謡が『かなりや』です。
作詞・西條八十(やそ)さん、作曲・成田為三(なりた・ためぞう)さん。
この曲が“日本で最初に生まれた童謡”とされています。
歌詞の内容は、飼っているカナリアがある時から“鳴かない”、歌を唄わなくなってしまいます。
そんなカナリアに対して、3人の子ども達はお母さんに“山に棄てちゃいましょうか”、
“小藪に埋めちゃいましょうか”、“ムチで叩きましょうか”と言いました。
そんな子ども達に、お母さんは言いました。
“他の人には怠けているように見えても、何か他の人には分からないことで苦しんでいるのかもしれません。
このカナリアも、もっとイイ歌を唄おうとして、苦しんでいるのかもしれません。
だから気を長くして、鳴くのを待ってあげましょう”
そして、ある月がキレイな夜。
お母さんがカナリアを船に乗せて浮かべたところ、カナリアは歌を思い出して、
それまでよりもキレイな声で唄いました・・・という内容です。
【感想】
この歌、父が好きでよく唄っていたのを覚えています。そんな物語だったんですネ。
“相手の立場に立って思いやりを持つ”とか、“今よりも良くなるための試練の時期よ”とか、
“物事は多方面から見るのよ”とか、“待ってあげるのも愛情よ”とか、
いろんな教育が唄われてるんですネ。
“歌”という限りある時間の中で、音楽にのせて歌詞をつける・・・。
童謡って素晴らしいですネ。
7/3(木) 『童謡の豆知識②』
誰もが幼少の頃から慣れ親しんでいる童謡に、『うみ』があります。
1941年(昭和16年)、当時の小学校の音楽の教科書で発表されました。
作詞は、林柳波(はやし・りゅうは)さん、作曲は、井上武士(いのうえ・たけし)さん。
林さんも井上さんも、海のない群馬県の出身なんだそうです。
そのため一説には、この曲は“お二人が初めて海を見た時の感動“や
“雄大な海原への、あこがれをつづった歌”とされています。
そして、同じ『うみ(海)』というタイトルの曲があります。
こちらの『海』という曲は1913年(大正2年)、
当時の小学校の音楽の教科書に掲載された、文部省唱歌です。
童謡の『うみ』よりも、こちらが先にできたんですネ。
その翌年、1914年には『海』のことを歌った文部省唱歌『われは海の子』が発表されました。
この曲は長年、“作者不詳”とされていましたが、近年になって、
“明治時代に宮原晃一郎(みやはら・こういちろう)さんという方が作詞をされたこと“が分かったそうなんです。
宮原さんは鹿児島県のご出身で、そのためこの曲は“鹿児島の海を歌ったもの”と考えられるそうです。
【感想】
“海”というと、誰もが思い出す歌ばかり。
シンプルだけど、唄いやすく覚えやすい。
そして情景を思い浮かべることができる。
今の歌謡曲のおおもとにもなっているのが、童謡なんだなぁ・・・って思いますネ。
いつまでも唄い継いでいきたいものですネ。
7/4(金) 『童謡の豆知識③』
子どもの頃から慣れ親しんでいる童謡ですが、それでも“タイトルを勘違いしている曲”というのが
結構あるそうなんですネ。例えば、こちらの曲です。
◆♪あめ (♪あめあめふれふれ かあさんが・・・)
この曲のタイトルを、『あめあめふれふれ』と勘違いしている方、
いらっしゃるそうですが、正しくは『あめふり』です。
他にも、“歌詞を勘違いして覚えている”というケースも多いそうで、例えば『うさぎとかめ』です。
出だしの♪もしもし かめよ かめさんよ・・・に続く歌詞、
『せかいのうちで・・・』と覚えている方、いらっしゃいませんか?
私も『せかいのうちで・・・』だと思っていたんですけど、
残念ながら間違いで、正しくは『せかいのうちに・・・』だそうです。
続いて、『桃太郎』です。
出だしの♪桃太郎さん 桃太郎さん お腰につけたきびだんごひとつ私にくださいな・・・“に続く歌詞。
『あげましょう あげましょう』と覚えている方、いらっしゃったら、残念ながら間違いです。
エッ!違うんですか?私も『あげましょう』かと思ってました。
正しくは、『やりましょう やりましょう』なんですって。
“お腰につけたきびだんご、あげましょう”じゃないんですネ。“やりましょう”なんですネ。
なんか“くれてやるわ”みたいの感じの言葉に聞こえますが、こちらが正解なんだそうです。
【感想】
よく知ってるだけに、一度間違えて覚えたら、一生間違えたままになるので、気をつけましょうネ。
しかし童謡とは、いくつになっても覚えているものですネ。
子どもの頃に聴いた曲っていうのは、“情緒”とか“心の豊かさ”につながるので、
童謡の世界をいつまでも残していきたいな・・・と思います。
【今週の感想】
子どもの頃から耳にし、クチずさんでいた童謡。
それなのに、こんなに奥深いものとは知りませんでした。
どの歌が童謡で、どの歌が唱歌なのか、正直、聴いただけでは分かりにくいところはありますが、
それでもお子さん達のために作られたものであることは間違いありませんよネ。
久しぶりに童謡を聴いて、心が癒されました。童謡、本当に素敵な文化です。
【お知らせ① 次週(7/7~)からのテーマ】
夜空にきらめくもの、『星』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング ♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング ♪To Be / モントルー
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