羽田美智子のいってらっしゃい

2025.05.23

2025年5月19日週 テーマ「コロッケ」

“揚げ物”のお料理の中で、人気のひとつ『コロッケ』についてです。

 

■今週(5/19~5/23)のテーマ:『コロッケ』

5/19(月) 『コロッケとは』   

 

コロッケとは、茹でたジャガイモをつぶし、

炒めたタマネギとひき肉を加えて形を整え、衣をつけて揚げたお料理です。

 

この『コロッケ』という名前ですが、フランス語の『クロケット』が変化したもの・・・といわれています。

『クロケット』とは“フランスが発祥”とされる揚げ物のことです。

 

野菜やお肉、お魚を細かく刻み、ベシャメルソース・ホワイトソースと合わせたものを『丸』、

または『俵』の形に整えてから、パン粉の衣をつけて揚げたものです。

この『クロケット』が“コロッケのルーツ”とされていますが、

イメージとしては“ポテトコロッケ”よりも“クリームコロッケ”ですよネ。

 

コロッケが日本で初めて紹介されたのは、明治時代といわれています。

1872年(明治5年)、“西洋料理の本”に初めて“コロッケのレシピ”が登場しています。

この『コロッケ』はいわゆる『クロケット』で、

当時の日本ではまだ乳製品の加工技術が普及していなかったので、手に入りやすかった材料でアレンジされ、

その結果、“ジャガイモを使ったコロッケ”が発明されたと考えられています。

 

その後、1903年、ジャーナリストで小説家の村井弦斎(むらい・げんさい)さんが“食”に関する小説で、

『ひき肉だけ』、『ひき肉と男爵いも』、『ひき肉とお米』の3種類のコロッケを紹介しています。

 

【感想】

私、コロッケ大好きで、町のお肉屋さんなどでコロッケが並んでいると、つい買っちゃうんですよネ。

あと、コロッケサンドとかコロッケバーガーに目がなくて、

パン屋さんに行っても、コロッケのものを買っちゃうんですよネ。

同じ揚げ物の中でも、カツよりもパンチが少なく、

おやつ感覚で食べられるのもイイなぁと思っています。

 

5/20(火)   『コロッケの豆知識①』

明治時代にコロッケの原型とされる、“クリームコロッケ”の『クロケット』が、日本に伝わったといわれています。

その後、コロッケは独自に進化し、大正時代には『トンカツ』、『カレーライス』と並んで、

“三大洋食”と呼ばれるようになりました。

 

昭和になると戦後、『学校給食に関する法律』が定められ、

“冷凍食品のコロッケ”が採用されるようになりました。

そんな冷凍コロッケですが、ご家庭でも“おかず”として、

または“お弁当の一品”として、広く使われるようになります。

 

『日本冷凍食品協会』さんの『冷凍食品の国内生産量』によりますと、

2023年の『コロッケ』の生産量は、『うどん』に続いて2位です。

ちなみに、2018年は『コロッケ』が1位でしたが、

2019年からは『うどん』が1位で、『コロッケ』が2位だそうです。

 

そしてコロッケといえば、“お肉屋さん”というイメージをお持ちの方、

いらっしゃるかと思います。・・・私もそうですネ。

今もコロッケがあるお肉屋さんもありますが、それ以外にもスーパーやコンビニエンスストア、

商業施設などでもコロッケが販売されていて、幅広い世代の方に親しまれています。

 

また材料も、定番の『ひき肉とタマネギ』の他に

、『コーン』や『カボチャ』、『サトイモ』、『カニ』や『タラ』などの魚介類など、種類がとても豊富です。

さらに、『ごはん』を使った『ライスコロッケ』もあります。

 

【感想】

ご当地コロッケみたいなものも地方地方にありますし、やっぱり人気ですよネ。

私、地方ロケに行ってご当地コロッケを探すのが好きで、

それを差し入れにしたりお土産にすると、大変喜ばれますよネ。

個人的には、城崎温泉街(兵庫県)で食べたカニコロッケと

但馬牛(たじまぎゅう)コロッケが美味しかったなぁ・・・。

 

5/21(水)  『コロッケの豆知識②』

“立ち食いのお蕎麦屋さんで人気のメニュー”のひとつに『コロッケそば』があります。

この『コロッケそば』という言葉が初めて登場したのは、1898年(明治31年)といわれています。

 

小説家の斎藤緑雨(さいとう・りょくう)さんの雑誌のコラムに、『コロッケそば』という言葉と、

『吉田』というお店の名前が書かれています。

『吉田』というのは当時、東京・日本橋浜町にあったお蕎麦屋さんのことです。

現在ではその支店である、東京・銀座の『よし田』さんが

その伝統を受け継いで、『コロッケそば』を提供されているそうです。

 

『よし田』さんの『コロッケそば』の写真を見ますと、

私たちがイメージする『コロッケそば』とは、ちょっと違いますネ。

お蕎麦の上にコロッケが乗っていて、その上にネギが長くカットされていて、

とても美味しそうなんですが、コロッケの衣がなさそうな気がしますネ。

 

この『よし田』さんの『コロッケそば』のコロッケなんですが、

私たちがイメージする『ポテトコロッケ』ではなくて、『鶏肉のつくねの素揚げ』なんだそうです。

実は明治時代、“お肉100%の揚げ物”のことも『コロッケ』と呼んでいて、認識されていたそうなんです。

 

そうなると“ポテトコロッケのコロッケそば”のルーツなんですが、

一説には、大阪のそば・うどんの『潮屋(しおや)』さんの梅田店・・・ともいわれているそうです。

ちなみに、こちらのコロッケは“カレー味”だそうです。

 

【感想】

潮屋さんのコロッケそばの写真を見ますと、

お蕎麦の麺が白くて、中華そばの麺にもちょっと見えるんですが、

その上にポテトコロッケの、カレー味のコロッケが乗っていますネ。

これ、コロッケを割っていくうちに、カレーの香りが溶けだして、

カレーそばのようになっていくんでしょうかネ・・・?

コロッケそば、私、食べたことがないので、ぜひ食べてみたいなと思います。

 

5/22(木)  『コロッケの豆知識③』

『コロッケそば』と同じように、人気のひとつに『コロッケパン』があります。

発祥は、東京・銀座にあります『チョウシ屋』さんといわれています。

創業は1927年(昭和2年)という老舗のお店です。

 

チョウシ屋さんの『コロッケパン』ですが、昭和20年代頃、お客さんがパンを持ってきて、

“これにコロッケをはさんでよ”と頼んだのがキッカケなんだそうです。

そしてこちらのお店では、同じ『コロッケパン』でも、

“コロッケをはさむパン”が、“食パン”と“コッペパン”の2つの種類が選べるそうです。

・・・写真を見ますと、とてもシンプルな、たまらなく美味しそうです。

 

そんなコロッケですが、郷土料理になっているものもあります。

例えば、青森県むつ市の『大湊(おおみなと)海軍コロッケ』です。

大湊は港町で、明治時代には海軍があって、そこで誕生した“海軍グルメ”のひとつといわれています。

このコロッケですが、当時、兵隊さんの栄養不足を補うために提供されていたそうです。

 

現在は“一定の条件を満たしたコロッケ”を『大湊海軍コロッケ』と認定しています。

その条件とは、『揚げる時に使う油は、牛の脂肪から作られる「牛脂」を使うこと』

そして、『下北半島で採れる新鮮な食材を具材にする』の2つです。

具体的には、イカやホタテなどが使われていますが、

お店によって具材が違うそうなので、食べ比べが楽しめるそうです。

 

【感想】

下北半島で採れる新鮮な食材というだけで、絶対美味しいコロッケですネ。

『大湊海軍コロッケ』、ぜひ食べてみたいですネ。

・・・しかしコロッケは、食をそそりますネ。

 

5/23(金)  『コロッケにまつわる数字』

総務省統計局の『家計調査』に、都道府県別の『ご家庭でのコロッケの購入金額』というデータがあります。

それによりますと、2022年から2024年までの平均で、

“最も多くコロッケを購入している都市”は、福井県福井市で3437円です。

全国の平均が2174円ですから、1000円以上も多いですネ。

 

ちなみに福井市は、コロッケ以外にも『カツ』、さらに『フライ・天ぷら』のジャンルでも1位だそうです。

福井県でコロッケがよく食べられている理由ですが、

一説には“共働き率が高いため、お総菜として出来合いを買って帰ることが多いから“といわれているそうです。

 

他にも明治から昭和にかけて、開拓のために北海道に渡った人が最も多かったのは、

富山・石川・福井の“北陸3県”なんだそうなんですネ。

そのため北陸地方と北海道の間では、“船による品物のやり取り”が盛んだったそうです。

その際、北海道からコロッケの材料のジャガイモが大量に持ち込まれたことも、

福井を始め北陸に“コロッケ好きの方が多い”といわれているそうです。

 

実際、『コロッケの購入金額』のランキングを見ますと、

1位の福井市に続いて、3位に富山県富山市、10位に石川県金沢市と北陸の3つの都市が

ベスト10にランキングされています。

 

【感想】

へぇ~、北陸の人はコロッケ好き・・・。

なんか親近感、感じますネ。

北陸でもコロッケを食べましたが、新鮮な魚介類のコロッケ、とっても美味しかったなぁ~。

今日のランチはコロッケ定食、いかがでしょうか。

 

【今週の感想】

私と同じように“コロッケが好きです!”という方、

結構いらっしゃるみたいで、たくさんの反響をいただきました。

ありがとうございます。それだけ皆さまに愛されているんですネ。

お肉屋さんで売っている、揚げたてのアツアツのシンプルなポテトコロッケも、

洋食屋さんでいただくクリームコロッケも、さらに、その土地ならではのご当地コロッケも美味しいですよネ。

・・・食べたくなりました。今日はコロッケを食べます!(笑)

 

【お知らせ① 次週(5/26~)からのテーマ】

演劇などを観るところ、『劇場』についてです。

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

◆オープニング  ♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

◆エンディング  ♪To Be  /  モントルー

パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/