“ハガキや封書など、郵便物に貼るもの”、『切手』についてです。
■今週(3/24~3/28)のテーマ:『切手』
3/24(月) 『切手の歴史①』
切手は『郵便料金を先に払いました』という証拠として、郵便物に貼るものです。
そんな切手ですが、イギリスで誕生しました。
当時、イギリスの郵便は『距離制』で、お届け先の距離によって
郵便料金が異なっていて、その料金もとっても高かったそうです。
さらに“受け取る人”が料金を支払う・・・という仕組みだったため、
“受け取りを拒否する人”が多く、また一般の人は、なかなか利用できませんでした。
そこで、のちに“近代郵便の父”と呼ばれたローランド・ヒルさんが、改革に乗り出しました。
そして、『お届け先の地域に限らず、料金は同じで安くする』、
『受取人ではなく、差出人が料金を前払いする』、
『その際、支払った証拠として郵便物に何か貼り付ける』と提案し、世界で初めて『郵便制度』を作りました。
その後、1840年には“郵便物に貼り付けるモノ”として、世界で初めての切手が誕生しました。
この切手ですが、ヴィクトリア女王の横顔が描かれています。
そして、黒いインクで印刷されていたことから、『ペニー・ブラック』と呼ばれるようになったそうです。
【感想】
その昔、郵便料金は“距離”によってだったんですネ。
もしも日本でその当時、郵便があったなら、
東京から沖縄や北海道に手紙を出したら、大変な料金だったんですネ。
ローランド・ヒルさんの功績は大きいですよネ。
一律料金で全国どこでもお手紙を出せるって、とても助かりますよネ。
この『ペニー・ブラック』、とってもイイ切手です。
子どもの頃、切手を集めていたことを思い出します。
3/25(火) 『切手の歴史②』
1840年、イギリスで、世界で初めての切手『ペニー・ブラック』が誕生しました。
切手は印刷して造られますが、その際、“大量に印刷できる“のと、“偽造を防止できる”という点で優れていました。
この『ペニー・ブラック』ですが、当初の発行数は“240枚つづりのシート”で28万枚以上、
枚数にすると、6800万枚以上にもなりましたが、発売初日から大変な人気で、何度も増刷されたそうです。
そして同じ1840年に、同じくヴィクトリア女王の横顔が描かれた切手が発売されました。
こちらは印刷の際、青色のインクが使われていることから『ペンス・ブルー』と呼ばれています。
ちなみに『ペンス』も『ペニー』と同じ“お金の単位”で、“ペニーの複数形”が『ペンス』です。
そしてイギリスに続いて、1843年にスイスが郵便制度を改革し、切手を発行しました。
さらにこの年、ブラジルでも発行しています。
こうしてイギリスをお手本に、世界中で切手が発行されるようになり、
その波は大きく広がっていきました。
例えばアメリカでは1847年、フランスでは1849年、そして日本では1871年(明治4年)に、
それぞれ“最初の切手”を発行しています。
【感想】
1840年にイギリスで切手が誕生してから、日本で発行されるまで、30年以上の時間がかかったんですネ。
明治になってから切手が登場したんですネ。
最初の切手はどんなのだったんでしょうか?そのお話は明日したいと思います。
3/26(水) 『日本の切手の歴史』
時代が明治になると、急速に“近代化”が進められました。
そんな中、官僚で政治家の前島密(まえじま・ひそか)さんはイギリスで郵便制度を学び、
1871年(明治4年)、日本に郵便の仕組みを築き上げました。
そして、この年に発行されたのが“日本最初の切手”、『竜文切手(りゅうもんきって)』です。
その名のとおり、竜の絵が描かれています。
ただ当時は、印刷技術がまだ発達していなかったため、“図柄が少しずつ異なる切手”があったそうです。
『文(もん)』は、当時の“お金の単位”です。
この時、『四十八文』、『百文』、『二百文』、『五百文』の4種類の切手が発行されました。
また翌1872年には、『竜銭切手(りゅうせんきって)』が発行されました。
ちなみに『切手』という名前ですが、これも前島密さんが付けられたそうなんですネ。
古くから日本では、“お金を払って得た権利を証明する紙”のことを
『切符手形(きりふてがた)』、略して『切手』と呼んでいたそうです。
このように“切手”という言葉は、当時の人々にとても身近なものだったことから、前島密さんは
“料金を支払った証拠として、郵便物に貼り付けるモノ”のことを『切手』にしたのだそうです。
【感想】
“日本の最初の切手”はどんなものかなぁ?ワクワクしていました。とってもカッコイイです。
左右対称に竜の絵が描かれているのが、額のようになっていて、真ん中に『銭五百文』と書かれています。
色は4色あります。とっても素敵です。前島密さんが“日本の郵便の祖”なんですネ。
3/27(木) 『切手の豆知識①』
切手には、『普通切手』と『特殊切手』の2つの種類があります。
『普通切手』は、郵便局の窓口やコンビニエンスストアなどで1枚単位で販売されています。
その中で、“一番金額が低い”のは『1円切手』で、
“日本の近代郵便の父”と呼ばれる、前島密さんの肖像画が描かれています。
それに対して“一番金額が高い”のは『500円切手』で、
東北の『十和田八幡平国立公園』の奥入瀬渓流が描かれています。
現在、ハガキに使われる普通切手は『85円切手』、封書に主に使われるのは『110円切手』です。
そして。“郵便物の重さ”や“差額分の料金”などに対応するため、様々な額面の切手が発行されています。
また『普通切手』の中には、“お祝い事の招待状”などに使う85円と110円の『慶事用切手』と、
“喪中はがき”や“法事の案内”などを送る際に使う85円の『弔事用切手』があります。
そして、各地の名勝や名産品などを題材にした『ふるさと切手』も発行されています。
他にも“シール式の切手”、『グリーティング切手』があります。
【感想】
そうなんですよネ。郵便料金が変わったので、私、昨日、郵便局に行ったんですけど、
以前に買っておいた切手を貼って、差額分を窓口で貼ってもらいました。
差額は4円でしたネ。
また切手のデザイン、本当に好きで、
いろんな地方の郵便局に行っては、シートタイプのものをながめて、
“アッ、これ可愛い、これ可愛い!”って買ってきてため込んでしまうんですよネ。
切手のデザインって好きだなぁ・・・。
3/28(金) 『切手の豆知識②』
切手のシートには、『目打ち』と呼ばれる穴が開いています。
切手はこの『目打ち』で切り取って使うので、四方がギザギザの形をしています。
それでも中には、ギザギザがあるのが“上下”だけで、“左右にはない切手”というのもあるそうです。
そんな切手の大きさですが、原則として、
縦・横の長さがそれぞれ、『15mm以上、50mm未満』と決まっています。
そんな中、これまで発行された日本の切手の中で、“一番大きな切手”は、
1948年(昭和23年)に発行された記念切手『見返り美人』と、
翌1949年に発行された記念切手『月に雁(かり)』です。
大きさですが、それぞれ“67mm×30mm”です。
逆に“一番小さな切手”は、1871年(明治4年)に日本で最初に発行された『竜文切手』と、
翌1872年に発行された『竜銭切手(りゅうせんきって)』で、それぞれ大きさは、“20mm×20mm”です。
そんな切手には、“国際的な決まり”というのがあります。
それは『1966年以降、切手にはローマ字で国・地域名を表記する』というもので、
郵便に関する国際機関『万国郵便連合』によって定められました。
☆参考:日本の切手は、日本語での表記の他に、『N・I・P・P・O・N』(ニッポン)』と表記されています。
【感想】
なるほど。確かに40円切手が上下だけギザギザ。この切手、見覚えありますネ。
なんだか切手を見ていると、切手を貼ってお手紙を出したくなりますよネ。
【今週の感想】
メールやLINEが生活の一部となった現在、お手紙を書くこと自体、減ってきていますから、
切手を目にすることも少なくなっていますよネ。
それでも切手には、その国の文化というものが詰まっていると思います。
切手が貼られた郵便物が届いた時、なかなか切手に注目することはないかもしれませんが、
“今の切手ってこういうデザインなんだ”と、新しい発見があるかと思います。
“切手”という文化が、いつまでも続きますように・・・。
追伸:一部の放送局でお聴きの皆さまとは、3/31(月)の放送でお別れとなります。
とても残念ですが、最後の放送の日もお聴きいただけたら嬉しいです。
【お知らせ① 次週(3/31~)からのテーマ】
季節を問わずお店に並んでいて、“いつでも手に入る身近な野菜”のひとつ、『キャベツ』についてです。
注:3/31で放送が終了する放送局では、別のテーマでお送りします。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング ♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング ♪To Be / モントルー
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