羽田美智子のいってらっしゃい

2024.07.12

2024年7月8日週 テーマ「アナゴ」

天ぷらやお寿司に欠かせない食材のひとつ、 『アナゴ』についてです。

 

■今週(7/8~7/12)のテーマ:『アナゴ』

7/8(月) 『アナゴとは』

 

アナゴは『アナゴ科』という魚の総称です。

一生を海で過ごす“海洋魚”で、その種類は世界で150以上といわれています。

その中で日本に生息しているのは、27種類です。

 

アナゴは夜行性で、昼間は海底の穴や岩の間に身を潜め、夜になるとエサを求めて動き出します。

漢字でアナゴは“穴”に“子どもの子”と書きますが、

これは“穴に潜む・穴にこもる”というところから・・という説が有力だそうです。

 

先程、“日本では27種類のアナゴが生息しています”とご紹介しましたが、

その中で一般的に『アナゴ』と呼ばれているのは、食用の『マアナゴ』のことだそうです。

 

このマアナゴですが、東京湾や伊勢湾、仙台湾、瀬戸内海、

さらに長崎の対馬(つしま)などが生息地として知られています。

そんなアナゴの獲り方ですが、長さ80cmから90cmの専用の長い筒を使います。

その中にエサを仕掛けて、海の中に沈めておくと、そのエサを求めて、アナゴが中に入ってくるんですって。

 

ところが筒の中には、“返し”と呼ばれるフタが付いていて、

一度、中に入ってしまうと“返し”が邪魔になって出られない・・という仕組みになっているそうなんです。

 

【感想】

アナゴ、美味しいですよねぇ~。

タレを絡めて、寿司ネタとしても最高に美味しい・・・と思っていても、

生息地とか生態系なんてことは、よく知らなかったですネ。

そもそもウナギと似ているような・・・というぐらいの知識しかないですネ。

今週、アナゴについて一緒に詳しくなりましょうネ。

 

7/9(火)  『アナゴの豆知識①』

アナゴと聞いて、“ウナギとどこが違うの?”って思われた方、いらっしゃるかと思います。

・・・私もそのひとりです。

実はアナゴもウナギも“同じ仲間”なんだそうです。

 

『ウナギ目(もく)』という大きなカテゴリーがあって、

その中に『アナゴ科』、『ウナギ科』といったように分かれているんですって。

ちなみに、この『ウナギ目』にはハモやウミヘビ、ウツボなどもいて、つまり“同じ仲間”になるんだそうです。

 

その中でも、特にアナゴとウナギはよく似ていますが、それでもいろいろ違いがあるんですって。

例えば、ウナギには体の表面に細かいウロコがありますが、アナゴにはないんです。

 

また、クチの形がアナゴの場合、“上あご”が出ているのに対し、ウナギの場合、“下あご”が出ているそうです。

他にも、目の大きさがアナゴのほうが大きいんです。

さらに尾びれの形が、アナゴはとがっていますが、ウナギは丸いんです。

 

そして栄養素を比べてみると、一番の違いは『脂質』の量です。

脂質はタンパク質や炭水化物と同じように、

大切なエネルギー源ですが、ウナギに含まれる脂質の量は、アナゴの倍以上もあるそうなんです。

その分、ウナギのほうがカロリーも高くなっています。

 

【感想】

へぇ~、ウナギとアナゴはやっぱり同じグループなんですネ。

ソックリですもんネ。でもカロリーが全然違う・・・。

またハモも、同じグループだったんですネ。

ハモはわりに狂暴だけど、アナゴやウナギもそうなのかなぁ・・・?

細長いルックスで、まったく未知なる生き物たちですネ。

いつも思うけど、最初に食べた人ってすごいですよネ。

 

7/10(水)  『アナゴの豆知識②』

アナゴの旬は“初夏”と“冬”の頃で、中でも“初夏のアナゴ”は“梅雨アナゴ”とも呼ばれていて、

サッパリとした味わいが特徴なんだそうです。

 

その中でも東京湾で獲れるアナゴは、江戸前天ぷらや江戸前寿司に欠かせないネタのひとつです。

江戸前寿司のアナゴは、煮たアナゴをシャリにのせて、“ツメ”と呼ばれる煮詰めたタレを塗ったもので、

『穴子寿司』とも呼ばれています。

 

そんなアナゴですが、ウナギと同じように、関東と関西では“開き方”に違いがあるそうなんですネ。

関東は“背開き・背中から”で、関西は“腹開き・お腹から”です。

 

江戸時代、関東は“武士の文化”で、お腹を開くのは“切腹”をイメージさせ、“縁起が悪い”と嫌われたことから“背中から”。

それに対して関西は“商人の文化”で、“お客さんとは腹を割って話せるように“と、”お腹“から包丁を入れていたそうです。

 

そして調理の仕方も違っていて、

関東では開いたアナゴをお醬油やみりん、お砂糖、日本酒で煮詰めた“煮穴子”が主流なのに対して、

関西は直火であぶった“焼き穴子”が一般的なんですって。

そうやって焼き上がったアナゴを、関西ずしの『棒ずし』にしたり、関西独特の『巻きずし』の芯、

さらには『五目ずし』の上に散らしたりするそうです。

 

【感想】

穴子寿司、甘辛いタレがたまらなくて、アナゴのふわふわの食感とともに、食をそそりますよねぇ。

やっぱりウナギと同じように、関東と関西で開き方に違いがあるんですネ。

いやぁ~、アナゴ、食べたくなりませんか?

お昼ごはんにちょっとぜいたくだけど、穴子寿司とか巻きずし、イイですネ。

ぜひ皆さんも食べてみてください。

 

7/11(木)  『アナゴの豆知識③』

江戸時代から“アナゴの名産地”として知られているところに、広島県の宮島があります。

広島といえば『カキ』が有名ですが、カキを養殖する際、カキ自身が出す泥が海の底にたまっていくそうなんですネ。

 

そこに、アナゴのエサとなる小魚などがたくさん生息するようになり、

エサを求めてアナゴが集まってくることから、宮島のアナゴが有名になったそうです。

 

そんなアナゴを使った広島の郷土料理に、『穴子飯(あなごめし)』があります。

アナゴのアラや昆布でダシを取り、そのダシ汁とお醬油で炊いたご飯に、アナゴの蒲焼きをのせたものです。

場所によってはアナゴを蒸したり、ご飯と混ぜ込むところもあるそうです。

 

この『穴子飯』ですが、瀬戸内海の漁師料理『穴子どんぶり』が発祥とされ、

明治時代になって、駅弁として売り出されたことで広まっていたそうです。

 

また高知県では、アナゴの稚魚のことを『のれそれ』と呼んでいて、高級珍味として親しまれているそうです。

写真を見ますと、透明で、見た目にもとっても美しいですネ。

ツルンとした食感で、味は淡白ですが、ほのかな甘みがあるそうです。

 

ゆずポン酢や酢味噌、わさび醤油などで、ナマでいただく他、

ネギと一緒に卵でとじたり、すまし汁にしたりするそうです。

 

【感想】

広島に行った時、穴子飯いただきましたが、とってもとっても美味しかったです。

カキとつながりがあるんですネ。納得です。

『のれそれ』、おもしろい名前ですネ。

美しいお魚ですネ。これ食べてみたいです。

アナゴの世界って知れば知るほどおもしろいし、日本にアナゴがあって良かったなぁと思います。

 

7/12(金)  『チンアナゴ』

 

『チンアナゴ』も『マアナゴ』などと同じ、『アナゴ科』の仲間です。

この名前ですが、イヌの『チン』に似ていることが由来だそうです。

写真を見ますと、ホントに似てるんですネ。

 

熱帯の海の砂地に、巣となる穴を作って生息しています。

穴の深さは体長の倍以上あって、外敵が近づいて来たら一斉に砂の中に隠れて身を守ります。

 

そんなチンアナゴですが、みんなが同じ方向を向いてゆらゆら揺れているんですよネ。

その姿や動きがとってもユニークですが、これはエサとなるプランクトンが流れてきた時、

すぐにキャッチできるように、海流の方向を向いて待ち構えているからだそうなんです。

 

チンアナゴの体には、5つの黒い大きな斑点があります。

この斑点ですが、左右に2つずつ、そして真ん中のお腹の部分に1つあります。

ちなみに左右の斑点のところには、小さな胸ビレ。

お腹の斑点のところには、肛門があるそうなんです。

 

そんなチンアナゴの群れの中に、オレンジのシマシマ模様のものもいるんですよネ。

こちらは『ニシキアナゴ』という名前で、

チンアナゴとは同じ『アナゴ科』の仲間ではあるんですが、別の生き物なんだそうです。

 

【感想】

チンアナゴって、不思議な生き物ですよネ。

ゆらゆらゆらゆら揺れていて、なんかモヤシみたいに一瞬見えるみたいな。

エノキダケにも見えるような細長い姿で、ゆらゆらゆらゆら揺れているんですよネ。

“美味しい”としか知らなかったアナゴのこと、少し詳しくなりましたネ。

 

【今週の感想】

以前からウナギとアナゴは別のもの・・・とは分かってはいたんですが、

“じゃあ何が違うの?”と聞かれると、“う~ん・・・”と答えに詰まっていましたが、

少しはちゃんと答えられるようになりました。多分・・・(汗)。

でもいろいろなところで、郷土料理としても親しまれているアナゴ。

カロリーもお値段もウナギに比べると、やさしいですし、この夏はアナゴを食べて暑さを乗り切りたいと思います。

本当に今年は暑さが厳しいですから、どうぞ皆さま、熱中症など体調にお気をつけください。

 

【お知らせ① 次週(7/15~)からのテーマ】

日本の夏の風物詩の1つ、『風鈴』についてです。

※お断り:7/15、ニッポン放送は開局特番のため休止となります。ご了承ください。

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/