天ぷらやお寿司に欠かせない食材のひとつ、 『アナゴ』についてです。
■今週(7/8~7/12)のテーマ:『アナゴ』
7/8(月) 『アナゴとは』
アナゴは『アナゴ科』という魚の総称です。
一生を海で過ごす“海洋魚”で、その種類は世界で150以上といわれています。
その中で日本に生息しているのは、27種類です。
アナゴは夜行性で、昼間は海底の穴や岩の間に身を潜め、夜になるとエサを求めて動き出します。
漢字でアナゴは“穴”に“子どもの子”と書きますが、
これは“穴に潜む・穴にこもる”というところから・・という説が有力だそうです。
先程、“日本では27種類のアナゴが生息しています”とご紹介しましたが、
その中で一般的に『アナゴ』と呼ばれているのは、食用の『マアナゴ』のことだそうです。
このマアナゴですが、東京湾や伊勢湾、仙台湾、瀬戸内海、
さらに長崎の対馬(つしま)などが生息地として知られています。
そんなアナゴの獲り方ですが、長さ80cmから90cmの専用の長い筒を使います。
その中にエサを仕掛けて、海の中に沈めておくと、そのエサを求めて、アナゴが中に入ってくるんですって。
ところが筒の中には、“返し”と呼ばれるフタが付いていて、
一度、中に入ってしまうと“返し”が邪魔になって出られない・・という仕組みになっているそうなんです。
【感想】
アナゴ、美味しいですよねぇ~。
タレを絡めて、寿司ネタとしても最高に美味しい・・・と思っていても、
生息地とか生態系なんてことは、よく知らなかったですネ。
そもそもウナギと似ているような・・・というぐらいの知識しかないですネ。
今週、アナゴについて一緒に詳しくなりましょうネ。
7/9(火) 『アナゴの豆知識①』
アナゴと聞いて、“ウナギとどこが違うの?”って思われた方、いらっしゃるかと思います。
・・・私もそのひとりです。
実はアナゴもウナギも“同じ仲間”なんだそうです。
『ウナギ目(もく)』という大きなカテゴリーがあって、
その中に『アナゴ科』、『ウナギ科』といったように分かれているんですって。
ちなみに、この『ウナギ目』にはハモやウミヘビ、ウツボなどもいて、つまり“同じ仲間”になるんだそうです。
その中でも、特にアナゴとウナギはよく似ていますが、それでもいろいろ違いがあるんですって。
例えば、ウナギには体の表面に細かいウロコがありますが、アナゴにはないんです。
また、クチの形がアナゴの場合、“上あご”が出ているのに対し、ウナギの場合、“下あご”が出ているそうです。
他にも、目の大きさがアナゴのほうが大きいんです。
さらに尾びれの形が、アナゴはとがっていますが、ウナギは丸いんです。
そして栄養素を比べてみると、一番の違いは『脂質』の量です。
脂質はタンパク質や炭水化物と同じように、
大切なエネルギー源ですが、ウナギに含まれる脂質の量は、アナゴの倍以上もあるそうなんです。
その分、ウナギのほうがカロリーも高くなっています。
【感想】
へぇ~、ウナギとアナゴはやっぱり同じグループなんですネ。
ソックリですもんネ。でもカロリーが全然違う・・・。
またハモも、同じグループだったんですネ。
ハモはわりに狂暴だけど、アナゴやウナギもそうなのかなぁ・・・?
細長いルックスで、まったく未知なる生き物たちですネ。
いつも思うけど、最初に食べた人ってすごいですよネ。
7/10(水) 『アナゴの豆知識②』
アナゴの旬は“初夏”と“冬”の頃で、中でも“初夏のアナゴ”は“梅雨アナゴ”とも呼ばれていて、
サッパリとした味わいが特徴なんだそうです。
その中でも東京湾で獲れるアナゴは、江戸前天ぷらや江戸前寿司に欠かせないネタのひとつです。
江戸前寿司のアナゴは、煮たアナゴをシャリにのせて、“ツメ”と呼ばれる煮詰めたタレを塗ったもので、
『穴子寿司』とも呼ばれています。
そんなアナゴですが、ウナギと同じように、関東と関西では“開き方”に違いがあるそうなんですネ。
関東は“背開き・背中から”で、関西は“腹開き・お腹から”です。
江戸時代、関東は“武士の文化”で、お腹を開くのは“切腹”をイメージさせ、“縁起が悪い”と嫌われたことから“背中から”。
それに対して関西は“商人の文化”で、“お客さんとは腹を割って話せるように“と、”お腹“から包丁を入れていたそうです。
そして調理の仕方も違っていて、
関東では開いたアナゴをお醬油やみりん、お砂糖、日本酒で煮詰めた“煮穴子”が主流なのに対して、
関西は直火であぶった“焼き穴子”が一般的なんですって。
そうやって焼き上がったアナゴを、関西ずしの『棒ずし』にしたり、関西独特の『巻きずし』の芯、
さらには『五目ずし』の上に散らしたりするそうです。
【感想】
穴子寿司、甘辛いタレがたまらなくて、アナゴのふわふわの食感とともに、食をそそりますよねぇ。
やっぱりウナギと同じように、関東と関西で開き方に違いがあるんですネ。
いやぁ~、アナゴ、食べたくなりませんか?
お昼ごはんにちょっとぜいたくだけど、穴子寿司とか巻きずし、イイですネ。
ぜひ皆さんも食べてみてください。
7/11(木) 『アナゴの豆知識③』
江戸時代から“アナゴの名産地”として知られているところに、広島県の宮島があります。
広島といえば『カキ』が有名ですが、カキを養殖する際、カキ自身が出す泥が海の底にたまっていくそうなんですネ。
そこに、アナゴのエサとなる小魚などがたくさん生息するようになり、
エサを求めてアナゴが集まってくることから、宮島のアナゴが有名になったそうです。
そんなアナゴを使った広島の郷土料理に、『穴子飯(あなごめし)』があります。
アナゴのアラや昆布でダシを取り、そのダシ汁とお醬油で炊いたご飯に、アナゴの蒲焼きをのせたものです。
場所によってはアナゴを蒸したり、ご飯と混ぜ込むところもあるそうです。
この『穴子飯』ですが、瀬戸内海の漁師料理『穴子どんぶり』が発祥とされ、
明治時代になって、駅弁として売り出されたことで広まっていたそうです。
また高知県では、アナゴの稚魚のことを『のれそれ』と呼んでいて、高級珍味として親しまれているそうです。
写真を見ますと、透明で、見た目にもとっても美しいですネ。
ツルンとした食感で、味は淡白ですが、ほのかな甘みがあるそうです。
ゆずポン酢や酢味噌、わさび醤油などで、ナマでいただく他、
ネギと一緒に卵でとじたり、すまし汁にしたりするそうです。
【感想】
広島に行った時、穴子飯いただきましたが、とってもとっても美味しかったです。
カキとつながりがあるんですネ。納得です。
『のれそれ』、おもしろい名前ですネ。
美しいお魚ですネ。これ食べてみたいです。
アナゴの世界って知れば知るほどおもしろいし、日本にアナゴがあって良かったなぁと思います。
7/12(金) 『チンアナゴ』
『チンアナゴ』も『マアナゴ』などと同じ、『アナゴ科』の仲間です。
この名前ですが、イヌの『チン』に似ていることが由来だそうです。
写真を見ますと、ホントに似てるんですネ。
熱帯の海の砂地に、巣となる穴を作って生息しています。
穴の深さは体長の倍以上あって、外敵が近づいて来たら一斉に砂の中に隠れて身を守ります。
そんなチンアナゴですが、みんなが同じ方向を向いてゆらゆら揺れているんですよネ。
その姿や動きがとってもユニークですが、これはエサとなるプランクトンが流れてきた時、
すぐにキャッチできるように、海流の方向を向いて待ち構えているからだそうなんです。
チンアナゴの体には、5つの黒い大きな斑点があります。
この斑点ですが、左右に2つずつ、そして真ん中のお腹の部分に1つあります。
ちなみに左右の斑点のところには、小さな胸ビレ。
お腹の斑点のところには、肛門があるそうなんです。
そんなチンアナゴの群れの中に、オレンジのシマシマ模様のものもいるんですよネ。
こちらは『ニシキアナゴ』という名前で、
チンアナゴとは同じ『アナゴ科』の仲間ではあるんですが、別の生き物なんだそうです。
【感想】
チンアナゴって、不思議な生き物ですよネ。
ゆらゆらゆらゆら揺れていて、なんかモヤシみたいに一瞬見えるみたいな。
エノキダケにも見えるような細長い姿で、ゆらゆらゆらゆら揺れているんですよネ。
“美味しい”としか知らなかったアナゴのこと、少し詳しくなりましたネ。
【今週の感想】
以前からウナギとアナゴは別のもの・・・とは分かってはいたんですが、
“じゃあ何が違うの?”と聞かれると、“う~ん・・・”と答えに詰まっていましたが、
少しはちゃんと答えられるようになりました。多分・・・(汗)。
でもいろいろなところで、郷土料理としても親しまれているアナゴ。
カロリーもお値段もウナギに比べると、やさしいですし、この夏はアナゴを食べて暑さを乗り切りたいと思います。
本当に今年は暑さが厳しいですから、どうぞ皆さま、熱中症など体調にお気をつけください。
【お知らせ① 次週(7/15~)からのテーマ】
日本の夏の風物詩の1つ、『風鈴』についてです。
※お断り:7/15、ニッポン放送は開局特番のため休止となります。ご了承ください。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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