羽田美智子のいってらっしゃい

2024.07.04

2024年7月1日週 テーマ「浴衣」

これからの時期、花火大会など着る機会が多い『浴衣』についてです。

 

■今週(7/1~7/5)のテーマ:『浴衣』

7/1(月) 『浴衣と着物の違い①』

 

“浴衣”とは簡単にいいますと、“夏に着る薄手の着物”です。

“着物”という大きなカテゴリーの中に“浴衣”があるんですネ。

 

実は“浴衣と着物の違い”のひとつに、“着る時期”というのがあります。

浴衣の場合、“夏”に限定されるのに対し、着物の場合、1年中、着ることができます。

実際、夏でも着物を着られている方、いらっしゃいますよネ。

 

また着物の場合、冠婚葬祭などの際の“正装・フォーマルウエア”として着ることができますが、

浴衣の場合、あくまでも“カジュアルウエア”なんですネ。

 

さらに浴衣と着物では、“生地”に違いがあります。

浴衣の場合、“木綿”または“木綿と麻の混合”のものが多いです。

中には“カジュアルな浴衣”のように、お値段がリーズナブルで、ご家庭でも洗濯できるように、

ポリエステルなどの化学繊維を使ったものあります。

それに対して、着物の場合、木綿や絹、ウールなどが使われています。

生地の厚さも着物と比べて浴衣の場合、薄いです。

 

このように、浴衣と着物には“着る時期”や“生地”といった違いがありますが、他にもあるそうなんですネ。

 

【感想】

浴衣、花火大会で女の子が可愛く浴衣を着ている姿は、素敵ですよネ。

一緒に歩いている男の子も嬉しそうで、なんかイイですよネ。

色も豊富で柄も様々で、個性を出すのも面白いところですよネ。

素足に下駄がたまらなく色っぽいし、私も浴衣は本当に好きだなぁ・・・。

 

7/2(火)   『浴衣と着物の違い②』

“着る時期”ですとか、“生地の素材”といったように、浴衣と着物ではいくつか違いがあります。

他にも例えば、“下に着るもの・インナー”です。

 

着物の場合、基本的に上半身に『肌襦袢』、下半身に『裾よけ』、

肌襦袢と着物の間に、『長襦袢』を着ます。

それに対して浴衣の場合、基本的には何も着ないんですネ。

 

とはいいましても、浴衣1枚ではなんか心配ですよネ。

そこで肌襦袢をインナーとして使います。

襦袢は2つのタイプがあって、『上下分かれたセパレートタイプ』と

『すっぽりと全身を覆うことができるワンピースタイプ』があります。

襦袢の代わりに、キャミソールやステテコなどを使われる方もいますよネ。

 

そして浴衣も着物も、締める時の“帯”が欠かせませんが、この帯にも違いがあります。

浴衣に使われる帯は『半幅帯(はんはばおび)』といいます。

この文字のように、着物に使われる『名古屋帯』や『袋帯』などと比べると、幅が細く、長さも短いのが特徴です。

 

また履物も着物の場合、足袋を履いてから草履を履くのに対し、

浴衣の場合、一般的には足袋を使用せず、裸足で下駄を履きます。

他にも浴衣の場合、着物に比べて“着付けが簡単”といった違いがあります。

 

【感想】

確かに着付け、簡単ですよネ。

浴衣と帯の組み合わせで、何通りもコーディネートできるのも面白いところですよネ。

半幅帯で蝶結びするのが一般的ですけど、私はお稽古の時、貝の結び(貝の口結び)といって、

本当に簡単に着付けられる帯があるんですけど、それをやりますネ。

浴衣は見た目よりも涼しくはないかもしれないけど、

汗を吸収してくれるので、結果、涼しくなるんだなぁ・・・っていうふうに思いますネ。

 

7/3(水)  『浴衣の歴史』

浴衣の歴史は平安時代、貴族が蒸し風呂に入る際に、

水蒸気でヤケドをしないように着ていた『湯帷子(ゆかたびら)』が始まりとされています。

“浴衣”という名前の語源も、この湯帷子だそうです。

 

このように、最初は“お風呂で着るもの”だった湯帷子でしたが、

その後、素材に、吸水性も風通しも良い木綿が使われるようになりました。

それによって湯帷子は“湯上り用の部屋着”へと変わっていき、

さらに寝る時の“寝間着”としても使われるようになりました。

 

そして江戸時代になり、お風呂屋さんが庶民の間でも普及すると、湯帷子は“浴衣”と呼ばれるようになりました。

当時、浴衣はお風呂上がりに着る、現在の『バスローブ』のような役割でしたが、

次第にそのまま着て、外に出られるようになっていきました。

 

このように、最初はいわゆる“下着”だった浴衣ですが、その後、“外出着”へと変わっていきます。

そして盆踊りやお花見などに、お揃いの浴衣で出かけることが流行し、

“浴衣文化”が江戸の街に根づいていきました。

また当時、幕府は財政難から、ぜいたくを禁止する意味で『町人は絹を着てはならない』というお達しを出しました。

それによって木綿の浴衣は、まずます人気となったそうです。

 

【感想】

エッ!お風呂に入る時に着ていたものだったんですか・・・。

これ知らなかったです。確かに『浴衣』を漢字で書くと、“入浴”の“浴”に“衣”ですもんネ。なるほど。

だけど木綿って、体にやさしいですネ。

平安時代の頃からあった日本文化なんだなぁ・・・と知って、なんか浴衣が愛おしくなってきました。

 

7/4(木)  『浴衣の豆知識』

浴衣を着る時、“前で合わせるのは右だっけ?左だっけ?”と迷ってしまうことが結構、あるそうなんですネ。

正解は『右前』です。

これは浴衣に限らず、着物やその下に着る肌襦袢や長襦袢、さらに作務衣などにもいえることです。

 

右前で合わせるようになったのは、奈良時代の8世紀、

法律で『すべての人は右前で衣服を着なさい』と定められて以来、続いているそうです。

右前になったのは、当時の中国の風習の影響によるものと考えられています。

 

とはいいましても、『右前』という表現は一般的には分かりづらく、覚えにくいんですよネ。

そこで覚え方の例として、『アルファベットの小文字の「y」』というのがあるそうなんです。

 

アルファベットの「y」を思い浮かべていただくと、「y」の字は左が短く、右が長いですよネ。

そこで“相手から見て小文字の「y」になっているか”ということで、右前が分かってくるんですネ。

“右前はどっちだったっけ?”と迷われた時は、首元を見て「y」が見えるか確認するとイイそうです。

 

ちなみに左前にしてしまうと、亡くなった方に着せる衣装、

『死装束』の着せ方になってしまうため、“縁起が悪い”ということでタブーとされています。

 

【感想】

日本舞踊を習っていた時に着物の着方を習いまして、

右前をしっかり学びましたが、覚えるまでは難しかったですネ。

茶道にも関係していますが、右手が懐に入るように、

お返しを出したりしまったりする作業があるんですけども、

その時に“右手が右前に入るように着るとイイ”っていう覚え方もありました。

小文字の『y』、これと併せて覚えてもらうと嬉しいなと思います。

 

7/5(金)  『浴衣の柄』

浴衣の柄は“夏”を連想させるデザインから、着物でも見かける伝統的な模様まで、様々な種類があります。

そういった柄には、それぞれ意味が込められているそうなんです。

 

例えば、『朝顔』です。

朝顔は朝に咲いて、昼にはしぼんでしまいますが、

そのツルが支柱、支えるための棒にしっかりと絡みつくことから、

“固い絆”ですとか、“愛情”といった意味が込められているそうです。

 

続いて、『紫陽花』です。

紫陽花は花びらが寄り集まって、1つの花として咲くことから

“仲の良さ”をイメージする“和気あいあい”ですとか、“家族団らん”といった意味があるそうです。

 

続いて、『金魚』です。

古くから金魚は様々な国々で、“富”や“幸福”をもたらせてくれる縁起物とされているそうなんですネ。

そういったところから、金魚の柄には“幸福“や“豊かさ”などの意味があるそうです。

 

そして、『花火』です。

“花火には霊を慰める”ですとか、“疫病退散(えきびょうたいさん・病気がなくなることを祈る)”といった

意味があることから、花火の柄には『穢(けが)れや厄、邪気を追い払う』という願いが込められているそうです。

 

【感想】

私が持っている浴衣、何だったかなぁ~?と思い出したら、花火の柄、そして朝顔の柄を持っていましたネ。

そういう意味があったとは知りませんでした。

浴衣、華やかな柄も好きだし、しっとりと大人の柄も素敵だし、

今年も花火大会、あちらこちらで開催されると思いますので、ぜひ皆さんも浴衣を着て行きませんか。

 

【今週の感想】

これからの時期、特に女性の方の浴衣姿を見かける機会が多くなりますよネ。

着物もそうですが、浴衣を着ると本当にイメージが変わりますよネ。

特に女性の場合、普段のイメージとは全然違って、

その姿を見た瞬間、男性が一瞬で恋におちた・・・ということが結構あるそうですよ。

確かに着る時ですとか歩く時、大変だと思いますが、

それでも古くから伝わる素敵な日本文化、しっかりと受け継いでいきたいものですネ。

 

【お知らせ① 次週(7/8~)からのテーマ】

天ぷらやお寿司に欠かせない食材のひとつ、 『アナゴ』についてです。

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/