“日本の文化を象徴するもの”のひとつ、『本音と建前』についてです。
■今週(4/14~4/18)のテーマ:『本音と建前』
4/14(月) 『本音と建前とは』
『本音』とは、“ウソ偽(いつわ)りのない本当の気持ち”、“本心から出た言葉”のことです。
それに対して『建前』とは、“表向きの意見や考え”のことで、
“本心を隠して表向きの言葉を伝える”という意味です。
このように本音と建前は、対義語、“反対の意味の言葉”でもあります。
それでも建前は、”表向きの考え”であって、“本心”ではないことから、
“建前=ウソ”と思われることも多いそうなんですネ。
ところが実際には“違うもの”なんだそうです。
その理由ですが、『ウソ』とは“事実ではないこと”や
“偽り”という意味で、そこには“他人をだます・あざむく”という“意思”があるんですネ。
それに対して『建前』には、その“意思”がないんです。
これが『ウソ』と『建前』の一番の違いなんだそうです。
日本には“自分の本音を隠して、相手の気持ちを
優先的に尊重する“という風潮があるといわれています。
そのため集団としての“和”を重んじ、“空気を読む”ということを求められる傾向にあります。
このように、“周囲と上手くやっていくための方法”として、建前はとても大事とされています。
【感想】
本音はとても相手の心に響きやすく、理解されるものですが、
時には本音は相手を傷つけたり、その場を乱すこともありますよネ。
ウソではないけど、調和を保つための建前。
社会を円滑にするためには、必要なことのように思います。
4/15(火) 『建前の豆知識①』
日常の会話の中で、『建前』が使われている理由ですが、いくつかあります。
例えば、『トラブルや揉めごとを避けるため』です。
相手の方と考えや価値観が違っている時、それを本音でぶつけてしまうと対立して、
トラブルが大きくなることもあります。
また日本人の場合、“本音を言ったら相手を傷つけてしまうのでは?”と
不安に思う人が少なくないそうなんですネ。
相手に不快な思いをさせず、その場を穏便に済ませるためにも建前は必要とされているそうです。
他にも、『人間関係をスムーズにするため』です。
相手の気持ちを尊重しながら、言い回しや表現を選択していくことで良い人間関係が築けるそうなんですネ。
特に日本人の場合、“初対面の人”や“これから親しくなろうとする人”に対して、
“相手の気持ちを尊重すること”で、良い人間関係を築いているそうです。
そこには無意識のうちに、本音と建前を使い分けているんだそうです。
例えば、お誘いを受けたけれど、行きたくない時。
その気持ちをハッキリ伝えてしまうと、相手の方が嫌な気持ちになったり、
その場の雰囲気が悪くなったりすることがありますよネ。
それを避ける意味でも、建前が使われるのだそうです。
【感想】
建前は社会の潤滑油のようなもの、思いやりでもあるんですネ。
無意識に1日何回か、建前を言っている人も多いのではないでしょうかネ。
おウチを建てる時に『建前』という言葉、ありますよネ。
そのお話は明日したいと思います。
4/16(水) 『建前の豆知識②』
建築用語にも、『建前』という言葉があります。
これは“家や建物の骨組みが組み上がった状態”という意味で、『棟上げ(むねあげ)』とも呼ばれています。
この棟上げが終わった際、大工さんへの感謝を込めて、
無事に骨組みが出来上がったことをお祝いするのが『上棟式(じょうとうしき)』です。
上棟式は大工さんの他に、“地域の方々への挨拶”が中心で、
“ご近所づきあい”、つまり“人間関係”を重視しているそうです。
そこからこの建築用語の『建前』が、本音と建前の『建前』の語源といわれているそうです。
この『建前』という漢字ですが、辞書によっては同じ読み方で、『立前』という言葉が一緒に載っています。
立前も意味は“表向きの考え”で、建前と同じなんですが、
他にも“商人の方が商品を売る際の言葉・口上”という意味もあるそうなんです。
実演販売のプロの方の場合、商品を説明する際、ちょっと大げさに言ったりすること、ありますよネ。
その一方で、その商品のデメリットは絶対に言いません。
ここから建前(立前)が“表向きの言葉”という意味になったともいわれているそうです。
【感想】
今はあまり見かけなくなった光景ですが、
子どもの頃は近所に建前があると、みんなで集まって、投げてもらうお菓子とかもらってましたよネ。
建前、一説には“新しいおウチで災いが起きないように、
前もって厄落としをする“という意味で、建前をおこなっていた・・・とも聞きました。
建前は日本らしい文化のひとつですよネ。
4/17(木) 『本音と建前の由来』
『本音と建前』という言葉には、由来があるそうです。
昔、有名な大工さんの親方、棟梁(とうりょう)がいました。
そして明日が“家や建物の骨組みが組み上がった状態”、
『建前』という前の晩に、玄関の柱を短く切りすぎてしまった・・・というミスに気づきました。
この棟梁はプライドが高いため、自分の未熟さを恥じて、自ら命を絶とうと考えました。
それを見ていた奥さまが、“この人のためになら自分が死んでもイイ”という想いから、
棟梁にお酒を飲ませて寝かしつけました。
そして奥さまは寝ないで、補修する方法を考えだしました。
翌朝、目覚めた棟梁は奥さまから教わった方法で、無事に建前を終えることが出来ました。
それなのにこの棟梁は、“いくら夫婦といえども、妻がいつ、このことを話すか分からない。
元は他人ではないか。それにいつ別れるとも限らない“と、疑心暗鬼になりました。
そして“バレたくない”という“見栄”と“意地”、
さらに“自分の恥”が表に出るのを恐れた棟梁は、なんと!奥さまの命を奪ってしまったんです。
その後、棟梁は、次第に自分の犯した罪を悔やみ始め、奥さまの霊を供養しました。
このように本音で尽くしてくれた奥さまに対し、建前にこだわるあまり、
奥さまの命を奪ってしまった・・・というエピソードが、『本音と建前』の由来とされているそうです。
【感想】
そんな物語があったんですネ。
旦那さまのために尽くした人を殺めてしまうなんて、むごい話ですネ。
やはり本音で、真心で生きていくのが、一番尊いことだなぁ・・・って戒めてくれるエピソードですネ。
4/18(金) 『本音と建前の雑学』
“本音と建前を表現するもの”として、京都の『いけず文化』があるといわれています。
『いけず』とは“意地が悪いこと”という意味ですが、
京都では“言いづらいことを遠まわしに伝えるための表現”や“角が立たないよう、状況だけを伝える表現”、
つまり、“一般的な本音と建前の表現”として使われているそうなんですネ。
有名な表現に、京都のお宅にお邪魔した時、“ぶぶ漬け、いかがどすか?”と言われたら、
“長居してないで帰ってください”という意味とされています。
ついうっかり“ほな、いただきます”とは言ってはダメなんですネ。
他にも、“何を着ても似合わはりますなあ”は、“そんな格好して、恥ずかしゅうないんかい”という意味。
お子さん連れの親御さんに対しての、“まあ、元気のええお子さんやな。子どもは元気が一番や”は
“静かにさせなさい。どんな躾(しつけ)してるんや”という意味になるそうなんですネ。
こういう言い回しは、京都以外の方には分かりにくく、
人によっては“嫌味だなぁ・・・”と受け取るかもしれないですよネ。
でも京都の方からすると、あくまで“相手を気づかっての言葉”で、“察してくださいね”ということなんだそうです。
【感想】
京都の文化、知れば知るほどおもしろいですネ。
もともと日本人はハッキリと言わずに、お互い気づかい合って調和をとってきた国だと思います。
本音と建前、外国にもあるとは思いますが、人間関係を円滑にする、頭の良い使い方だと思いますネ。
【今週の感想】
“建前=ウソ”というイメージをお持ちの方、結構いらっしゃるかと思います。
“建前じゃなくて、本音で話して”というやりとり、日常でもよくありますよネ。
でも、みんながみんな本音だけで話していたら、
意見がぶつかり合うだけで、それを避けるために“引く”というか、
“建前”は必要なんじゃないかな・・・って思います。
その一方で、“これは本音じゃなくて建前なんだ”と見分けることも大事なんだなって思いました。
皆さまはどう思われますか?
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【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング ♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
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