卵を使ったお料理の中で、“お弁当のおかず”としても人気のもの『卵焼き』についてです。
■今週(3/10~3/14)のテーマ:『卵焼き』
3/10(月) 『卵焼きのはじまり』
エジプトの古い文書には、紀元前1500年頃には、
『ニワトリが毎日、卵を産んでいた』という記録が残っているそうです。
そんなニワトリですが、日本には紀元前の弥生時代の頃、
中国から朝鮮半島を経由して、伝えられたとされています。
しかし一般的に卵を食べるようになったのは、江戸時代に入ってからのことです。
当時は、まだまだ庶民には手の届かない“特別な食べもの”で、
“高嶺の華”といえる存在だったそうです。
その後、卵を使った“江戸の庶民のごちそう”として流行したのが
『たまごふわふわ』というお料理です。
静岡県袋井市(ふくろいし)の“ご当地卵料理”で、袋井には東海道五十三次の宿がありました。
その中で、主に大名や公家、幕府の役人などが泊まっていた宿で、宿泊客の朝食に出された・・とされています。
この『たまごふわふわ』ですが、沸騰させたお出汁の中に、溶き卵を流し入れて蒸したものです。
ふわっと仕上げた“泡のような食感”が楽しめるお料理で、写真を見ますと、ムースのような見た目ですかネ。
なんかスイーツのようにも見えるんですよネ。
そして一説には、この『たまごふわふわ』が“卵焼きのはじまり”といわれているそうです。
【感想】
江戸の庶民のごちそうって、かなり手がこんでいますネ。
ふわふわっとしてて、クチの中で溶けてしまう食感を楽しんだんでしょうネ。
卵焼きって、小さい頃から家庭料理の定番でしたが、『たまごふわふわ』は食べたことないんですよネ。
これ作ってみようかな。
3/11(火) 『卵焼きの豆知識①』
同じ卵焼きでも、関東と関西では違うとされています。
関東の卵焼きは味が濃く、特に甘さが強いといわれています。
お砂糖を入れて、一気に仕上げる関東の卵焼きは“厚焼き卵”ともいわれます。
しっかり焼かれることから、表面にうっすらとした焦げ目ができるのも特徴です。
関東の卵焼きが甘い理由ですが、諸説あります。
例えば“江戸前寿司と関係している”という説です。
江戸時代、お寿司は屋台でいただくファストフードで、
保存性を高めるために、お酢やお砂糖が使われていました。
そのお寿司に、『玉(ぎょく)』というネタがあります。
卵にお魚のすり身や調味料を加えて作るもので、その際にお砂糖が使われました。
それによって保存性を高めるのと同時に、さらに味にコクと深みを出していたそうです。
また当時の江戸では、卵を食べる機会が増えていきました。
とはいうものの、卵は庶民が気軽に買えるものではなく、お砂糖も高級食材でした。
それでも江戸っ子は“見栄”と“粋(いき)”を大事にしていて、
高級な卵とお砂糖が手に入った時は、たっぷり使うのが
“粋”だとされていた・・・という説もあるそうです。
こういった理由から、関東の卵焼きは“甘い”とされています。
【感想】
関東は確かに甘いですよネ。
私は大好きですけど、関西の人は関東の卵焼きをどう思うのでしょうか。
私は“厚焼き卵作るの上手”と自負していますが、やっぱり甘くしちゃいますよネ。
そのほうが家族には好評です。今度、関西のお友達に作って、感想を求めてみようかな。
3/12(水) 『卵焼きの豆知識②』
同じ卵焼きでも関東では味は甘めで、少し焦げ目がつくほどに焼き上げる『厚焼き卵』のことを指します。
それに対して関西では、お出汁を効かせて焦がさずに、
何度も重ねて焼き上げる『だし巻き卵』のことを指します。
そして焼き上がったら、大根おろしを添えることが多いです。
実は『だし巻き卵』の巻き方には、2つあるのをご存知でしょうか。
1つは“手前から奥へと巻く巻き方”で、『京巻き』と呼ばれています。
もう1つは“奥から手前に巻く巻き方”で、こちらは『大阪巻き』と呼ばれているそうです。
『大阪巻き』のほうが“一般的”といわれることが多いそうですが、
その一方で、『京巻き』のほうが巻いていく時に、巻いた卵自身の重さで、巻きがしっかりしていて、
“締まった形のだし巻き卵”になるともいわれているそうです。
そして焼き上がったら、仕上げに巻き簀(す)などを使って、形をキレイに整えるのが基本だそうです。
関西の場合、お出汁をとるのに使う昆布が手に入りやすかった・・といわれています。
そのため関西では、古くからお出汁を大切にし、
食材の色合いですとか、味を活かすことをメインとした食文化が発達してきました。
それが“卵焼きの作り方”にも表れているそうなんですネ。
同じお出汁でも地域によって違いがあって、
その土地ならではの“風味豊かなお出汁”と“卵の味”を楽しめるそうです。
【感想】
へぇ~、“京巻き”に“大阪巻き”。
私は手前から奥に行ったのちに、奥から手前に転がしてくるので、“京巻きと大阪巻きのミックス”ですネ。
・・・同じ方向のほうがイイのかなぁ。
今度試してみて、どちらがイイか、ちょっとチャレンジしてみたいと思います。
3/13(木) 『卵焼きの豆知識③』
同じ卵焼きでも、関東の『厚焼き卵』と関西の『だし巻き卵』では、味も見た目も違うといわれています。
それ以外にも、“卵焼きを作る時の道具”にも違いがあるそうなんですネ。
例えば、関東の卵焼きに主に使われる卵焼き器は、『東型(あずまがた)』と呼ばれています。
形は“ほぼ正方形”で、『角型』とも呼ばれているそうです。
それに対して、関西の卵焼きに使われているのは、『西型(にしがた)』と呼ばれています。
形は“細長い長方形”です。
この形の違いですが、関東の卵焼きの場合、たっぷりの卵を一気に流し入れて、
一度に巻いて返して作るため、正方形の卵焼き器のほうが作りやすい・・・といわれています。
また正方形のほうが、卵焼きをお寿司に使う海苔と同じサイズに仕上げるのに向いている・・・
という説もあるそうです。
お寿司屋さんでは、フタを使ってひっくり返しながら、焼き上げていきますよネ。
それに対して、関西の卵焼きの場合、薄く焼いて、1/3程度で返していきます。
何度も返しますので、卵焼き器も細長いほうが返しやすい・・・といわれています。
ちなみにご家庭では、『西型』のほうが使いやすいそうです。
【感想】
これ、我が家も『西型』ですネ。
お寿司屋さんにある正方形の卵焼き器、あこがれますが、やっぱりちょっと私には難しいイメージがあります。
職人さんって上手に焼きますよネ。
なんだか“お寿司屋さんの卵焼き”、無性に食べたくなりました。
3/14(金) 『卵焼きの雑学』
卵焼きの仲間に、『う巻き』があります。
ウナギの蒲焼きを“卵焼きの芯”にして焼き上げた料理です。
常に蒲焼きが真ん中にくるように、だし巻き卵を作る要領でウナギを巻いて焼きますが、
その際に焦げないようにするのがポイントだそうです。
『伊達巻』も同じく卵焼きの仲間です。
卵にお魚のすり身などを混ぜて焼いたものを、渦巻きのように巻いて作ります。
味付けは、関東のほうが関西よりも甘いといわれています。
また同じ『伊達巻』でも、“水分が多くてジューシーなタイプ”と
“カステラのような水分少なめのタイプ”の2つのタイプがあるそうです。
ちなみに、この『伊達巻』という名前の由来には諸説あります。
例えば、“着物の着崩れを防ぐために帯の下に締める帯”のことを
『伊達巻』と呼んでいて、それに似ていることから、この名前が付いた・・・とする説です。
他にも、『伊達』という言葉には、“豪華”や“派手”、“粋”といった意味があり、
普通の卵焼きよりも見た目が華やかなことから、“伊達な卵焼き”が『伊達巻』になった・・・という説。
他にも、“戦国武将の伊達政宗公が好んで食べた”ということからその名前が付いた・・・
という説などがあるそうです。
【感想】
『う巻き』も最高だし、『伊達巻』も美味しいですよネ。
私はカステラみたいな、ふわふわっとした『伊達巻』が好きですネ。
卵焼きってとってもシンプルだけど、私たちの生活にはなくてはならないありがたいお料理ですよネ。
【今週の感想】
卵焼きは、子どもの頃から慣れ親しんでいる食べ物ということで、
“食べ物シリーズ”の中でも、特に反響が大きかったです。
それだけ愛されている食べ物なんですよネ。
関東の『厚焼き卵』と関西の『だし巻き卵』、好みは分かれますが、どちらも美味しいですよネ。
お弁当に入っていると、彩りも良いですし、本当にありがたいお料理です。
【お知らせ① 次週(3/17~)からのテーマ】
“たくさんの動物たちを見ることができる場所”、『動物園』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング ♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング ♪To Be / モントルー
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