お味噌汁の人気の具材のひとつ、『シジミ』についてです。
■今週(4/21~4/25)のテーマ:『シジミ』
4/21(月) 『日本のシジミ』
日本に生息している『シジミ』は、『ヤマトシジミ』、『セタシジミ』、『マシジミ』の3つの種類です。
『ヤマトシジミ』は主に、『汽水(きすい)』と呼ばれる“海水と淡水(真水)が混ざった場所”に生息しています。
そして現在、日本で獲れるシジミの99%以上が『ヤマトシジミ』なんだそうなんですネ。
そのため私たちが“食材”として目にするシジミも、ほとんどが『ヤマトシジミ』だそうです。
『セタシジミ』は、滋賀県の琵琶湖に生息する“固有の種類”です。
ところが琵琶湖の水質など環境の悪化によって、獲れる量が大幅に減っているそうです。
そして『マシジミ』ですが、水田の周辺の小川にたくさん生息していましたが、
こちらも環境の変化によって、ほとんど姿を消してしまったそうです。
このように、シジミはキレイな水の中に生息していますが、
実はキレイな水をつくっているのは、シジミ自身なんだそうなんです。
・・・といいますのは、キレイな水には、プランクトンや有機物などがたくさん含まれているんですネ。
その中には、水質を悪化させてしまう生物もいますが、シジミはそれらを食べることで、
“水質を一定に保つ働き”をしてくれるんだそうです。
【感想】
シジミって、すごい働きをするんですネ。
見た目は小さくて可愛い貝ですが、栄養も豊富で、
あの何ともいえない食感とほんのりとした苦み、美味しいですよネ。
“環境の変化で獲れにくくなった”ということはよく聞きますが、
まだまだ復活する希望もあるような気がしています。
わが故郷・茨城もシジミが獲れますが、そのお話は明日にしますネ。
4/22(火) 『シジミの産地』
日本で獲れるシジミのほとんどが、『ヤマトシジミ』です。
主に“汽水”と呼ばれる、“海水と淡水(真水)が混ざった場所”に生息しています。
その中でも代表的な場所が、いくつもあります。
例えば、島根県の『宍道湖(しんじこ)』です。
ここで獲れるシジミは“粒が大きい”ことで知られていて、全国で獲れるシジミの量の“4割以上”を占めています。
続いて、青森県の『十三湖(じゅうさんこ)』と『小川原湖(おがわらこ)』です。
『十三湖』のシジミは、色が濃くてツヤがあり、『小川原湖』のシジミは、粒が大きいといわれています。
続いて、茨城県の『涸沼(ひぬま)』です。
こちらのシジミも“粒が大きい”ことで知られていて、“プリッとした食感”と“濃厚な味わい”が特徴です。
そして、北海道の『網走湖(あばしりこ)』です。
大きい粒の中に“身がギュッと詰まっている”のが特徴で、シジミの濃厚なエキスが凝縮されています。
他にも、長野県や岐阜県、愛知県、三重県、滋賀県にまたがる、
『木曽川(きそがわ)』、『長良川(ながらがわ)』、『揖斐川(いびがわ)』の
“3つの川”、『木曽三川(きそさんせん)』も、『ヤマトシジミ』の産地として知られています。
【感想】
何と言っても、宍道湖のシジミは有名ですよネ。
私の故郷・茨城の涸沼のシジミは、一度取材に行ったことがあるんですが、
昔ながらの舟に乗って、漁師さんが静かに静かに獲る、とっても美しい1枚の絵を見るような光景でしたネ。
なんか不思議ですよネ。シジミって・・・。
シジミの栄養については、明日お話します。
4/23(水) 『シジミの栄養価』
古くから“お酒を飲んだあとにはシジミ汁”と言い伝えられていて、
江戸時代の頃には、“シジミは肝臓に良い食材”として知られていたそうです。
そんなシジミの“健康効果”、“パワーの秘密”は
『オルニチン』という成分によるもの・・・ということが、研究で明らかになっています。
オルニチンは、身体中を血液とともにめぐる『アミノ酸』のひとつで
数ある食材の中で、特にシジミに多く含まれています。
このオルニチンが肝臓の働きを助け、アルコールによって起こる疲労を抑えて、
お酒を飲んだ翌日でも元気に過ごすことが期待されています。
他にもオルニチンには、筋肉や骨の発達、脂肪の燃焼に作用する
成長ホルモンを促す働きがあるとされています。
また、お肌の質の改善にも効果があるといわれています。
さらに夜、寝る前にオルニチンを摂ると、
スッキリ目覚めることができた・・・という報告もあるそうです。
他にも、シジミには『ビタミンB12』が豊富に含まれています。
ビタミンB12は、血液を造るのに必要な栄養素で、“造血のビタミン”とも呼ばれています。
また『鉄』や『亜鉛』といった、『ミネラル』もたくさん含んでいるので、
“身体の調子を陰から支えてくれる”とされています。
【感想】
シジミの栄養素、鉄とか亜鉛とか、身体に必要としていても
なかなか食材から摂りにくい成分ですが、シジミには豊富に含まれているんですネ。
シジミのお味噌汁は、ぜひ飲まなくちゃいけませんネ。
私は実は今朝、シジミのお味噌汁、作って飲んできました。完璧です(笑)
4/24(木) 『シジミの豆知識』
シジミには『夏』と『冬』の2回、“旬”があります。
“夏の『土用』の頃に獲れるもの”は『土用しじみ』、“冬に獲れるもの”は『寒しじみ』と呼ばれています。
土用しじみは“産卵を控えているシジミ”で、身が大きくて栄養が豊富といわれています。
“夏の土用の時期に食べるもの=ウナギ”というイメージがあるかと思いますが、
実はシジミはウナギよりも前から食べられていたそうです。
それに対して寒しじみは、寒さに耐えるために栄養を蓄えるため、
“身が締まって旨味が増す”といわれています。
また“肝機能の働きを促す”とされ、シジミの代表的な成分『オルニチン』は、
土用しじみよりも寒しじみのほうが、多く含まれているそうです。
実際、“シジミのオルニチンが最も増える温度”を調べた結果、約マイナス4℃だったそうです。
ちなみに『シジミ』という名前の由来ですが、諸説あります。
例えば、貝殻の表面にシワがたくさんあって、“縮んでいるよう見える”ことから・・・。
または“煮ると身が縮む”ことから、『チジミ』が『シジミ』になった・・・という説です。
他にも、シジミはたくさん集まって生息していることから、
“繁って群れている貝”から『シジミ』になった・・・という説もあります。
【感想】
土用しじみと寒しじみ、聞いたことはありますが、旬が2回あるんですネ。
シジミの名前の由来については考えたことがなかったんですが、そういう説なんですネ。
シジミ・・・。しみじみ見ると、可愛いらしい貝ですよネ。
4/25(金) 『シジミの料理』
“シジミを使ったお料理”の代表的なものに『しじみ汁』と呼ばれる、お味噌汁やすまし汁があります。
シジミの代表的な産地である、滋賀県や島根県では、しじみ汁は郷土料理でもあるそうです。
他にも、『しじみの炊き込みご飯』も美味しいですし、ニンニクやショウガなどを加えたお醤油に、
シジミを漬けた『しじみの醤油漬け』は、台湾料理を代表する一品です。
またシジミは、佃煮の材料としてもよく使われています。
同じ『しじみの佃煮』でも、シジミだけをお醤油と本みりんで煮て作るものや
ショウガと合わせて煮て作るものなどがあります。
さらに、“シジミから煮出した汁”を使って、海苔を炊き上げてつくる佃煮など、バリエーションがとても豊富です。
そんな中、瀬戸内海の小豆島の佃煮屋さんが作る“濃縮タイプのしじみの素”というのがありまして・・・。
その名も『しじみの恵み』です。
この『しじみの恵み』には、シジミ約4000粒分のエキスが入っているそうなんですネ。
そのままお湯で溶けば、立派な『しじみ汁』になりますし、
炒めものに使ったり、冷奴や納豆、卵かけご飯にかけたりすると、ひと味違って美味しくいただけるんですネ。
まさに“飲む佃煮”なんです。
【感想】
こちらの商品はですネ、実は私、気に入ってしまいまして、
私のお店(『羽田甚商店』)でも取り扱っているんですネ。
ビックリするくらい、美味しいんですよネ。
シジミ汁を飲んで、皆さまの健康に役立ててほしいなぁ・・・と思う商品です。
【今週の感想】
お味噌汁の具の定番であるシジミですが、他の貝と比べると、正直、ちょっと地味な印象がありますよネ。
それでも今週の放送で、その素晴らしさが分かっていただけたと思います。
私もいろいろ勉強させていただきました。
シジミのお味噌汁を朝飲むと、その日1日、すごく頑張れる気がするんです。
それだけシジミのパワーがすごい!ということなんですよネ。
あの小さな身体に秘められた大きなパワー、積極的に摂っていきたいですネ。
【お知らせ① 次週(4/28~)からのテーマ】
今年2025年は『昭和』の元号にあてはめますと、ちょうど100年になります。そこで『昭和』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング ♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング ♪To Be / モントルー
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