パンなどにつけていただくもの、『ジャム』についてです。
■今週(6/3~6/7)のテーマ:『ジャム』
6/3(月) 『ジャムとは』
『日本農林規格(JAS)』では、『ジャム』とは
“果実や野菜などに砂糖を加え、果物の水分を砂糖に置き換えることでゼリー化するまで加熱したもの”と定めています。
甘酸っぱく、果物の果汁や果肉の味を楽しむことができます。
ジャムは英語で『JAM』と書きますが、
これは“グチャグチャかむ”という意味の『CHAM(チャム)』という古い方言が語源といわれています。
そんなジャムですが、歴史はとても古く、今から1万年以上も前の旧石器時代までさかのぼります。
ミツバチの巣から蜜を取り、果実を煮た形跡が発見されているそうです。
このように“果実をハチミツで煮たもの”が、ジャムの始まりと考えられています。
同時にジャムは、“最も古い保存食品”ともいえるそうです。
その後、11世紀から13世紀にかけて、お砂糖が流通するようになると、
ジャムが一般的に広まったといわれています。
そして現在では、定番のイチゴを始め、ブルーベリーやラズベリー、
プルーン、パッションフルーツといった様々なフルーツ、トマトやニンジンなどの野菜、
さらにバラや桃、キンモクセイなどの花びらを原料としたジャムも作られています。
【感想】
ジャム、美味しいですよネ。
若い頃は甘くて、あんまり食べませんでしたけど、この頃はあまり甘くないジャムも出てきましたよネ。
パンに塗るよりも私は、プレーンヨーグルトにかけたりするほうが多いかな。
友達のお母さんが手作りしてくださったイチゴのジャムや梅ジャムが美味しくて、よくいただいているんですよネ。
最も古い保存食品、これは先人の知恵ですネ。
6/4(火) 『ジャムとマーマレード』
『食品表示基準』では果実や野菜、お花の花びらなどを、お砂糖類や甘味料の一種『糖アルコール』、
またはハチミツとともに、ゼリー化するようになるまで加熱したものを『ジャム類』と定めています。
この『ジャム類』ですが、さらに『ジャム』、『マーマレード』、『ゼリー』に分類されます。
この中でマーマレードは、柑橘類の果実が原料で、柑橘類の果実の実や皮が入っているもの。
ゼリーは、果実などを搾った汁を原料としたものと定められています。
このように、ジャムもマーマレードもゼリーも、同じ仲間ということになるんですネ。
『マーマレード』という名前の語源は、ポルトガル語で“西洋カリン”という意味のフルーツ、『マルメロ』といわれています。
このマルメロなんですが、酸味が強いので、そのまま食べることはできないそうなんですネ。
そこで食べやすく、ペースト状にしたものを『マーマラーデ』と呼んでいたそうです。
またスペインでは『マルメロ』の代わりに、同じように酸味が強い『シビルオレンジ』を使って作っていたそうです。
イギリスでは、このスペイン産の『シビルオレンジ』を使った『マーマレード』が一般的だそうです。
【感想】
マーマレードも私、大好きでね、今、私のお店『羽田甚商店』でも、
私の友人のお母さまが作った手作りのマーマレードを取り扱っているんですけど、
甘夏とレモン、ゆず・・・このマーマレードが本当に美味しくて、
炭酸で割って飲んだり、もちろん、パンにつけたり、
ヨーグルトにのせたり、またお肉を焼く時に隠し味に使ったりと、重宝しているんですネ。
甘酸っぱくて、ちょっとほろ苦いのが、マーマレードのイイところですよネ。
6/5(水) 『日本のジャムの歴史』
日本に最初にジャムが伝わったのは、16世紀後半といわれています。
そして日本で初めてジャムが作られたのは、1877年(明治10年)。
東京・新宿にあった農業担当の機関で、イチゴジャムが試しに販売されたそうです。
その後、1881年、現在の長野県小諸市の塩川伊一郎(しおかわ・いいちろう)さんが、缶詰のイチゴジャムを販売しました。
そして1910年には、二代目・塩川伊一郎さんが、イチゴジャムを明治天皇に献上しました。
そして、このイチゴジャムの製造技術が、日本のジャム産業の礎になったということで、
『日本ジャム工業組合』さんが、献上した4月20日を『ジャムの日』と定めました。
1936年(昭和11年)には広島で、現在の『アヲハタ』さんが、オレンジママレードとイチゴジャムの製造を始めました。
戦後になると、学校の給食にパンが取り入れられたことで、ジャムに親しむ機会が増えていきます。
さらに一般のご家庭でも、パン食が増えたことから、ジャムの需要が高まっていきました。
そんな日本のジャムと海外のジャムの一番の違いは甘さ、『糖度』です。
日本の規格では、『糖度』が『40%以上』としているのに対し、国際規格では『65%以上』と定められています。
【感想】
フランスなどヨーロッパを旅すると、朝食の時にジャムが可愛い小瓶で何個も付いてきて、
“なんて素敵な朝ごはんなんだろう”と思いますよネ。
イチゴ、ブルーベリー、オレンジ、蜂蜜、ピーナッツバターなど心をくすぐる色彩で・・・。
ジャムってたくさんは食べられないですけど、見た目にも可愛いですし、心を豊かにしてくれるものですよネ。
6/6(木) 『ジャムの栄養価』
ジャムに含まれる糖分は消化吸収が早く、食べて数分でブドウ糖に分解されます。
このようにジャムは“即効性のあるエネルギー”でもあります。
その一方で“糖分が気になります・・・”という方もいらっしゃいますが、甘さを抑えた“低い糖度のジャム”もあります。
但し規格では、『糖度40%未満』のものは『ジャム』ではなく、『果物加工品』に分類されるそうです。
ジャムには果物や野菜の栄養素が含まれていますが、他にもジャムに加工する際に、新たに生まれる栄養素があります。
それは『メラノイジン』です。
『メラノイジン』は、熱を加えた際に起こる反応によってできる成分で、
高い抗酸化作用が期待されています。他にも、腸内環境を整える効果があることも明らかになっています。
またジャムには、『ポリフェノール』も含まれています。
『ポリフェノール』も抗酸化作用が強く、種類によって、様々な健康効果が期待されています。
他にもジャムには、食物繊維の一種『ペクチン』が含まれています。
『ペクチン』は“水に溶けるタイプの食物繊維”で、大腸で善玉菌のエサとなって整腸作用を促してくれます。
さらに『ペクチン』には、悪玉コレステロールを下げる働きがあり、
動脈硬化や心筋梗塞、糖尿病への効果が注目を集めているそうです。
【感想】
へぇ~、こんな栄養価が高いものとは知りませんでしたネ。
やっぱり“甘さ、糖分は悪いもの”と思ってしまいがちですけど、
抗酸化作用などが期待できるとなると、これは食べないといけないですネ。
果物のないシーズンに果物をいただけるわけなので、保存食としても1つ、買っておくとイイかもしれませんネ。
6/7(金) 『ジャムの豆知識』
お店に行かれた時、ジャムとよく似ているけど、違う名前のものをご覧になったこと、ありませんか?
例えば、『コンフィチュール』です。
果物をシロップや香辛料などと一緒に煮詰めたもので、もともとは保存食として作られていたそうです。
この『コンフィチュール』という名前ですが、
フランス語で『お砂糖やお酢、油などに漬ける』という意味の『コンフィット』が由来になっているそうです。
一般的なジャムのように、煮込んでゼリー状にさせないので、サラリとして果物の形が残っているのが特徴です。
この『コンフィチュール』よりも、さらに果物の形が残っているのが『コンポート』です。
果物を、お砂糖やアルコールの入ったシロップで、形を崩さないように煮たものです。
一般的にジャムや『コンフィチュール』よりも、お砂糖やシロップの量が少なめです。
白ワインなどのアルコールを入れて煮るのも、ジャムや『コンフィチュール』とは異なる点です。
その一方で、ジャムや『コンフィチュール』と比べて、保存性が低いのも『コンポート』の特徴です。
【感想】
煮込めば煮込むほど、保存性は高くなるわけですよネ。
その分、形が崩れていく・・・。
コンフィチュールもコンポートも美味しいんですよネ。
今の季節、こういうあざやかな色を見ると、パッと食べたくなるっていう、食欲がわきますよネ。
でも私はやっぱり、ジャムがイチ推しかな。
皆さんはジャム、コンフィチュール、コンポート・・・、何が一番お好きですか?
【今週の感想】
今回、番組を聴いてくださったリスナーの皆さまの感想を見ますと、
“子どもの頃はそれほどジャムが好きではなかったけれど、
大人になったらよく食べるようになりました“という方が、何人もいらっしゃったんですネ。
私もそうですけど、子どもの頃よりも今のジャムのほうが、
種類も豊富ですし、美味しさもアップしたと思いませんか?
甘さも今は自然の甘さというか、すごく食べやすくなった気が私はしています。
プレーンヨーグルトにのせて食べると、ジャムに加えて、
ヨーグルトの栄養もプラスされるわけですから、嬉しいですよネ。
これからも私は“ジャム活”、続けていきたいと思います。
【お知らせ① 次週(6/10~)からのテーマ】
“無意識にやってしまうもの”、『クセ』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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