日本の夏の風物詩の1つ、『風鈴』についてです。
■今週(7/15~7/19)のテーマ:『風鈴』
7/15(月) 『風鈴の構造』 ※お断り:ニッポン放送は開局特番のため休止
一般的に風鈴は大きく分けると、3つのパーツから作られています。
1つめは『外身(そとみ)』。
風鈴の本体で、主にお椀の形をしていて、“鐘”のイメージです。
2つめは『舌(ぜつ)』。『外身』から吊り下がっている部分です。
3つめは『短冊』。『舌』の先のところに吊り下がっています。
風鈴が鳴る仕組みですが、短冊が風を受けることで、短冊とつながっている『舌』が揺れます。
それが『外身』に当たって音が鳴るんですネ。
このようにシンプルな構造ではありますが、『外身』や『舌』の材質ですとか、
形、さらに短冊の大きさなどによって、音が変わってくるそうなんですネ。
例えば材質による違いですと、ガラス製の風鈴は“チリンチリン”と短い音色ですが、
金属製の風鈴は“リーン”と長く、高く澄んだ音色が特徴だそうです。
また同じ材質でも、一般的に大きい風鈴の音色は、低くて余韻が長く、
小さい風鈴の音色は、高くて余韻が短いのだそうです。
さらに、吹く風の強弱の違いによっても音色が変わってきます。
【感想】
風鈴の音、大好き!
私はガラス製の“チリンチリン”も好きですけど、金属製の“リーン”という音色も好きかなぁ。
亡くなったお祖母ちゃんの部屋の窓に、南部風鈴が吊るしてあって、
籐のイスに座って目をつぶりながら“イイ音だねぇ”って聞いていた祖母を思い出す音色なんですよネ。
皆さんは風鈴にどんな思い出がありますか?
7/16(火) 『風鈴の豆知識』
風鈴の音色を聴くと、涼しく感じるのはなぜでしょうか?
これには様々な説があります。
例えば、風鈴は風が吹かないと鳴りませんよネ。
そのため風鈴の音色を聴いて、“風が吹いている”と感じることで、脳が“涼しい”と判断するそうなんです。
実験の結果、実際に体感温度が下がったことが証明されているそうです。
また風鈴の音色には、『1/f(エフぶんのイチ)ゆらぎ』があるといわれています。
『1/fゆらぎ』の『1/f』とは、“周波数を表す記号”のことです。
そして『1/fゆらぎ』とは、簡単にいいますと、“脳がリラックスして、心地良いと感じるリズム“のことだそうです。
“規則的なもの”と“不規則なもの”が、適度に組み合わさっていることで、
脳がリラックスして心地良さを感じるんだそうですネ。
この『1/fゆらぎ』ですが、風鈴の音色以外にも、
例えば“ロウソクの炎”ですとか、“小川のせせらぎ”、“潮の満ち引き”、“心臓の鼓動”などにも
存在していているといわれています。
他にも風鈴の音色には、“小鳥のさえずり”などと同じように、
脳を活性化させて、ストレスを抑える働きがあることから、
“暑さによる不快な気持ちやイライラ”を和らげてくれる効果があるそうです。
【感想】
ん~、気持ちイイですもんネ。あの音。
私もいただいた風鈴が窓際にあるんですけども、風が吹くとリーンリーンて鳴るんですネ。
そうすると場が浄化されるような、清めてくれるように感じるんですよネ。
昔の人はエアコンのない時代を、いかに涼しく過ごすか、
知恵を絞ってたんだなぁ・・・っていうことを感じますネ。
暑いですけども、風鈴の音で少し体感温度を下げていけたらイイですネ。
7/17(水) 『風鈴の歴史』
風鈴は中国が『唐(とう)』と呼ばれていた時代、
“青銅(せいどう)”でできた“占いのための道具”、『風鐸(ふうたく)』が始まりといわれています。
『風鐸』の『鐸』という字には“大きな鈴”という意味があります。
そんな『風鐸』を竹林に吊るして、風によって起こる音の変化や風向きで占っていたそうです。
その後、『風鐸』は、仏教とともに日本に伝わってきました。
そして『風鐸』を、お寺の屋根の四隅に吊るして“魔除け”として使っていたそうです。
現在でも『風鐸』が、お寺や神社の四隅に飾られているのは当時からの風習とされています。
平安時代以降になると、“その音が届く範囲は、災いや病気から守られる”と信じられていたそうです。
その後、『風鐸』は『風鈴』と呼ばれるようになり、一般庶民の間にも普及していきます。
そして病気が流行しやすい夏を中心に、自宅に吊るして無病息災を願うという風習になっていきました。
江戸時代になると、ガラス細工の技術の発達により、現代のガラス製の風鈴へと姿を変えていったそうです。
【感想】
へぇ~、確かに神社やお寺の四隅に、風鈴のような形をしたものが吊るされているのを見たことがあります。
あれは音で厄除け、魔除けをするというものなんですネ。
風鈴って“無病息災”という願いが込められていたんですネ。
もっとあの音を、そういう願いを込めて聴いてみると、何かそうなっていくような感じがしますよネ。
涼しいだけじゃなくて、意味があったんですネ。
7/18(木) 『江戸風鈴』
『江戸風鈴』は、江戸時代から伝わる技術を受け継いで作られているガラス製の風鈴です。
その技術を受け継ぎ、大正時代に『篠原風鈴本舗(しのはらふうりんほんぽ)』さんを創業された、
二代目・篠原儀治(しのはら・よしはる)さんが、このガラスの風鈴のことを『江戸風鈴』と名付けたんだそうです。
そんな『江戸風鈴』には、3つの特徴があります。
1つめは、『型を使わない“宙吹き(ちゅうぶき)”であること』。
“宙吹き”とは、長いガラス管を空中でクルクルと回しながら、
息を吹き込んでガラスをふくらませていく、江戸から続く技法です。
この“宙吹き”ですが、良い音ができるまで10年かかるといわれているそうです。
2つめは、『音を良くするため、“鳴り口(なりくち)”と呼ばれる
ガラス玉の断面の部分が、ギザギザになっていること』。
そして3つめは、『内側から絵を描いていること』です。
内側から描くのはとても難しく、最低でも3年は修業が必要な技術だそうです。
このような3つの特徴を守って、『江戸風鈴』が作られています。
現在、『江戸風鈴』が作られているのは、東京・江戸川区にあります『篠原風鈴本舗』さんと、
東京・台東区にあります『篠原まるよし風鈴』さんの2件だそうです。
【感想】
私、実は数年前にこちらの風鈴屋さんで、作らせてもらったことがあるんですネ。
ガラスを吹くのは本当に難しいですし、絵を描くのが難しかったですネ。思っている以上に・・・。
内側から描くのも難しいんです。
しかも湾曲しているので、思ったように書いたつもりが、その形にならないんですよネ。
でも出来上がった下手っぴいな風鈴は、世界に1つしかなく、愛着のわく風鈴となりました。
7/19(金) 『南部風鈴と風鈴市』
『江戸風鈴』と並んで、“風鈴の代表”といわれているのが、『南部風鈴』です。
“鉄瓶”などで知られる、岩手県の伝統工芸品『南部鉄器』を使った風鈴です。
『南部風鈴』の最大の特徴は、その音色です。
ガラス製の風鈴が“チリンチリン”といったように短い音なのに対して、
『南部風鈴』は“リーン”と長く、そして高く澄んだ音が特徴です。
実際、どんな音色なのか、聴いてください。
◆南部風鈴の音 ~
イイですネ。
この音色ですが、環境省の『残したい“日本の音100選”』にも選ばれているんだそうです。
こうした『南部風鈴』を始め、全国47都道府県の風鈴が一堂に勢ぞろいする『川崎大師 風鈴市』が
7月24日(水)まで、神奈川県・川崎大師で開催中です。
期間中は、とってもレアな『金の風鈴』や『プラチナ風鈴』が別に展示されているそうです。
【感想】
南部風鈴の音は私にとっては、祖母を思い出す音色で、大好きなんですネ。
全国の風鈴が一堂に会する風鈴市、ぜひ行ってみて、涼を感じてきてくださいネ。
☆川崎大師風鈴市 https://www.fuurinichi.com/
【今週の感想】
風鈴の音色、私は本当に大好きなんです。
番組の中でもお話しましたが、風鈴にはたくさんの想い出があります。
風鈴の音色を聴くたびに、遠い夏の日の想い出がよみがえってきます。
次々と梅雨明けし、本格的に夏が始まりました。
厳しい暑さの中、風鈴の音色で涼を感じたいところなんですが、
実はその音色を“うるさい”と感じる方もいて、トラブルになった事例もあるそうなんです。
そうならないためにも、配慮が必要なんだそうです・・・。
【お知らせ① 次週(7/22~)からのテーマ】
朝、起きた時などにする『体操』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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